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リベートの意味を簡単に!英語や日本語の使い方って?会計処理や海外との違いについても解説

リベートとは「割戻し金」のこと!

上司

今回取り上げるのはリベートだよ!
リベートって賄賂(わいろ)のことですよね。政治家の汚職のニュースとかでよく聞くワードじゃないですか。そんな悪い用語をわざわざ勉強する意味ないでしょう!

新人

上司

新人君はリベートに悪いイメージを持っているんだね。確かに、リベートは悪用すると違法になる。でも、正しく使用すればビジネスに役立つんだ。日本の企業では一般的に用いられている手法なんだよ!
リベートは「割戻し金」という意味のカタカナ語。「割戻し金って何?」と思う人もいますよね。「割戻し金」とは、簡単にいうと支払ってもらった代金の一部を支払った人に戻すことです。

日本のビジネスでは慣習としてリベートが用いられているため、ビジネスマンなら正しくリベートを理解する必要があります。リベートについてくわしく勉強していきましょう。そもそも割戻金とは何を意味するのか、こちらも含めて解説します!

リベートの意味を解説

新人君のように「リベート=賄賂!悪!」っというイメージを持っている人は多いかもしれませんね。まずはリベートのもともとの意味を確認し、リベートのイメージを一新させましょう!

英語のリベート(rebate)はどんな意味?

リベートは英語表記すると「rebate」。「rebate」には次のような意味があります。

rebate
(名詞)
支払った代金の一部払い戻し
・割り戻し
・手数料
・販売奨励金
(動詞)
・割り戻す
・割引する
・~にリベートを与える
「rebate」は名詞としても動詞としても使われる単語です。カタカナ語のリベートのような悪い意味は「rebate」にはありません。
MEMO
割り戻し:自社の商品を一定以上売り上げた取引先に、事前に取り決めした割合や金額で代金を返金、または減額すること

販売奨励金:販売促進目的で、事業者が取引先に支払う金銭。販売数量や販売高などによって金額が決められる

カタカナ語のリベートとは?

カタカナ語のリベートには、「支払ってもらった代金の一部を謝礼や報奨金などの名目で支払った人に戻すこと」「そのようにして支払われた金銭」という意味があります。英語の意味と同様に、割り戻し金という意味で使われることが多いのです。

そのほかには、次のような意味もあります。

リベート
・割り戻し
・手数料
・世話料
・賄賂
カタカナ語のリベートには「rebate」と違って動詞の意味がなく、名詞の意味のみです。

「世話料」や「賄賂」のようなあまりいいイメージをもたれない意味もあります。リベートを使用するときには、誤解されないようなクリーンな使い方をしてください。

MEMO
広告業界ではリベートが「払い戻し」という意味で使われています。

契約時の約束よりもたくさんの広告を出してくれた広告主に、「払い戻し」として支払われる金銭がリベートです。

リベートの類語って?

リベートはビジネスでよく使われる単語ですが、業界によっては違う言葉が用いられることもあります。また、リベートには、意味が似ていて、使い分けるのが紛らわしい用語もいくつかあります。それぞれの言葉の意味を覚えておきましょう。

キックバック

キックバックはリベートと同じような意味をもつ言葉です。特に小売業界や営業職が「割り戻し」の意味で用いることが多いです。

強いて違いを挙げるとすれば、キックバックはリベートよりも悪い意味合いが強くイメージされることがあります。したがって、リベートを用いる方が無難かもしれません。

マージン・バックマージン

マージンやバックマージンは、「もうけ」「販売手数料」「委託証拠金」という意味の言葉。

「もうけ」「販売手数料」という意味でのマージンは、製造業界や流通業界などでよく使われます。売上高(販売して得る金銭)と、売上原価(仕入れにかかる金銭)の差額のことですね。

また、「委託証拠金」は売買取引で使用される用語です。買う側が売る側に代金を支払う保証として預ける金銭を意味します。

どの意味もリベートとはまったく違うので、リベートの言い換えには使えません。マージンについて、くわしくは下記の記事で紹介しています。こちらもぜひ読んでみてください。
マージンとはどんな意味のビジネス用語?英語・類語・使い方・関連用語をわかりやすく解説

インセンティブ

インセンティブは、企業が設定した目標を達成した従業員に対して基本給とは別にご褒美として支払う報奨金のこと。

リベートは、企業がほかの企業に支払う奨励金のことで、お金を受け取った側からみると会社の外部からお金が入ってきたことになります。お金の流れがリベートとインセンティブでまったく違いますね。

インセンティブは下記の記事でもくわしく紹介しています。興味のある方は、こちらも読んでみてください。
インセンティブとは?意味や使い方は?モチベーションとの違いは?(例文つき)

アローワンス

アローワンスは、商品を販売するメーカーなどが、取引先により多く自社の商品を売ってもらうために支払う協賛金のこと。次のような種類があります。

広告アローワンス:自社商品を広告に載せることに対する協賛金
販売促進アローワンス:自社のキャンペーンなどに協力することに対して支払う協賛金
陳列アローワンス:自社が指定した陳列をすることに対して支払う協賛金
契約アローワンス:契約時に約束した契約量に対する協賛金

