ナンセンスは「ダサい」という意味ではない
新人
先輩
新人
…ダメです。ナンセンスは「ばかげていること」という意味なので「ダサい」とはニュアンスが違いますよ!
ナンセンスは、昔から日本人が使っていて、すでに日本語に定着している言葉です。カタカナ語だからと身構えずに使用できるのは、英語に苦手意識を持ちやすい日本人にはうれしい限り。
しかし、新人君のようにあやふやな理解で用いていたら困った事態になるかもしれませんね。うっかり使い方を間違えて恥ずかしい思いをしないよう、ナンセンスについて勉強しましょう。
ちなみに、上司など目上の人にダサいと伝えたいときには「部長には〇〇のほうが似合いそうですよ」とさりげなく勧めると角が立ちにくくなりますよ。
ナンセンス(nonsense)の意味は?
ナンセンスは、英語表記すると「nonsense」です。否定のニュアンスをもつ「non」と、「感覚」という意味の「sense」をくっつけた言葉で、次のような意味をもっています。
・たわごと
・ばかげたこと
・ばかげた考え
・つまらないこと
・くだらない
・ずうずうしい言動
「nonsense」には「ノンセンス詩」や「戯詩(パロディ)」という意味もあります。ノンセンス詩というのは、もともとそこに込められていた意味が時代の経過によって忘れ去られてしまい、言葉の羅列が無意味になってしまったわらべ歌や民俗詩の断片などをいいます。
カタカナ語のナンセンスの意味は?
カタカナ語のナンセンスは、次のような意味をもつ言葉です。
・無意味であること
・だめなこと
・ばかげていること
・知能や理解力が低いこと
・実際にはありそうもない事柄
カタカナ語のナンセンスと英語の「nonsense」は同じ意味ですね。ばかげているときや、意味をなさないときに「ナンセンスだね」と使います。
ナンセンスの類語はノンセンス
ナンセンスの類語はノンセンス。ナンセンスもノンセンスも、英語の「nonsense」がもとになってできたカタカナ語です。
「nonsense」をカタカナ表記に直したときの読み方が違うだけで、まったく同じ意味の言葉になります。
ノーセンスは似ているけど違う意味
ノンセンスは、ナンセンスの類語ですが、ノンセンスに字面が似ているノーセンスはまったくニュアンスが異なる言葉です。
ノーセンスは「センスない」という意味。要するに、ダサいということで、ナンセンスの類語にはならないので注意しましょう。
日本語ならほかにも類語はある
カタカナ語のナンセンスの類語は、ノンセンスだけですが、カタカナ語にこだわらなければ次のような類語もあります。
・ちんぷんかん
・虚言
・たわけ
・戯言
・世迷言
・出たら目
・うわ言
・そら言
比較的軽いニュアンスの言葉もあれば、結構心に痛い感じのワードもありますね。ビジネス会話で使える語彙を増やすため、日本語の類語もあわせて覚えておくといいですよ。伝えたいニュアンスに近い用語を選べるようになりましょう。
ナンセンスの対義語はセンス
ナンセンスの対義語はセンスです。センスは「感覚」や「判断力」などの意味をもっています。それから、英語のセンス(sence)は、「道理にかなっている」と表現したいときにも登場し、「make sence」と使います。
ナンセンスの使い方・例文
「ばかげていること」という意味をカタカナで少しソフトな印象にして伝えてくれるナンセンスは、ビジネスでは使い勝手のいいワードです。
ビジネス会話でどのように使用するのか、例文でイメージしてみましょう。
新人
上司
新人
上司
先輩
新人
ナンセンスの雑学
ナンセンスは、文学や生物学の分野でも使われています。ビジネスに直接関係ある内容ではありませんが、雑談で役立つかもしれません。
ビジネスマンの雑学として覚えておきましょう。
ナンセンス文学
ナンセンス文学は、意味のある言葉と無意味な言葉を組み合わせて、常識や論理性をあえて無視した文学のジャンル。意味をめちゃくちゃに詰め込んで面白みをもたせるのが特徴です。
マザー・グースなどの民謡がその起源で、書籍としてのナンセンス文学は、エドワード・リアの「ナンセンスの絵本」から始まったとされています。
ナンセンスの絵本は、民謡の言葉遊びを用いて作られたリメリック(滑稽五行詩)を多数収録した作品です。
ナンセンス突然変異
ナンセンス突然変異は、生物の遺伝配列が突然変異によって変化し、タンパク質合成を終結させる終止コドン(UAG、UAA、UGA)が発生すること。
終止変異とも呼ばれていて、正常な蛋白質が作れなくなります。
ナンセンスは死語ではない
「ばかげていること」という意味のナンセンスは、すでに死語になっている言葉だという人もいます。しかし、そういわれつつも、細く長く日本で使われ続けている立派なカタカナ語です。
どことなく昭和な雰囲気を漂わせていて、令和の若者向けではないと感じるかもしれませんが、ビジネスマンなら年上の人と話す機会も珍しくないですよね。
ナンセンスは、ビジネス用語のひとつとして覚えておいて損はありません。この機会に使いこなせるようになりましょう!