アフターサービスとは「販売後のサービス」のこと
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アフターサービスは「販売後、顧客に提供するサービス」を意味するカタカナ語。特に、高額商品の売買に関する話題で登場しやすいワードです。
アフターサービスは、日本人の生活にすっかり浸透しているワードなので、皆さんも聞き覚えがあるのでは?
しかし、実は和製英語だったということを皆さんは知っていましたか?身近な言葉なのに、意外と奥が深いアフターサービスについて勉強しましょう!
アフターサービスの意味
アフターサービスは、販売した商品や工事を請け負い引き渡した建築物などに対して、販売した側が購入者に一定期間提供するサービスのこと。
次のようなサービスが提供されるのが一般的です。
・一定期間に起こる不具合の処理(修理、取り替えなど)
・商品の使い方、操作法に関する指導サポート
・点検、巡回
・商品の取り付け
・部品、消耗品の交換や補給など
アフターサービスは、無料の場合もあれば有償のケースもあります。
アフターサービスを英語で表現したいときには?
アフターサービスは、和製英語なのでアフターとサービスをそのまま英語に直した「after-service」では、英語圏の人に通じないケースがよくあります。
英語でアフターサービスといいたいときには、次の表現を用いるといいですよ。
・after-purchase servicing
・after-sales service
・after-the-sale service
・post-sale service
・service after the sales
完全にアフターサービスとイコールではありませんが、近いニュアンスの次の言い方も使えます。
・backup service(支援サービス)
・repair service(修理サービス)
・customer service(お客様対応)
ビジネスで英語を使わないといけないときに備えて覚えておきましょう。
経営戦略にアフターサービスが重要なわけ
商品を気に入って購入したのにまさかの初期不良!とか、設定が難しくて使えないとか。商品に関するトラブルは、どんなポイントで発生するかわかりませんよね。それを放っておけば顧客満足度は落ちていくばかり。
しかし、アフターサービスをうまく行えば、消費者の印象をよくすることも可能になります。「ここの製品は、何かあってもアフターサービスがしっかりしているから安心だ」と思ってもらえればしめたものです。
また、補給が必要な部品の交換時期のお知らせや、有償のメンテナンスなどをアフターサービスとして行えば、定期的な売上を得られるシステム(ストックビジネス)を作れます。
お知らせがいかなければ、お客様は安価な非純正品に手を出してしまうかもしれない。「有料メンテは、また今度にしよう」と先送りしてしまうかもしれない。企業から働きかけなければ逃げてしまう利益を確保するため、アフターサービスはおろそかにできませんね。
ストックビジネスについては、下記の記事で紹介しています。こちらもぜひ読んでみてください。
ストックとは?英語や日本語の意味って?ストックオプションやストックフォトの内容も解説
アフターサービスの試みと成功事例
さまざまな企業が、アフターサービスに力を入れて手厚いサービスを展開しています。
すでに結果が出ている成功事例や先進的な試みをみていきましょう。自分のビジネスに活かせるところがないか探してみてください。
例①:レクサス
レクサスは、トヨタの高級車です。アフターサービスとして提供しているレクサスオーナーズデスクでは、24時間365日、オーナー専用のコールセンターが至れり尽くせりのアフターサービスを提供しています。
故障や事故などのトラブル対応はもちろん、目的地までのドライブサポート、ホテルやレストランなどの紹介・予約サービスまでやってくれるんですよ。
レクサスの魅力は、アフターサービスだけではありません。
車体そのものも故障しにくく、さらに万が一故障したときにも修理費が比較的安く済む優良自動車です。
レクサスは、販売店や担当者なども評価されJ.D. パワーの2019年日本自動車サービス満足度調査 総合満足度ランキング「ラグジュリーブランド」 部門で、総合満足度第1位をとりました[efn_note]参考:~ラグジュリーブランドではレクサスが13年連続受賞、量販ブランドではMINIが受賞~|J.D.POWER[/efn_note]。13年連続の快挙です!
