「適当」は3つの意味をもつ言葉
先輩
後輩
先輩
「適当」という言葉には、いい意味と悪い意味の3つの意味が含まれています。一般的には”ちゃらんぽらん”なイメージで多用され、あまりよくない印象をもたれがちなフレーズです。
「適当」の悪い意味だけしか知らない人にとって、「適当」と表現されるとネガティブなイメージに受け取られがちです。正しい「適当」の使い方、類語や言い換え表現を知っていれば、その認識は間違いだと気づきます。「適当」がもつ3つの意味を理解して正しく使いこなしましょう。
・妥当
・相応
・手頃
など
「適当」の意味は「いい加減」だけではない!
「適当」には”3つの意味”があるのですが、なぜか悪い意味ばかりが先行しています。一度ここで「適当」の意味を確認しておきましょう。
・目的、条件、要望、要求に対して上手く当てはめること
・程度やさじ加減が程よいこと
・やり方、手段がいい加減なこと
このように、「適当」には3つのうち2つもいい意味があります。
まずはいい意味からみていきましょう。上2つを簡単に説明すると”上手に調整・調節されているさま”を示しています。「適当」の「適」の漢字がもつ、「ふさわしい」「よくあてはまる」を表現している言葉ですね。
3つめはこのなかで一番悪いイメージをもたれ、一般的に周知されている「適当」です。なぜか悪い意味ばかりがクローズアップされていますよね?
これには諸説ありますが、「うまく当てはめる」や「さじ加減」が”曖昧”として受け取られ、現在の悪いイメージの「適当」として使われている節があります。
真相は定かではありませんが、それだけ「適当」が使いやすいフレーズかを物語っていますね。
新人
「適当」の使い方・例文
「適当」は悪い意味でばかり使用されるケースの多いフレーズです。偏りなく、3つの意味を使い分けた「適当」の例文をご紹介します。
「適当」を使用する際の注意点
いい意味を知らない人に「適当」を使った場合、相手に不快を与えてしまう恐れがあります。例えば「上手く仕事」をしてくれた相手への賞賛のつもりが、”いい加減な仕事をしたと思われた!”と逆の意味で捉えられてしまうケース。
こういったトラブルを引き起こさないよう、「適当」を使う際の前後の文脈で意味合いをハッキリさせる工夫をしましょう。
「適当」を使った例文
誤解を招きやすい「適当」ですが、相手にこちらが使った「適当」の意味を理解してもらえればよいのです。3つの意味に分けた「適当」の使い方を例文でご紹介します。
上手く当てはめるの意味で使った例文
部下
上司
相性や組み合わせ、素材や人材を上手く当てはめて使い分けている「適当」の使い方です。矛盾や不自然な箇所がなく、上手に調整されているさまに対して使用します。
上司
程度やさじ加減を程よいの意味で使った例文
後輩
先輩
料理のレシピや調味料でもよく使われている「適当」は、”いい感じ”や”いい塩梅”を表現しています。いい感じ=程よい感じの曖昧な表現ですが、現在の状態から”よい感じ”に調整したさまに対して使用できます。
上司
※「塩梅」の使い方はこちらの記事にも詳しく書かれています!↓↓
「塩梅」とは?読み方や使い方・例文・類語・英語表現など詳しく解説!
やり方、手段がいい加減の意味で使った例文
上司
後輩
「適当」がもっともよく使われているケースの使用例です。仕上がりが雑だったり、手抜きの様子に対して使用します。別の表現で”曖昧”や”要領よく”も、悪い意味合いで使われるケースが多い表現です。
上司
「適当」の類語・対義語
「適当」を悪い意味で受け取られそうな場合、類語に言い換えれば無用なトラブルを避けられます。同時に「適当」の対義語も押さえて、類語ともども「適当」を正しく使いこなしましょう。
「適当」の類語
「適当」の類語はネガティブな言葉よりもいい意味のほうが多いです。「適当」の表現で誤解を避けたいときは、類語を積極的に使っていきましょう。それでは、「適当」の類語を使った例文をご紹介します。
適切
「適当」の類語には「適切」「適度」「適正」の「適」がつく単語が多いです。そのなかでもよく当てはまって相応しいとの意味をもつ「適切」が、「適当」の類語として使用頻度の高いフレーズです。
部下
課長
妥当
判断や事柄、結果が正しく当てはまっている実情を指す言葉です。「適切」の類語でもあり、「当然」「妥当」「順当」が同じ枠組みの類語として使用されています。
先輩
後輩
相応
物事同士のつり合いが取れているさまを表現している言葉です。読みは「そうおう」ですが、「ふさわ(しい)」とも読めます。逆の意味で「不相応」「分不相応」があります。
後輩
先輩
手頃
“手にもって握るには丁度いい状態”との意味をもつ手頃は、物事に対してもほどよいさまを表現しています。「程よい」との意味がある「適当」に対し、誤解を避けられる”お手頃”な言い換え表現です。
先輩
後輩
「適当」の対義語
「男」に対しての「女」。「陽」に対する「陰」。「適当」に対をなす対義語についてもご紹介します。
・不適当
・不適
・不当
・過当
など
「適当」ではない事柄がそのまま対義語に当てはまります。否定の「不」をつけた「不適当」や、適度を超えた、満たないものに対する「過当」や「過少」も対義語にあてはまります。
後輩
先輩
後輩
先輩
後輩
先輩
「適当」の英語表現
「適当」はビジネスシーンにおいて非常によく使われる言葉です。いざというときのために、会話やメールで使える英語表現を確認しておくと安心です。
suitability
compatibility
pertinent
appropriately
well
と表現できます。
「適当」の英語表現を使用した例文はこちらです
⇒相性を考慮した適当な組み合わせで配分しました。
・Please include pertinent comments.
⇒適当なコメントをいれてください。
・Adjust the schedule appropriately.
⇒スケジュールを適当に調整する
・This is going well.
⇒これは適当過ぎます。
「適当」は状況に合わせて適当に使おう!
3つの意味をもつ「適当」は、悪い意味だけが抜き取られやすい言葉です。ビジネスシーンで使う場合、シチュエーションに応じて文脈や語調、表情をこちらの意図に合わせることも大切です。
使い方次第で相手に与える印象がガラリと変わる表現ですが、言葉の意味をマスターしていればさまざまなシーンで柔軟に使えるフレーズです。ときには類語と使い分け、状況に合わせて「適当」に使っていきましょう!