「相対的」とは「○○と比べて」という意味
「相対的」はビジネスの話題ではよく見かけます。経済ニュースだけではなく、実際の仕事場でも使うことがあるでしょう。
「相対的(そうたいてき)」の意味は「○○と比べて」。ある物事を他と比べた際にどうかということを表しています。評価や審査、判断する際の基準として便利ですよね。
「相対的」の対義語・類義語
「相対的」の詳しい使い方を見ていく前に、対義語と類義語を確認していきましょう。
「相対的」の対義語
「相対的」の対義語は「絶対的」。セットで覚えているという人も多いでしょう。「絶対的」は他と比べることなく評価・判断すること。
「相対評価」は、クラスやチーム等で周りと比べて成績や能力がどうか評価すること。対して、「絶対評価」は周りは関係なく一定の基準を元に評価することです。
例えば、テストで70点取ったとしましょう。平均90点のクラスでは相対的に悪い点数ですが、60点以上を合格とする絶対的な評価では十分な点数になります。
このように相対的に見るか、絶対的に見るかで物事の評価・判断は大きく変わります。
他に「相対的」「絶対的」で表されるものに「相対的貧困」と「絶対的貧困」があります。上と同じく、他と比べて貧困かどうか(相対的)、一定の基準に対して貧困か(絶対的)という違いです。
「相対的」の類義語
「相対的」と似た表現に「比較的」があります。文字通り、「比べて状態を判断する」という意味。
「相対的」と同じように使われますが、2つにはニュアンスの違いがあります。
・今年の夏は相対的に暑い ・今年の夏は比較的暑い
「相対的」の文に違和感があるでしょうか?
「相対的」は堅い表現なので日常会話的な文には合わない…だけが理由ではありません。
相対的は比べる対象がはっきりしている必要があります。「今年の夏は去年の夏と比べ相対的に暑い」であればOK。
「比較的」は一般的な基準と照らし合わせてどうかを言及する表現。基準は曖昧なものでも通用します。ここ数年の温度と比べている場合もあれば、何となく暑い気がするという場合も。使う人、気分、シーンによってどうとでも言うことができます。
・相対的⇒比べる対象が必要 ・比較的⇒一般的な基準と比べるが曖昧でOK
「相対的」の同音異義語
「相対的」と読みが同じ言葉に「総体的」があります。
「総体的」は「総じて」「大体は」という意味で、「全体的」と同じ意味。「総体よくできた」といったように「総体」単体で使われることも。
「相対的」の使い方・例文
「相対的」の意味がわかったところで具体的な使い方を見ていきましょう。
・インフレが進むと相対的にお金の価値が下がる ・この問題は他国に比べると相対的に深刻だ ・彼は優秀だが相対的に見ればまだまだ成績を伸ばせるはずだ
インフレで上がる「物価」、「他国」、「他の社員」など「相対的」を使う際には比べる対象が必要です。
「相対的」の英語表現
「相対的」は英語ではどのように表現されるのでしょうか。
The players’ performance will be under relative evaluation ⇒選手たちのパフォーマンスは相対的に評価される
「relative」で「相対的」を表しています。ちなみに「絶対的」は「absolute」です。
「相対的」と「絶対的」
他と比べる「相対的」な評価は時に便利ですが、息苦しい時もありますよね。そんな時、自分で「絶対的」な基準を持っていれば行動の指針にできるかも。