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ケーススタディとは事例から学ぶこと!実際のやり方を例題とともに解説します

ケーススタディとは、具体例から学ぶこと!

実際に経験した具体例を参考にして学ぶことは、それが成功例であっても失敗例であってもとても参考になるものです。また、それを教訓に自分自身も成長することができます。

このように、リアルな事例から勉強することを『ケーススタディ』といいます。今回は、この言葉の意味、類語、関連語の他、文章の中での使い方などもわかりやすく解説していきます。

ケーススタディの意味

英語ではケース(case)+スタディ(study)とわけて見ると簡単で、それぞれの意味は次のように辞書に記されています。

ケース(case)
■事例
■事実
■境遇
■(人生などをめぐる)問題 など
スタディ(study)
■勉強
■学問
■(従事している)研究
■調査 など

また、辞書では『ケーススタディ(case study)』という言葉でも掲載されており、『事例研究』という意味が書かれています。

そして、各事業分野でケーススタディの内容は異なりますので、ここからは、分野ごとのケーススタディについて少し解説させていただきます。

ビジネスにおける「ケーススタディ」

たいていの企業では新入社員に対して新人研修が実施されます。しかし、実際の仕事についてからは『OJT』という形で、先輩の仕事を見ながらや先輩に実例で解説してもらいながら覚えていくことがほとんどではないでしょうか。これこそまさにケーススタディ。

このようにリアルな実例から学ぶこともありますが、過去の事例・他社の事例などを通して勉強していくこともケーススタディです。

単純に仕事を覚えるということ意外にも、ケーススタディをやる意味はいくつかあります。

疑似体験によりビジネスに慣れることができる

「習うより慣れよ」という言葉がありますよね?同じような体験を何回もすることで慣れてきて落ち着いた対応をすることができるようになります。また、成功例・失敗例をたくさん見ておくことで、突発的な事が起こっても冷静に対処できるようになるのです。

仕事の時間を短縮できる

ケーススタディをすることで仕事に慣れるという意味でも時間短縮につながりますが、事例を学ぶことである程度は手順というものがわかってきます。

仕事の手順は実務上の規定がある場合もありますが、様々な事例で研究していくことで、自分なりの法則というものを作り上げることができます。それにより効率よく仕事を進めることができ、時間短縮をすることができるわけです。

時間短縮の事例
A社の所要を集計するには、まず〇日までに担当者に数字を出してもらえるよう依頼し、それが届くまでにこちらの生産可能数を担当部署に確認しておけばスムーズに計算することができる。

リスク回避に役立つ

過去に起こったことをケーススタディしておくことでリスク回避をするというのは、ビジネスにおいては二度同じ失敗をしないとうい意味でもとても大切なことです。また、もし問題が起こってしまった場合でも過去の経験からスムーズに改善策をとることもできるようになります。

リスク回避の事例
A社は急に生産数が増えて追加納品が必要になることがある。納品できなくなるという事態を回避する為、過去のデータをチェックして社内への要求数量を上乗せしておこう。

新しいアイデアを生み出すことができる

新しいアイデアというものは、必ずしもまったく新しいものでなくてはならないということはありません。

例えば、何か新しい家具を設計することになったとしましょう。過去に作ったものやヒット商品を実際に自分で使ってみて、「こんな使い方もできれば便利だったな」と次の商品にそれを取り入れる。

これは、過去の事例を研究したことにより得られたアイデアということになるので、ある意味新しいアイデアが生まれたということになるわけです。

医学・看護における「ケーススタディ」

医療の世界では症例のことを『ケース』と呼んでおり、医師や看護師が集まって勉強会を行う場合に『症例検討会』という言葉が使われたりします。

内科、外科といった診療科内でケーススタディをすることもあれば、外科学会、内科学会といった後援会の中で行われる場合もあります。

使い方事例1
新術式のケース1とケース2ではどのようなアプローチの違いがあったのかを次のディスカッションで報告してください。
使い方事例2
Aさんの術後の回復が遅いのはなぜ?同じ術式をしたケース3とケース4と比較検討してよう。

