クラウドとは『雲』をイメージしたサービスのこと
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インターネットが普及し、クラウドの利用者も増えてきましたが、『クラウド』の意味は少しとらえにくいですよね。上の会話が意味するクラウドとは、『雲』を表す英語の『cloud』が語源。インターネットを経由したサーバーシステムを指しています。
しかし、同じ発音でもスペルの異なる『crowd(=群衆)』を意味する『クラウド型サービス』も存在します。
ここでは、インターネットを経由したサーバーシステムのクラウド(=cloud)を中心に、『crowd(=群衆)』のクラウドとの違いも解説していきます。
図解!クラウドとは何か?
ここで解説するクラウドはインターネット用語で、『雲』の意味をもつ『cloud』です。
インターネットが今ほど普及していない頃、保存しておきたいデータは、自分のパソコン、USBメモリなどに入れていました。
インターネット上のサーバーシステムに保存できると、どこからでもアクセスできるので便利になります。この保存場所が『クラウド』です。
クラウドという仕組みは、自身のパソコンなどに保存していた頃を比較すると、自分の手の届かない、雲のような場所というイメージになるため、『クラウド(=cloud)』と名付けられたとされています。
クラウドのメリット・デメリット
クラウドは、一見すると便利なシステムのように感じます。ここではメリットだけでなく、どんなデメリットがあるのかお伝えします。
メリット
まずはクラウドのメリットから。クラウドの大きなメリットは次のとおりです。
①:どこからでもアクセスできる
アカウントを取得すれば、ネット環境があるところなら、どこからでもアクセスが可能です。また、複数人で同じファイルを使いたい場合でも、USBなどにコピーしてもらう必要はなく、同じクラウド上のファイルにアクセスするだけで共有できます。この利便性には大きなメリットがあります。
②:どんな端末でも利用可能
パソコンの中にデータがある場合は、そのパソコンでしか使うことができません。しかし、クラウド上に保存しておけば、人のパソコンを利用したときでも、自分のアカウントで入るだけで利用が可能になります。
たとえば、自宅のパソコンと職場のパソコンの両方からデータにアクセスすることも可能になります。その都度、データを持ち歩く必要もありません。
③:メンテナンスをしなくてもいい
自身のパソコンや外部メモリに保存をしていると、壊れたときのためのバックアップをとらなくてはなりません。また、ソフトウェアであれば、定期的な更新作業が必要となります。
しかし、クラウドであれば、サービスを提供している会社が定期的なメンテナンスを行い、エラーが起きないような運用をしています。
パソコンや外部メモリであれば壊れたら修復するのが大変ですが、クラウド上にデータを置いておけば、そのような心配がありません。
④:容量をあまり考えなくていい
パソコンや外部メモリーは、容量をチェックし、足りなくなったら不要なファイルを削除したり、データを圧縮したりといった作業が必要です。
それに対して、クラウドは比較的大きな容量を確保しているため、それほど気にする必要はなくなります。
各サービスごとに、無料で利用できる容量が決まっている場合もありますが、ほとんどの場合は有料で容量の拡大が可能。また、Googleフォトのように、容量無制限のサービスもあるので、自分で使いやすいものを選べるのも特徴です。
デメリット
「え?そんなことがあるの?!」と使い始めてから後悔しないよう、クラウドのデメリットもチェックしておきましょう。
①:サービス提供期間の保証がない
サービスを提供している会社が「クラウドを終了します」といえば、どんなに利用者がいても使えなくなります。永久に利用し続けることが保証されていないわけですね。その場合は、別のサービスを探し、データを移動をしなければなりません。
②:セキュリティ面の心配がある
クラウドを運営しているサーバーは、データ量が膨大で、入手できる情報も多いため、ネット犯罪の対象となってしまう可能性も高くなります。クラウドサービスを提供している企業のサーバーは、セキュリティ対策は一般のパソコンよりも万全に行われていますが、100%大丈夫と言いきることはできません。
③:保存データから情報を読まれる可能性がある
この懸念があるのは、特に無料でクラウドサービスを提供している場合です。無料のサービスのものの多くは、収入源は広告によるものです。
