「終焉」とは「命の終わり」という意味
何かが終わることを「終焉」とよく表現しますが、もともとは「命の終わり」のこと。つまり、死ぬことです。
「終焉の時」であれば「死んだ(死ぬ)時」、「終焉の地」であれば「死んだ(死ぬ)所」。
現在では、人間(生き物)の死だけではなく、物や時代など様々な「物事の終わり」を表す言葉として広く使われています。
文学的な響きがあるので、作品のタイトルやキャッチコピーなどにも登場します。アニメやゲームでこの言葉を覚えたという人もいるのではないでしょうか。
「終焉」の「焉」って?
「終焉」の「終」はわかるけど、「焉」って何?他では見たことないような…
それもそのはず、「焉」は単体では成立しない「助字」といわれるもの。「助字」は漢文の概念であり、現在の日本語では使用しません。「終焉」を含む一部の言葉に残るのみなのです。「終焉」以外の言葉は日常的にあまり見かけないので、この漢字は「終焉」専用と考えてもいいでしょう。
「終焉」の使い方・例文
「終焉」の使い方を例文とともに確認していきます。
・彼の終焉の地は現在では観光地として賑わっている ・ブームが終焉しても生き残るお店の秘訣を大公開! ・問題の終焉には程遠い ・平成の時代が終焉して令和の時代が幕開けした
「人の死」というと暗い話題になりがちですが、「終焉」するものによってはまじめな話題にも明るい話題にもなりえるのが「終焉」の面白いところ。
「人の死」について言及する際の注意
現在、「人の死」について「終焉」を使うのは歴史上の人物やフィクションのキャラクターくらいではないでしょうか。
ニュース等で著名人が亡くなった時に「A氏が終焉の時を迎えました」と報道したらバカにしているのかとネットで炎上してしまうはず。
茶化すような意味は「終焉」にはありませんが、現在の使い方からすると使用しない方がいいでしょう。
誰かが亡くなったことを人に伝える際には「死去(しきょ)」や「逝去(せいきょ)」を使うのが一般的です。
・A氏が昨夜未明、死去しました ・A様の逝去を慎み、心よりお悔やみ申し上げます
「終焉」の類語
「終焉」の言い換え表現にはどのようなものがあるでしょうか。
・最期(さいご) ・幕切れ(まくぎれ) ・終幕(しゅうまく)など
「最期」は「終焉」と同じように人の死から物事の終わりまで使うことが可能。
「幕切れ」「終幕」は芝居・演劇の用語が元になった表現。物事の終わりを意味します。
「終焉」の英語表現
「終焉」と同じような意味で、少々文学的な表現に「demise」があります。
・It will meet it’s demise ⇒それは終焉を迎える
「終焉」と同じように、死だけではなく物事の終わりについても使うことができます。
使ってみたくなるかも
「終焉」はよく目にするものの、あまり自分から使うことはない表現。字面や響きがかっこいいのでちょっと使ってみたくなりますよね。ですが、何かが終わるということはデリケートな話題であることも多いので慎重に。