ケーススタディのやり方

ケーススタディは、ただ過去の事例を復習するだけではしっかりと身につけることはできません。それなりの手順も大切になりますので、以下にビジネス上のケーススタディを3つのステップとしてまとめてみました。

STEP1.事例を探す

事例の探すのは、過去に自社であった出来事を使うのももちろん参考になりますが、事例が偏ってしまう場合があります。そこで、以下のような方法もおすすめです。

■参考になりそうな新聞記事を切り抜いておく
■インターネットで検索する
■ビジネスセミナーに参加する
■ケーススタディの関連書籍を読む

STEP2.事例をまとめる

記憶力に優れている人は、事例を探している段階でそのケースを理解して覚えてしまうかもしれません。しかし、多くの人が事例を集めただけでは自分自身の仕事に結びつけることはできないものです。

必要な事例を必要な時に活用できるようにする為にも、事例の種類ごとにきちんとまとめて保管しておくことが大切です。

STEP3.アウトプットする

自身でまとめたケース(事例)をケーススタディとして第三者に理解できるよう説明できるようになったら、そのケースをしっかりと自分の中で理解できた証拠です。

また、会議や社内研修のケーススタディの資料を作成するといったアウトプットができるようになった場合も身についたと理解していいでしょう。

ケーススタディの例題

ここで、企業内でありがちなことを例にしてケーススタディしてみましょう。

取引先との「言った言わない」トラブル
ある件で取引先に電話で伝えたのは間違いないのだが、相手に伝わっておらず「聞いてない」と怒られてしまうことが何度もあった。電話をした日時を伝えてもわかってもらえず、最終的には「確認をとらずに申し訳ありませんでした」と頭を下げなければならなくなった。

事例を探してわかったこと

上記のような事例はまれなことではなく、様々な企業でよく起こっているということがわかりました。そして、以下のような対策をすることで、同じようなトラブルを防いでいるということも判明しました。

ケーススタディで得られたこと
■電話で話した内容をメールで送り「了解しました」の一言でも返信をもらっておくと証拠が残る。
■口頭確認だけではトラブルの元になる。
■録音は確実な証拠だが逆ギレされるケースもある。

情報収集からアクションへ!

情報を集めていると、様々な事例があり、それへの対策も様々です。しかし、ケーススタディは情報を集めるだけでは身についたとは言い切れません

せっかく得られた情報と知識は、実際の仕事の中で生かされてこそものになったといえるので、ぜひ行動に移せるようになっていただきたいと思います。

ケーススタディの類語・関連語

ケーススタディについてはだいたいおわかりいただけたかと思います。ここからはケーススタディに関連する言葉や類語を少しご紹介しておきます。

ケースメソッド

ある事例を教材とし、様々な事態に適した最善の対策を議論して実践力を身につけるといった教育方法のことを指します。

ケーススタディは主に資料をもとに学習したり、講義をうけたりするなど、『教えてもらう』というスタイルです。一方、ケースメソッドは、教育を受ける側が自主的に考えて答えを導き出すというように、より実践的で自主的な学習といった点で違いがあります

ケースブックメソッド

『ケースブック』とは、実際にあった様々な事例を集めてテキストのようにまとめたもの。そして『メソッド』とは、何か目的を達成する為の方法という意味があります。

前の項目のケースメソッドと同じような意味合いになりますが、アメリカの法律教育においては実際の実例をもとにしたケースブックを用いた『ケースブックメソッド』という方式が採用されています。

ケースワーカー

ケーススタディに似た言葉に『ケースワーカー』というものがあります。

これは、身体上・精神上の理由で日常生活を送ることに支障がある人の相談や援助をする仕事をする人のことを指します。

ケーススタディの講義をする人といった捉え方をする人がいるかもしれませんが、まったく別の仕事内容を指しますので混同しないようにしてくださいね。

ケーススタディで自分の成長につなげよう

会社で仕事をしている時だけでなく、日常生活においても過去の事例を参考に様々な対策をしたり、同じ失敗を繰り返したりしないことは大切なことだと思います。

ケーススタディをすることで自分自身の成長につなげることができるので、日頃から「これは今後の参考になる」と思った事柄はチェックしておくことをおすすめします。

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