サステナビリティとは『持続可能性』のこと
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サステナビリティは、もともと地球環境に関する分野で主に使われていました。しかし、企業も『持続可能性』を追求する必要があるという面があります。そのため、一般企業においても『サステナビリティ』の意味はきちんと理解しておく必要があります。
ここでは、言葉の意味や正しい使い方だけでなく、関連語や英語についてもわかりやすくまとめているので、きちんと覚えて今後の社会生活に役立ててください。
サステナビリティの意味をチェック
会話で正しく使えるようにするためにも、まずはサステナビリティの意味自体を理解しておかなくてはいけません。英語表現とともに、チェックしてみましょう。
サステナビリティの意味①:地球環境
生態系の乱れた漁場で魚を捕り続けると、いずれ魚は姿を消します。また、樹木を育てられないまま森林の伐採を続けると緑が失われます。これらの状況は『良い地球環境を維持し続けられない=持続可能性がない』といえます。
そのため、環境が破壊されないよう、国としても『自然と共生する持続可能な社会のシステムを作っていこう』という活動を行っています。そこから『サステナビリティ』という言葉が生まれました。
サステナビリティの意味②:企業活動
企業活動におけるサステナビリティには、大きくわけて2通りの意味合いがあります。
【長期的な事業活動】
利益を出しながら企業を運営していくとともに、消費者に対し、質の良い商品やサービスを提供し続けるための取り組み。
【環境に配慮した生産活動】
加熱の際に生じる熱を利用する、工場排水のろ過装置の設置など、地球環境に配慮した生産活動を行うこと。日本企業では、地域のボランティア活動など、社会貢献を事業活動のひとつとすることも。
企業におけるサステナビリティとは、事業そのものの継続可能性を指す場合もあれば、環境保全を続けることも指す場合もあるわけですね。
サステナビリティの英語は『sustainability』
サステナビリティは英語で『sustainability』と書き、次の意味をもつ単語として使われます。
■持ちこたえる力
■持続可能なこと
■継続可能なこと など
そして、sustainabilityを使った熟語にはこんなものがあります。
■sustainability of fishery resources(水産資源の持続可能性)
■sustainability of forest resources(森林資源の持続可能性)
■sustainability of marine resources(海洋資源の持続可能性)
■assure sustainability in the development process(開発プロセスの持続性を確保する)など
サステナビリティを学べる事例
事業そのものの持続可能性に対する取り組みは、企業内部にいないとなかなかわかるものではありません。
しかし、環境に関連するサステナビリティへの企業の取り組みは、一般の人々に向け公開されている場合も多いです。ここでは、どのようなサステナビリティがあるのか、事例で確認してみましょう。
デンソー
デンソーでは、優れた着火性と効率的な燃焼で燃費を向上させるだけでなく、排気ガスも浄化する『クリーンディーゼルエンジン』など、環境に配慮した製品の開発に力を入れています。そのほか、植物原料の採用や、バイオ燃料生産の研究にも携わっています。
また、デンソーの商品に対する安心感を与えるとともに、社会から事業活動に対して共感してもらえることもコンセプトとし、サステナビリティマネジメントとして公開しています[efn_note]参考:デンソーのサステナビリティ|DENSO[/efn_note]。
ユニクロ
ユニクロのサステナビリティのキーワードは『服のチカラを、社会のチカラに』です。
そして、実際の活動の一例として、環境に配慮して作られたジーンズがあげられます。素材である綿花栽培で使う水や農薬使用方法の教育の徹底を行うだけでなく、製造の際に使用する水の削減や、排水の浄化による再利用システムを導入しています。
そのほか、プラスチックゴミ削減として、購入商品を入れるショッピングバックを、森林認証を受けた紙や再生紙を使用した紙袋にするといった対策を実施しました[efn_note]参考:UNIQLO Sustainability|UNIQLO[/efn_note]。
サステナビリティとCSRの違い
CSRとは『Corporate Social Responsibility』の頭文字をとったもので、『企業の社会的責任』を指します。企業運営において、社会にどんな貢献ができるのかがポイントとなるわけですが、主な活動としては『環境への配慮』があげられています。
CSRが『環境保全のための活動』と考えると、サステナビリティと同じ意味のように感じます。
しかし、正しくは『環境保全活動によって得られる継続可能性』です。CSRがあってこそのサステナビリティとなるわけです。
[ビジネス版]サステナビリティの使い方・例文
企業の中では経営陣に加わらないとサステナビリティという言葉を使う機会はあまりないでしょう。しかし、いつどんな場面で遭遇するかわかりません。そのときのためにも今のうちに正しい使い方をマスターしておきましょう。
サステナビリティの関連語
サステナビリティは単独で使われることもありますが、関連語とセットになっている場合もあります。ここでは比較的よく使われるものをピックアップして紹介します。
サステナブル
サステナブルは『持続可能な状態』を指すカタカナ用語で、『サスティナブル』と呼ばれることもあります。サステナビリティと同様に、『環境』『企業活動』の両方に対して使われます。
なお、サスティナブルについては、次の記事でさらに詳しく解説しています。
サスティナブルの意味とは|環境用語?各業界の取り組み事例
サステナビリティ経営
企業の経営は、短期的ではなく、長期的に持続していなくてはいけません。そして、社会貢献も含め、企業が長期にわたり成長ながら経営を持続していくことを『サステナビリティ経営』といいます。
そして、企業が長く存続するためには、利害が伴うステークホルダー*に共感してもらえる、信頼されるなど、良質な関係を保つのも重要です。(ステークホルダー*:利害関係者)
なお、ステークホルダーの詳しい内容は次の記事でわかりやすく解説しています。
ステークホルダーとは?ビジネスマンが知っておきたい意味と使い方を具体例から完全ガイド
サステナビリティレポート
サステナビリティレポートとは、持続可能性を高めるために、企業がどんな取り組みをしているかを開示している報告書を指します。
「工場排水はろ過して再利用しています」「資源を再利用するためにこんなシステムを導入しています」「環境に良い商品の開発を目指しています」など、さまざまな分野の企業がいろんなサステナビリティ活動の報告を社外向けに開示しています。
この記事の『サステナビリティを学べる事例』の項目で紹介した事例も、まさにサステナビリティレポートとなるわけですね。
サステナビリティを意識して事業計画を立てよう
企業活動の中で何か新しいことを始める場合は、地球環境を重視する現代において、サステナビリティの考慮は必要不可欠です。それに加え、事業を長期的に持続できるようにするのも、もちろん大切なことです。もし、新規事業に携わる立場になったときは、サステナビリティを意識するようにしましょう。