「重々承知」とは「よくわかってる」という意味
重々承知はしていますが…
社会人であれば一度は使ったことがあるはず。「重々承知(じゅうじゅうしょうち)」は簡単にいえば「よくわかってる」。
無理なお願いをする際や、逆に断りにくいお願いを断る際に使える便利な表現。印象を柔らかくしてくれるクッション言葉として活躍する表現です。
「重々」とは
「重々」は「十分に」という意味で「承知」を強調しています。「重々」と「十分」を混合して「十々」と誤解している人はいないとは思いますが念のため。
「重々承知」の使い方・例文
「重々承知」の使い方を例文を通して確認していきましょう。
・無理なお願いであることは重々承知しておりますが、どうかご検討のほどよろしくお願いします ・君の気持ちは重々承知しているけど、それは難しい話だ ・失礼を重々承知の上で、申し上げます ・事情は重々承知しておりますが、お力になることはできません ・難しい挑戦だということは重々承知しています
「重々承知」は前後の表現を変えれば目上の人、目下の人関係なく使うことが可能。
クッション言葉として使うことで、相手の立場、状況などを「よくわかっている」上での発言だと相手に伝えることができます。
また、相手がいるお願いや断り等以外に、強い決意や思いを語る際にも使用可能。
「重々承知」を謝罪で使う際の注意点
「重々承知」は謝罪のシーンでも耳にする表現。ただし、使い方によっては逆効果になってしまうことも。
・私の力不足でご迷惑をおかけしたことは重々承知しております
このように謝罪の気持ちを強調する使い方であれば問題ありません。ですが、
・製品が不具合を起こす可能性があることは重々承知していたのですが… ・リスクは重々承知していたのですが、これほどとは思わなくて…
このような使い方をしてしまうと謝罪するつもりが、「全然わかってないじゃないか!」と火に油を注ぐ結果になりかねません。
「重々承知」していなかったから生じたミスに対して「重々承知していた」という矛盾のある使い方はやめましょう。
「重々承知」の類語
「重々承知」と似た表現に「百も承知」があります。これは表現の違いこそあれ、ほとんど同じ意味…といいたいところですが、似ているようで似ていないので、使い分けが必要な表現です。
「重々承知」を使うべきところで「百も承知」を使ってしまうと失礼になってしまう可能性あり。
「百も承知」には「いわれなくてもわかってるよ」というニュアンスがあります。言い方や内容によっては喧嘩を吹っかけているような表現になるので注意しましょう。
「重々承知」の英語表現
「重々承知」を英語でいいたい場合は、「be aware of(承知する)」を強調することで表現が可能です。
・I’m well aware of the risks ⇒リスクは重々承知の上です
「well」の他、「very」や「so」で強調することも可能。
ここぞという時に
「重々承知」だけに発言に「重み」を持たせることができる表現。ビジネスシーンではここぞというときに使いましょう。