「拝察」とは「察する」の謙譲表現
ご健勝のことと拝察いたします
日常会話で使うことはほとんどないので、知らないという人もいるのではないでしょうか。
「拝察」の読み方は「はいさつ」。「拝察」は「察する」の謙譲表現です。相手の気持ちや事情を察していますとへりくだって言う際に使います。
主に、挨拶文やスピーチのような形式的な文章の中で使用します。冠婚葬祭ではよく見聞きするでしょう。
不幸で使われるイメージがあるかもしれませんが、結婚式やお祝いなど喜ばしいシーンでも使われる表現です。
「拝察いたします」は間違い?
「拝察」を使った表現でよく見聞きするのが「拝察いたします」。
はいはい、「拝察」だけで謙譲表現だから、「拝察いたします」だと二重敬語になるんでしょ
確かにその通りなのですが、シンプルな「拝察します」を見たことがないくらい、「拝察いたします」や「拝察申し上げます」はよく使われています。
そのため、逆に「拝察します」を使うと不自然に感じてしまうかも。
同様に「ご拝察」も問題ないと考えられます。ただし、「ご拝察」に「ご」をつけるのは間違いだと考えている人もいるので何とも言えません。
ここでは「拝察いたします」も「ご拝察いたします」もよく使われているという事実だけお伝えしておきます。
「拝察」の類語
「拝察」を使う際の二重敬語がどうしても気に入らないという人は別の表現に言い換えましょう。
「拝察」とほぼ同じ意味の表現に「お察しします」があります。
「お察しいたします」と表現されることもありますが、そのまま「お察しします」として様々なシーンで使われているので、二重敬語に頭を悩ます必要もないはずです。
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「拝察」の使い方
「拝察」の具体的な使い方を例文で確認していきましょう。
・ご健勝のことと拝察いたします ・田中様には益々ご健勝にてご活躍のことと拝察いたします ・ご心労拝察いたします ・お忙しいことと拝察いたします ・皆様におかれましては、たいへんご不安な日々をお過ごしのことと、拝察申し上げます ・ご不安をお感じのことと拝察いたします ・ご家族の皆様にはさぞご心痛のことと拝察いたします
このように、相手のいい、悪いどちらの感情も「察する」際に使うのが「拝察」。
これは「拝察」だけではなく「お察しします」等もそうなのですが、気持ちや事情に軽々しく「察してているよ」と言うと相手の気分を害してしまうことがあります。
特に悪い感情・事情に対して使う際は、デリケートな話題だということを忘れないようにしてください。形式的な挨拶の中で使うにとどめ、積極的に使う表現ではありません。
「拝察」を英語で
「拝察」は英語ではどのように表現できるのでしょうか。
・I know how terrible you feel ⇒お辛いことと拝察します ・I know how wonderful you feel ⇒大変お喜びのことと拝察します
「I know how you feel」で「拝察」を表現しています。「terrible」や「wonderful」を入れることで、それがいいことか悪いことか区別することが可能。これらは特になくても意味は伝わります。
また、「I understand how you are feeling」や「My thoughts are with you」でも同様の意味に。
「拝察」を正しく使おう
「拝察」は使うシーンが限られる表現。だからこそ正しく使いたいですよね。特に通夜や葬式では独特の挨拶を使用します。事前に準備はできないので、今のうちに代表的な表現を確認しておきましょう。
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