例②:ブラザー工業
ブラザー工業は、顧客満足度が高いアフターサービスの維持と、管理部門の効率化の両立を試みています。
いつくるかわからないお客様からの機械トラブルの連絡に、早急な対応をするには、常に膨大な種類の部品を充分な数キープしておかなければなりません。
しかし、在庫を充実させようとすればするほどその管理は複雑になり、ベテランの経験がなければ成り立たないようなものになってしまいます。
その問題点を解決するため、ブラザー工業では、シンクロンの保守部品在庫最適化ソリューションを導入。データに基づいた精密な需要予測を用いて、高い即納率はキープしたまま、業務を難しくする在庫率の高さを解消することを目指しています[efn_note]参考:ブラザー工業、マシナリー事業においてシンクロンのクラウドベースの保守部品在庫最適化ソリューションを採用|シンクロン[/efn_note]。
例③:クボタ
クボタの「クボタスマートアグリシステム(KSAS)」は、顧客とのつながりを強めるアフターサービスです。
販売した農機具のメンテを行うだけでなく、農作業を効率化し、よりおいしい農作物を作るための情報を提供しています。
もちろん、お客様のためだけでなく企業の利益にもつながるサービスです。定期交換が必要な部品に交換の時期がくると、お客様に自動で通知がいくように設定されていて、ストックビジネスを生み出せるようになっています。
覚えておきたいアフターサービスの類語
アフターサービスには、同じ「販売後のサービス」という意味をもつカタカナ語がいくつかあります。言い換えに使えるワードなので、覚えておくと便利ですよ。
アフターフォロー
アフターフォローは、商品やサービスを購入したお客様からの問い合わせや商品に関する相談を受け付ける企業のサービス。
アフターサービスと同じ意味ですね。アフターフォローについて、くわしくは下記の記事で紹介しています。こちらも読んでみてください。
アフターフォローとは?日本語の意味、営業における重要性、事例をわかりやすく解説アフターケア
アフターケアもアフターサービスと同じ意味をもつ言葉。アフターサービスの言い換えに使えるワードですが、次のような意味ももっています。
・疾病回復期の患者が、社会復帰できるように生活指導や治療など、必要な処置を行うこと。そのための施設
・刑務所や留置所から出た後の犯罪者を監視、指導すること
アフターケアは、シチュエーションによってまったく異なる意味になるので注意してください。
アフターサービスの使い方・例文
お客様に自分達の商品を選んでもらうため、企業ではアフターサービスに力を入れる必要性が高まっています。
ビジネス会話に、アフターサービスが登場する機会も増加中。どんな使い方をするのか、例文でイメージしましょう。
上司
新人
上司
先輩
上司
【おまけ】新築一戸建て購入前に押さえておこう!アフターサービス基準
アフターサービス基準は、新築一戸建てや新築マンションを販売しているハウスメーカーや工務店などが、独自でもうけるアフターサービスの基準です。
すべての企業がアフターサービス基準を設けているわけではありません。内容は一律ではなく保証内容や保証期間はバラバラ。基準の有無や内容を契約前に確認することをおすすめします。
将来マイホームを購入したいと考えているなら、アフターサービス基準は覚えておいて損はありませんよ。
アフターサービス保証は消費者に製品を選んでもらうための手段
アフターサービス保証がいい加減だと、お客様から「あそこの企業はサービスが悪い」とダメ判定を出されてしまいます。
そうなったら、リピート購入はなくなるでしょうし、いい口コミも期待できません。購入者からの評判が悪い企業の商品をあえて選ぼうというご新規さんはあまりいませんよね。
消費者から選んでもらえる企業になるには、アフターサービス保証に手は抜けません。特に高額な商品の場合、その重要性が高まります。アフターサービスについて理解し、ビジネスに活かしていきましょう。