アンチテーゼとは、反対意見のこと！
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アンチテーゼの意味をチェック
まずは、「テーゼ」と「アンチテーゼ」の意味を確認してみましょう。
「テーゼ」の対義語が「アンチテーゼ」
「テーゼ」は哲学用語で、「何かに対する肯定的な主張（命題）」のこと。
「アンチテーゼ」も哲学用語です。「アンチテーゼ」は「テーゼ」に反対語を意味する「アンチ（anti）」がついた言葉なので、「命題を否定するもの」→「反対意見」という意味になります。日本語に言い換えるなら「反定立（はんていりつ）」となります。
先輩
テーゼとアンチテーゼの具体例
哲学用語の「テーゼ」と「アンチテーゼ」は意味を理解するのが難しいかもしれませんね。この見出しでは具体例で「テーゼ」と「アンチテーゼ」の意味を考えてみましょう。
具体例①
アンチテーゼ：赤ちゃんの耳がいいのは事実だが、あまりに早すぎる英語教育は赤ちゃんの日本語習得に悪影響を及ぼす可能性がある。英語よりも先に、まずは日本語をしっかり身につけさせるべきだ。
具体例②
アンチテーゼ：学生の本分は勉学だ。優秀な学生を採用したいのならば、早すぎる就職試験で学業を妨げるべきではない。
具体例③
アンチテーゼ：ゴミ分別は大切だが、住民が分別する日本の方法は効率が悪い。世界の常識はゴミをまとめて回収して、回収後にプロが分別する方法だ。
上司
アンチテーゼの使い方・例文
「アンチテーゼ」の意味はつかめましたか？次は「アンチテーゼ」の使い方を例文で確認してみましょう。
例文①
B：「輸出で儲けたお金を国内に貯め込むのではなく、外国からよい品物を輸入するために使うことで、人々の暮らしや国がより豊かになると主張していましたね」
*重商主義：国の富は貴金属の蓄積によって増えていくという考え。
例文②
B：「『和を以て貴しと為す』は妥協しないで徹底的に話し合えっていう意味でしたよね。お互い譲り合わないなら、かえってギスギスするんじゃないですか？」
A：「意見の対立が深まるような攻撃的な話し合いはダメ。お互いに歩み寄れるまで穏やかに議論し、相手を理解しなさいということだよ」
テーゼ＋アンチテーゼで生まれる「アウフヘーベン」とは
「アウフヘーベン」はヘーゲルの弁証法解釈で使われた言葉です。ヘーゲルは「テーゼ」と「アンチテーゼ」を組み合わせることでよりレベルの高い新たな結論を導き出すことを「アウフヘーベン」という言葉で説明しました。
「アウフヘーベン」の具体例
アンチテーゼ：効率だけの仕事は息がつまる。仕事の合間の雑談や飲み会は必要だ。
アウフヘーベン：雑談や飲み会などの一見非効率な交流は、世代や部署を超えた交流の場になり、よりよい人間関係の構築に一役買ってくれる。ただ、社員の負担を考慮して頻度には配慮する必要がある。
[豆知識]アンチとアンチテーゼの違い
「アンチ」について調べてみると、単純に反対を意味する接頭辞「anti」からきている言葉だと考えている人もいれば、「アンチテーゼ」からきていると考えている人もいるようです。
どちらにしても「否定派」「反対派」という意味合いになります。
ただし、ネット上で「アンチ」は「相手を完全否定し、とにかく攻撃したい人」という意味で使われているので、「アンチテーゼ」とはいえません。
先輩
アンチテーゼを唱えるなら建設的に！
テーゼに対するアンチテーゼを唱えたあとは、そこからどんなアウフヘーベンを生み出すことができるのか、建設的に考えていくことが大切です。
テーゼ・アンチテーゼ・アウフヘーベンの関係を知って、ビジネスシーンでも議論がよりよい方向に進んでいくように努めましょう！
