「殊勝」は褒め言葉
先輩や上司に「殊勝(しゅしょう)」と褒められたことはあるでしょうか。聞いたことがないという人は頑張ってない人かも。 というのは冗談ですが、「殊勝」は部下や子どもに対して使うと誉め言葉になります。仕事や勉強を頑張っている後輩や部下、いい子にしている健気な子どもの態度や様子に対して褒めたり、時には茶化したりする際に使用できます。 この場合の「殊勝」は「健気」や「感心」な様子という意味。 「殊勝」は現在では上記の使い方が主ですが、もともとは仏教用語といわれています。仏教用語における「殊勝」の意味は「とても優れている」。仏や菩薩の知恵や教え等が優れている様を表した言葉です。 古語でも「殊勝」は優れた様を表す言葉としてたびたび登場しています。 元の意味から考えると「殊勝」といわれるのは褒め過ぎな気がしてしまいますね。 「殊勝」の使い方を例文で確認していきましょう。 ・殊勝な態度で面接に臨む ・親孝行とは殊勝げだね ・いつもとは違って殊勝らしい様子だけど、どうかした? ・殊勝な面持ちで頭を下げる 「殊勝」な態度・様子というと場面にもよりますが、多くはかしこまった態度やおとなしい様子のことを指します。 また、「殊勝げ」「殊勝らしい」といった表現もあります。 「殊勝な面持ち」「殊勝な顔」は態度や様子と同じく、かしこまった顔つき、まじめな顔つきのことです。 「殊勝」は元は「とても優れている」という意味で広く使われていた言葉でしたが、現在は目上の人に対して使うと失礼に。賞賛するつもりでも、気を悪くさせてしまう可能性があるので注意しましょう。 ただし、報道や記事等では、第三者的な視点で使われています。 ・政治家が殊勝な顔つきで会見に臨む ・凱旋パレードでもA選手は終始殊勝な様子だった 「殊勝」を言い換えるとどのように表現できるのでしょうか。いくつか類語表現を集めました。 ・健気(けなげ) ・感心(かんしん) ・神妙(しんみょう)など 「殊勝」の意味として紹介した「健気」「感心」も類語といえます。 また、「神妙」は「殊勝な顔」と同じように「神妙な顔」といった使い方も可能。 「殊勝」は英語ではどのように表現するのでしょうか。誉め言葉としても使える「remarkable」を使った表現を見ていきましょう。 ・The boy’s effort is remarkable その少年の努力は素晴らしい(殊勝だ) 「remarkable」は「優れている」「素晴らしい」という意味ですが、この場合、「殊勝」や「健気」という意味になります。 「殊勝」は字面が難しい表現。今までこの表現を知らなかったという人は、少なくとも会話の中で「しゅしょう」が出てきたら「殊勝」と頭の中で変換できるようにしておいてください。「殊勝」のもともとの意味
「殊勝」の使い方・例文
「殊勝」を使う上での注意点
「殊勝」の類語
「殊勝」の英語表現
頭の中で変換できるように