アローワンスはあくまでも商品を売ってもらうことに対して支払う金銭です。どの取引先に対しても同じ支払い基準で金銭が支払われ、支払いはオープンにされます。

リベートは自社の商品を取引先で取り扱ってもらうことを目的にして支払う金銭なので、そこもアローワンスと違います。

ビジネスで登場するリベートの種類や会計処理

リベートの意味がわかると、実際のビジネスでリベートがどのように行われているのか気になってきますよね。ビジネス現場でのリベートについてみてみましょう。

リベートの種類と目的

リベートには次のような種類があります。

累進リベート:取引先における自社の商品の取引量に応じて支払うリベート
導入リベート:取引先が自社の新商品を取り扱ってくれたら支払うリベート など

リベートは、メーカーが自社の商品を取り扱ってくれる取引先を増やして販売経路を充実させる目的や、取引先に商品の取引量を増やしてもらうために使われることが多いです。

また、取引先の経営状況をふまえて、取引先ごとにリベートの金額を変えたリベート契約を交わすことも珍しくありません。そのようなリベートは、お世話になっている取引先を助けるために、不足している利益を補う目的で行われます。

リベートの会計処理

リベートで割り戻す金額を計算するときに使われる率の決め方には、次のようなパターンかあります。企業によって何を基準にするかは変わってきます

・年間売上高
・自社の商品を陳列する売り場の場所的なよし悪しや、面積の広さ
・決済期間の長さ

企業によって会計処理の方法に違いがあり、さらに取引先ごとにリベート率やリベート金額が変わります。そのため、リベートの会計処理は複雑になりがち。正直、面倒くさいのが実情です。

ビジネスで無理なくリベートを活用するためには、企業として経理の事務手続きを担当する事務方の負担を考慮した、無理のない会計システムを構築することが大切になります。

MEMO
リベートを簿記で処理するときには、販売側は「売上割戻」、仕入れ側は「仕入割戻」という項目で仕訳します。また、帳簿は税の控除を適用してもらうために保存しておかなければなりません。

リベートに消費税は適用される?軽減税率は?

リベートにも、消費税は適用されます。

そして、飲食料品に関するリベートで、年間売上高に対するものなど、飲食料品の売買に直接関係しているリベートには軽減税率が適用されます。

しかし、酒類の売買は標準税率適用になるので、酒類関係のリベートは軽減税率にはなりません。

また、飲食料品の売買に関係するものでも、商品の売買に直結していないリベートは軽減税率の対象にはなりません。販促のPOPやマネキンに対するリベートなどは、標準税率が適用されます。

上司

日本ではややこしいリベートが慣習として実践されているんだ。効率的じゃないと感じる点もあるかもしれないけど、ある意味面白い風習だと割り切ると付き合いやすくなるよ。

悪質なリベートは違法になる可能性も…

悪質なリベートは、独占禁止法違反など、違法行為とみなされます。NG項目を確認し、ついうっかり違法行為をしてしまわないようにしましょう

・リベート額、リベート率が高い。
・リベートを支払う基準がやさしすぎる。
・達成目標が取引先ごとに違う。
累進度(数量が増えると比率が次々と高くなること)が高い
・達成目標を下回る部分にもリベートが支払われている
・取引先に取引を強要する
・売買金額にリベート分の金額を上乗せして請求している

このように、リベートが悪質とみなされる場合は違法になる可能性があります。十分に注意しましょう。

[番外編]海外にリベートはある?ない?

リベートは日本特有のものなのでしょうか?海外企業との取引でもリベートが使えるのか、知っておく必要がありますよね。海外でのリベートについても学び、知識を深めましょう。

海外におけるリベートのあり方

欧米でのリベートは、大量の商品の取引契約や長期契約が成立した場合に交わされる、ごく普通の商取引です。

ただし、欧米のリベートでは、日本のリベートように取引相手によって支払率を変えるようなことはありません。すべての取引先に対して一律の支払い基準で支払われます。支払いに関しても、日本と違ってオープンです。

欧米では、契約書作成時にリベート率が明文化されることも珍しくありません。契約時点でリベート率がはっきりわかっているので、お金の支払い時にトラブルが起こることは少ないようです。

海外にはリベートがないと説明されるケースも

欧米のリベートと日本のリベートは、「支払ってもらった代金の一部を支払った人に戻すこと」という点が共通しています。

しかし、取引の中身が欧米と日本で大きく異なるため、欧米のリベートと日本のリベートはまったく別の物として考えられることが多いです。そのため、「欧米にはリベートはない」と説明されるケースもあるようです。

仕事で役立つ!リベートの使い方・例文

リベートはさまざまな業種のビジネスで頻繁に用いられる用語です。どのような使い方をするか、例文を通してイメージしてみましょう。

例文1:一般ビジネス

新人

うちは新規参入で知名度がないから、なかなか取引先に契約してもらえません。どうやったらうちと取引してもらえるでしょうか?
一度取引できれば、うちのよさをわかってもらえると思うのよね。導入リベートを使って、取引先に契約してもらえるように交渉してみましょう。

先輩

例文2:小売業・営業

新人

取引先の〇〇スーパーさん、経営者の旦那さんが交通事故で入院してたことが影響して今期の経営状況がちょっと厳しいみたいです。リベート収入で利益をサポートしてあげたいんですが、どうでしょうか?
〇〇スーパーさんにはうちもずいぶんお世話になっているから、リベート額をアップできないか社長に相談してみるよ。

上司

例文3:広告業

タウン情報誌出版社の上司

今期、△△タクシーさんは、事前の契約よりもたくさんの広告を出してくれたね。
はい。△△タクシーさんにリベートを支払いますね。

先輩

リベートを活用した正規の取引で販売経路を充実させよう!

リベートはうまく使うと販売経路を増やし、取引を充実させることができるので、日本では多くの企業が頻繁に用いている手法です。しかし、度がすぎると違法とみなされてしまうことも。ビジネスマンとして、リベートの正しいやり方を身につけましょう!