ファクトとは『事実』のこと
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ビジネス会話をスムーズに理解するためにも、関連語や英語表現を含め、しっかり学んでいきましょう。
ファクトの意味をチェック
現在は、ビジネスシーンだけでなく、ニュースなどのメディアの中でもカタカナ用語がたくさん出てきます。ファクトもその一つです。
いざカタカナ語を目にしたとき、言葉の意味が理解できていなければ内容がわかりません。まずは、ビジネス用語、英語、それぞれの意味についてチェックしてみましょう。
ビジネス用語としてのファクト
ビジネスシーンでのファクトは、『業務上の事柄に対する事実や実正』を表す場合が多いです。何か資料やデータをまとめている際、ウソのような情報になる場合もあるでしょう。
そのような「信じられないかもしれないけど真実です」といった場面で、紛れもない真実であることを強調したり、確認したりしたいときに、よくファクトが使われます。
英語のファクトは『fact』
ファクトを英語で書くと『fact』で、意味は次の通りです。
■(実際に起こった)事実
■(真実の情報としての)事実
■現実
■真相 など
そして、いろいろな熟語で使われていますが、わかりやすい例をいくつかあげてみました。
■disquise the fact(事実を隠す)
■fact retrieval(事実検索)
■fact revealed in this book(この本で明らかにされた事実)
■historical fact(歴史上の事実) など
fact(事実)とtruth(真実)の違い
日本語での『事実』と『真実』はどちらも『本当のこと』という点では同じです。しかし、厳密には次のように違いがあるんです。
■事実…現実にあった本当のこと。
■真実…本当のことではあるが、現実にあったとは限らない。『理論的に正しい』の意味も含まれる。
このように、日本語でも意味の違いで表現が異なりますが、英語でも『fact(事実)』と『truth(真実)』でスペルが異なるので、マメ知識として覚えておくと便利です。
ビジネスにおけるファクトベースの概要
ファクトベースとは、『事実に基づいて』を意味するカタカナ用語で、事実に基づいた考え方を『ファクトベース思考』といいます。
ファクトベース思考の例
たとえば、オールインワンジェルの価格を決めるとき、『他社が類似商品をいくらで販売しているか』『ヒット商品、ロングセラー商品はどれか』など、綿密な調査をするでしょう。これは、現実にある価格を対象としているので『ファクト』になります。
ファクトをもとに、ロジカルシンキングへ
それと同時に『複数の商品を買い揃えることと比較すると、このくらいの価格でも売れるのではないか』『原材料が値上がりしても、このラインまでなら同じ価格で販売が続けられるだろう』など、論理的な考えもプラスします。これをロジカルシンキングといい、ビジネス研究の世界ではファクトベースとともに重要視されています。
ビジネスシーンでは、さまざまな仮説を立てて物事を進めることが多々あります。しかし、理論だけで事実が含まれていなければ信憑性に欠けます。つまり、ロジカルな考え方をするためにも、ファクトベース思考が必要だといえるでしょう。
なお、ロジカルについては次の記事で詳しく解説しているので、理解を深めるためにもあわせて読んでみてください。
ロジカルの意味は?ロジカルな人ってどんな人?関連語や思考力を鍛えるコツも徹底解説!
ファクトの関連語
カタカナ用語には、その言葉が含まれた関連用語が存在する場合があります。関連語になるとニュアンスが異なることも。そこで、一緒に覚えておきたいファクトの関連語をいくつかピックアップしてみました。
ファクトチェック
ファクトチェックとは、『真偽検証』を意味する言葉。もう少し簡単な言葉で説明すると、『事実かどうかを確認すること』となります。
特に、新聞、雑誌といったメディアに記事を掲載する場合、その情報は正しくなければいけません。間違った情報を公表しないためにもファクトチェックは重要な行動といえます。
ファクトシート
ファクトシートとは、製品であればその特徴や機能など、サービスであれば内容などを事実に基づいてまとめたものを指します。
また、企業概要や実績などの事実をまとめたものを、公式サイトで『ファクトシート』として公表している場合もあります。
そのほか、食品安全委員会では、食品の安全性に関するテーマについて、『科学的知見に基づく概要書』をファクトシートをして公開しています[efn_note]参考:ファクトシートについて|内閣府・食品安全委員会[/efn_note]。
ファクトニュース
ファクトニュースは、文字通り『ファクト』な『ニュース』。つまり、『事実に基づいたニュース』の意味です。ニュースは常にファクトであるべきかもしれませんが、ネット上では誤った情報が流れる場合があります。これを『フェイクニュース』といいます。
しかし、ニュースを読む側は、それが事実か偽物かは判断しにくいもの。公開するニュースに信憑性を重んじるメディアでは『ファクトチェック』が必要になります。
ファクトフルネス
ファクトフルネスとは、『事実に基づいて世界を見る習慣』を意味するカタカナ用語です。人は、理想や思い込みで世界を見てしまう場合も多く、そうなると、間違った知識や情報を得る結果となってしまいます。
たとえば、悪いニュースばかりを目にしていると、「この世界に安全な場所はない」という思い込みをしますよね。しかし実際には防犯対策が万全で、夜でも安心して歩けるところもあります。
また、一つのデータを信じて業務を進めていた場合、そのデータが間違っていたら予定の結果にたどり着くことはできません。
それを防ぐためにも、ファクトフルネスは大切だといわれており、書籍も発売されています。この本は、世界で100万部の大ベストセラーで、バラク・オバマ元アメリカ大統領も大絶賛したほど。
そのほか、ビル・ゲイツは、2018年にアメリカの大学を卒業した学生の中で、希望者全員に書籍をプレゼントしたそうです。Amazonでは、単行本に加え、Kindle版もあるので、興味のある人は読んでみてくださいね。
参考
FACTFULNESS(ファクトフルネス)amazon
[ビジネス版]ファクトの使い方・例文
ファクトの意味は簡単なので、どんなシーンでも使いこなせるかもしれません。それだけに、間違った使い方をするとちょっと恥ずかしいもの。そこで、わかりやすい例文をいくつか用意してみました。
ファクトベース思考で誠実に仕事をしていこう
仕事を進めるにあたっては、ロジカルシンキングの能力も非常に大切です。しかし、実際の事柄や状況を無視しては、全く違った結果になる場合もあります。ビジネスで失敗しないためにもファクトベース思考を忘れないようにしましょう。