そのため、クラウドに保存している内容を分析されている場合があります。たとえば、旅行関連の写真やメールが多いと判断したら、その関連の広告を表示させるといったものです。
クラウドサービスの種類
私たちが利用する中では『クラウド』と一言で表現していますが、厳密には3つの種類に分けられることを知っていますか?ここでは各種類についてわかりやすく解説します。
SaaS(サース)
SaaSは『Software as a Service』の略で、インターネット経由で使いたいソフトウェアのみをピックアップして使えるようにしたクラウドサービスです。例としてはこのようなものがあります。
【アプリケーション】
・Gmail
・Googleマップ
・Yahoo!メール など
【SNS】
・Twitter
・LINE
・facebook など
【ブログ】
・Amebaブログ
・Seesaa など
また、Google CloudやDropboxでは、便利なアプリケーションを一つのパッケージサービスとして提供しているので、興味のある人はチェックしてみてください。
PaaS(パース)
PaaSは、『Platform as a Service』の略です。これは、アプリケーションを稼働させるのに必要なハードウェアやOSといった土台となる環境(プラットフォーム)一式を、インターネットを経由したサービスとして提供するシステムです。
PaaSの例としては、『Microsoft Azure』やAmazonが提供する『aws』があげられます。
IaaS(イアース)
IaaSは、Infrastroucture as a service)の略で、サーバーや記憶装置(ストレージ)をネットワーク経由で提供するサービスです。IaaSの例としては『ニフクラ(旧ニフティクラウド)』や『IDCFrontier』があります。
クラウドの使い方・例文
クラウドはサービスの一つなので、特別難しい使い方はありませんが、会話の中でどのように登場するのか例文で紹介しておきます。
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日本にはこんなクラウドもある
インターネットが普及している現代においては、さまざまなクラウドが存在します。ここではよく見聞きするものをいくつかピックアップしてみました。
クラウドファンディング
クラウドファンディングを英語で書くと『crowdfunding』です。スペルを見てもわかるように、前述してきた『cloud』ではなく『群衆』の意味をもつ『crowd』です。それに『資金調達』という意味の『funding』をあわせた言葉となっています。
これは、インターネットを経由してなんらかの活動を発信し、それに共感する人から資金を提供してもらう仕組みです。
わかりやすい例として、TSUTAYAグループが運営するクラウドファンディングサイト(GREEN FUNDING)を紹介します。このサイトでは、なんらかの商品を用意し、そのプロジェクトの支援者を募ります。そして、目標金額に達したら商品の提供を開始するというシステムになっています。
クラウドワークス
クラウドワークス(=CrowdWorks)は、クラウドソーシングサービスを提供している日本最大級の会社です。このクラウドも『群衆』の意味をもつ『crowd』です。
そして、クラウドソーシングとは、依頼したい仕事のある人や企業が、不特定多数の人に対し、業務を発注したり、アイデアを募集したりするために作られたWebサービスの一つです。
クラウドワークスは、パソコンからアクセスするWebサイトだけでなく、スマホアプリもあります。いずれにしても、ほとんどの仕事がインターネット経由で完結する仕組みとなっています。
クラウドサイン
クラウドサイン(=CLOUD SIGN)とは、日本の法律に特化した、弁護士の監修に基づく電子契約サービスです。
紙で行っていた従来の契約手続きでは、用紙代はもちろんのこと、印紙代や郵送代もかかっていました。また、契約相手に郵送し、それを処理して返送する作業には時間も労力も要します。
電子契約によって、契約にかかるコストや労力を削減できるようにしたシステムがクラウドサインです。
クラウドサービスを有効利用しよう
インターネットが普及した現代では、大手企業でもクラウドサービスを導入しているところがあります。個人でも手軽に使えるシステムですが、デメリットもしっかり理解したうえで有効活用していきましょう。