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「ですので」は書き言葉ではなく”口語的な表現”
「ですので」を口頭と文章の両方で使う人もいますが、本来は会話で使用される口語的な表現です。
若い世代に書き言葉として使用する人も多く、ビジネスシーンでも重要な書類、例えば履歴書にも「ですので」を使用してしまうケースがみられます。これは「ですので」の誤用となり、厳しい書類選考の場合だとマークされてしまうので要注意です。
普段使う言葉だからこそ、正しく使って自分の評価を落とさないように努めましょう。誤用を防ぐには、「ですので」の言い換え表現もあわせて覚えておきましょう。
・そのため
・すなわち
・ゆえに
・つきまして
・したがって
…など
「ですので」の意味
「ですので」は、「なので」を丁寧にした表現です。そもそも「なので」とは、連体形の「な」と助詞の「ので」をつなげた形です。使用するときは、前の事柄に対して”理由”や”結論”を述べる際の接続詞として活用します。
同じ意味の言葉に「だから」がありますが、「なので」と「だから」には敬語表現がありません。そのため、丁寧な表現にするときは「ですので」に言い換えます。
上司
「ですので」の使い方・注意点
書き言葉に使用する以外にも、「ですので」を使う際の注意点があります。特にビジネスシーンでは、使い方を誤ると自身の評価を落としてしまうことにもなりかねません。注意点を踏まえて、正しい使い方を覚えましょう。
「ですので」は文頭で使えない!
「ですので」の誤用で非常に多いのが文頭で使用するケースです。先述したように前の事柄を踏まえて理由を説明する際、「ですので」を置いて前後の文をつなげます。つまり、文の途中で使用するのが正しい使い方です。また、「ですので」は単語の性質上、文頭に置くのは文法上の誤りです。
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これは「ですので」を文頭で使用した誤った使い方。
「ですので」は「なので」を言い換えた表現です。「なので」は助動詞+連体形+接続助詞でひとつの言葉。つまり、ひとつの言葉で独立した接続詞ではないため、「ですので」をそのまま文頭に使うと不自然な表現になります。つなげる場合は次のように「~ので」か、言い換え表現を使用するのが適切です。
先輩
後輩
先輩
後輩
「ですので」はビジネスメールで使用できる?
口語である「ですので」を書き言葉として使用するのは不適切です。基本的にビジネスメール・文書は書き言葉で統一するのがマナーであり、口語を使うのは避けたほうが無難です。「ですので」に代わる言葉として、「つきまして」や「したがって」の書き言葉に置き換えるのがベターです。
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「ですので」を使った例文
口語である「ですので」は普段の会話や会社の内外で使用します。丁寧な形ではありますが、使い方次第では目上の人に悪印象を与える恐れがあります。ビジネスシーンでも使える「ですので」を例文でチェックしましょう。
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「ですので」の類語
書き言葉や文頭では使えない「ですので」ですが、類語に言い換えて使用すれば問題ありません。「ですので」の類語を覚えて、ビジネスシーンで上手に使い分けていきましょう。
ですから
「なので」の類語「だから」を丁寧な形に言い換えた表現です。使い方や注意点は「ですので」と同じパターンで、そのまま置き換えて使用可能です。
先輩
後輩
そのため
事柄のあとに別の出来事が起こることをあらわした表現です。なにかをすることによって、起こり得る結果や事態を示す場合に使用します。
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すなわち
「即ち/則ち/乃ち」と書き、接続詞、名詞、副詞と3つの漢字と意味をもつ言葉です。接続詞として使用される場合、最終的な結論につなげるときや、同じ内容の言葉に言い換える際に使用します。「つまり」に言い換えての使い分けが可能。
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ゆえに
漢字で「故に」と書き、前の事柄に導かれて出た結果・答えを述べる言葉です。原因が先にあり、その結果につなげるときに使えます。「それゆえに」も表現として使用できます。
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「ですので」の英語表現
「ですので」はビジネスシーンにおいてよく使われる言葉です。いざというときのために、会話やメールで使用できる英語表現を確認しておくと安心です。
because
と表現できます。
「ですので」の英語表現を使用した例文はこちらです。
⇒明日は会議ですので、時間厳守でお願いします。
・Beacause it looks like it is raining outside, please do not forget your umbrella.
⇒外は雨が降っているようですので、傘を忘れないようにしてくださいね。
・Because it looks like it will take some time, I will stay and continue my work.
⇒まだ時間が掛かりそうですので、僕は残って作業を続けます!
「ですので」の正しい使い方をマスターしよう!
近年はSNSツールでの表現が気軽になった分、若年層の言葉の使い方が曖昧になっている傾向にあります。「ですので」のような、口語と書き言葉の区別をつけない誤用が非常に多くみられます。
正しく言葉を使い分けることがビジネスシーンでも重要視される場合があり、面接時の評価にも大きく影響する可能性もあります。使う機会の多い「ですので」を使い分け、正しい言葉使いができるビジネスパーソンになりましょう!