CSRとは『企業の社会的責任』
上司
新人
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近年ではその考え方がかなり浸透してきており、その取り組みが話題になっている企業も増えています。
CSRの意味をチェック
CSRとは『Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任)』の頭文字をとった言葉です。ここでは、CSRの具体的な意味や、生まれた背景などについて見ていきましょう。
CSRとは
CSRとは企業が収益を求めるだけでなく、社会の一員としての責任を持ち、社会貢献をするという考え方です。具体的には環境活動や寄付活動などに取り組むことを指します。
日本でCSRの基礎ができたのは1990年代で、環境問題への取り組みが最初です。当初は、企業をあげてボランティアなどに取り組むことの意義が十分に浸透しておらず、手探りの状態で進められていきました。
近年では消費者の企業を見る目が成熟してきており、「CSRに取り組んでいることは企業としてしかるべき」といえるほどに広まってきているといえるでしょう。
特にCSRが重要な役割を果たしたのは、2011年に発生した東日本大震災における復興支援で、現在でも多くの支援活動が行われています。
CSRが生まれた背景
今では、多くの企業がCSRの取り組みを開始しています。日本で本格的に広まった背景には、食品の偽装表示や粉飾決算など、企業の信頼を損なうような一連の不祥事が続いたことが挙げられます。企業による不正を防ぐため法令遵守の動きが加速するとともにCSRが推進されたのです。
さらに、企業取引のグローバル化や環境問題の深刻化など、CSRが生まれた背景にはさまざまな要因があります。
CSRのメリット
CSRは直接会社の利益に結びつくものではありませんが、多くのメリットがあります。CSRに取り組んだ企業はイメージアップに成功しますので、これによって取引先や顧客からの信頼を高めることができるでしょう。
また、働く社員にもいい影響を与えます。会社のCSR活動によって自分の仕事が社会貢献になることを自覚し、モチベーションを高めることができるのです。
求職者にとってもCSRで社会貢献をしている企業は好印象で、優秀な人材を集めることができます。
CSRの英語は『Corporate Social Responsibility』
CSRの英語表記は『Corporate Social Responsibility』です。『Corporat』『Social』『Responsibility』、それぞれの頭文字をとっています。
『corporate』は「団体の」「組織の」という意味で、「法人の」という意味合いもあります。『social』は「社交的な」「社会的な」という意味の形容詞です。
『responsibility』は、「責任」「責務」といった意味です。この3つを合わせて『企業の社会的責任』です。
CSRを使った英語の例文を紹介しましょう。
⇒CSRは企業の収益性にとって不可欠です。
・As a result of the meeting, the members of the CSR Promotion Office for the next year were decided.
⇒会議の結果、来期のCSR推進室のメンバーが決まりました。
CSRとCSVの違い
CSRと似た言葉に、「CSV」があります。CSVは『Creating Shared Value』の略で、「共有価値の創造」と訳されます。企業が社会情勢の課題に取り組むことで、企業自体の社会的価値だけでなく、生産性も高めるという考え方です。
CSRが企業の事業内容とは関係がない活動を意味するのに対し、CSVは企業の事業に関連する活動を指しています。
CSRは事業と関連性がなく、企業のイメージアップという点でメリットがありますが、CSVはそれ自体が企業の利益追求の対象です。CSVは企業にとって、CSRよりも積極的な考え方ということができるでしょう。
CSRの使い方・例文
近年では多くの企業が取り組んでおり、ビジネス用語としても浸透しているCSRですが、ビジネスの現場ではどのように使われているのでしょうか?
例文を見ていきましょう。
新人
先輩
[おまけ] CSRが行われている具体的な事例は?
近年、日本でもCSRの取り組みは積極的に行われています。
一例を挙げると、「自然保護」を対象に資金を提供して基金を設立する、貧しい国に物的・人的な支援を行う、災害で被災した地域に物資の提供を行うなど、各企業ごとの特性を活かした活動が行われています。
CSRは企業価値を高める最良のツール
東日本大震災の発生も契機となり、CSRは多様な広がりを見せています。今やCSRは企業が社会と共存する上で欠かせないものです。取引先や顧客との関係を強化するだけでなく、未来の顧客を獲得し、企業価値を高める最良のツールといっていいでしょう。