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「老婆心ながら」とはどんな言葉?女性専用の表現なの?意味や使い方、類語などをわかりやすく解説

「老婆心ながら」とはへりくだった心遣い

上司

新人君。老婆心ながら忠告させてもらうよ。
部長は男性なんですから、老婆心なんていったら変じゃないですか?

新人

上司

え?忠告の前に老婆心の解説が必要なのかい?

「老婆心ながら」とは「おせっかいかもしれないけど、~させてちょうだい」をへりくだっていう言い方。

老婆はおばあちゃんのことです。でも「老婆心」は男性が使っても問題ない言葉なので、部長さんが「老婆心ながら」と口にしても別に変ではありません。

ただ「老婆心ながら」を使用してはいけない状況もあります

「老婆心ながら」の意味や使い方、注意点などを学び、社会人としてレベルアップしましょう!

「老婆心ながら」の意味とは?

「老婆心ながら」の「老婆心」は、仏教語の「老婆心切」が語源になっている言葉。「老婆心切」は次のような意味です。

老婆心切
人生経験を積んだ年配の女性が、子どもや孫を慈悲の心で深くいつくしみ世話するように、仏道に入った修行者が同じ志の修行仲間に気を配ること

わかりやすく言い換えると、慈悲の心からの気配りや親切が「老婆心切」。老婆というのはあくまでたとえなので「老婆心切」は、男女ともに使える言葉です。

そんな「老婆心切」から生まれた「老婆心ながら」の意味もみてみましょう。

老婆心ながら
必要以上の心配や、度を越した気配りで余計なことかもしれませんが

「老婆心ながら」は、親切心からくる気持ちを「おせっかいかもしれないけど」と自分を下に置いて表現する言い方です。

「老婆心ながら」も男女区別なく使用できます。

「老婆心ながら」を目上の人に使うのは失礼

「老婆心ながら」は、自分の経験値のほうが相手より上だという前提のもとで口にする言葉です。

へりくだって偉そうな感じを薄めてはいますが、上から目線の言い方であることには違いないので目上の人に使うのは不適切。

ビジネスの場合は、目上の人にあたる上司や取引先、顧客などには使用しないようにしましょう。

「老婆心ながら」の使い方・例文

「老婆心ながら」は、一般的に目上の人が目下の人に助言したいときに使う言い方です。ビジネス会話では、どのように使用するのか例文でイメージしてみましょう。

例文1

先輩

老婆心ながらひとこと助言させてちょうだい。
そんなこといっても、先輩の場合は絶対ひとことじゃ終わらないんですよね。

新人

例文2

上司

新人君に百戦錬磨の営業マンの相手ができるのか、老婆心ながら心配だよ。しっかりサポートしてやってくれ。
確かに。いいようにいいくるめられて不利な契約を結ばされても気づかなそうですね。気合を入れて指導するので、安心してください。

先輩

「老婆心ながら」の類語

「老婆心ながら」は、上の立場の人が下の人に使う言葉なので、目下の人が目上の人に意見したいときには口にできません。

立場が下の人も使用できる「老婆心ながら」の類語もおさえておきましょう。

「老婆心ながら」の類語
・僭越ながら
・差し出がましいですが
・恐れながら
・不躾な提案ですが
・大変申し上げにくいことですが
・失礼を承知の上で申し上げますが
・出過ぎたことを申すようですが
・お言葉を返すようですが

目上の人に意見するときは、いきなり本題に入ると相手が気分を害してしまう場合も。このような前置きをしてからにするのがおすすめです。

断わりを入れていても相手の機嫌が悪くなってしまったときには「差し出がましいことを申しましてすみません」など謝罪して場を収めましょう

「差し出がましい」については、下記の記事でも紹介しています。こちらも読んでみてください。
「差し出がましい」の意味とは?使い方や類語、英語表現などを詳しく解説!

「老婆心ながら」の英語表現

「老婆心ながら」をひとことであらわす単語はありません。英語で「老婆心ながら」といいたいときには、次のような表現が使えます。

out of kindness:親切心から
though it may not be necessary:老婆心ながら

英語の場合、目上から目下に前置きなしに意見しても特に問題はありません。でも、丁寧な言い方も覚えておくと役に立ちますよ。

「老婆心ながら」のアドバイスはほどほどに

「老婆心ながら」は、助言や忠告などをするときに「おせっかいだとは思いますが」と前置きを入れる言い方です。

相手に断る余地も残しているやわらかい表現なので使いやすいですが、連発するのはおすすめできません。

あまり頻繁に「老婆心ながら」が登場すると、言葉のどおりの「余計なお世話」と相手に思われてしまいますよ。

逆に、あなたが「老婆心ながら」といわれたとしたら、相手はあなたを気づかって言葉を選んでくれています。おせっかいと感じるケースもあるかもしれませんが、好意は好意として素直に受け取っておきましょう。