リベラルアーツとは『教養をスキル化する学問』
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大学関係の情報やビジネス雑誌で、リベラルアーツという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?ひと言でいえば『教養をスキル化するような学問』という意味です。
聞いたことはあるけれど意味はよくわからなかったり、最近のマーケットのメソッドやスキル?などと、いまいちしっくりとこなかったりすることも多いでしょう。
ここでは、リベラルアーツの深い意味や起源、取り組むポイントなどを交えてわかりやすく解説します。
リベラルアーツの意味をチェック
リベラルアーツという言葉が、大学教育に関する話題でよく聞かれるようになってきました。英和辞書で引くと「一般教養」とありますが、ちょっと違います。従来の大学における一般教養は、「専門教育の前に学習する基礎の教育」といった意味です。
よって、リベラルアーツ教育と銘打つからには、一般教養とは違うという意味合いが色濃く含まれています。シンプルにいうと、『分野を超えて幅広く学び、広い視野で物事を考えるための学問』という意味です。
リベラルアーツの起源
リベラルアーツの概念は古代ギリシアで生まれました。その後、古代ローマに受け継がれ、言語系の3つの学問と数学系の4つの学問の自由7科、セブンリベラルアーツとして定義されました。
さらに、近代の英国を経てアメリカに継承され、現代アメリカのリベラルアーツ大学では、少人数制の基礎教養と論理思考力の習得を重視したカリキュラムで教育されています。
学問のための学問ではなく、実際の社会問題などの解決に向けた考えを生み出すことができるような人材を輩出するための学問ともいえるでしょう。
リベラルアーツに取り組む際のポイント
現在仕事をしている多くのビジネスマンは、学生時代にリベラルアーツを学ぶ機会がなかったかもしれませんが、興味があれば仕事をしながらでも学んでいくことができます。
極論からいえば、リベラルアーツは知識というよりスキルなので、実践の場があることでかえって効果的に学べることもあるのです。ビジネスパーソンがリベラルアーツを学ぶ際の、効果的なアプローチについてのポイントを紹介します。
前提としては「正確な情報を持ち」「自分なりの判断基準を持つ」というステップを経ることが大切です。
正確で豊富な情報を集めることにより、その物事の本質が理解できるようになるでしょう。そして情報が蓄積されてきたら、自分なりの判断基準を作り上げていくステップに進みます。
もし、その情報について固定観念があれば、情報と向き合うことで違いを認識できます。その違いをきっかけにして、新しい判断基準が加わるのです。
そして、他の情報との共通点がないか、あるいはその情報の背景や原因は何か仮説を立てます。それを検証して出た答えが、さらに新たな基準として加えられるのです。
このように、豊富な情報から仮説と検証を繰り返すことで、幅広い視点から物事を見る力を身につけることができるようになります。
上司
リベラルアーツの英語は『liberal arts』
リベラルアーツは英語で『liberal arts』と表記します。日本語で使われる場合と、意味はほとんど同じです。
以下のように使われます。
私の息子はアメリカのリベラルアーツ大学に留学している。
彼はリベラルアーツ大学で学んだので、ビジネス上のさまざまな課題に対して、柔軟で広範な知識から解決法を提示する能力を持っている。
リベラルアーツと一般教養の違い
通常、大学の前半の2年間は、一般教養科目を受講し、さまざまな分野の知識を学びます。これはスキルではなく知識および情報を獲得することが目的です。
一方、リベラルアーツは明確な答えがない課題に対応するための知識の活かし方を学びます。これは、学問というよりもスキルです。より能動的な学問であり、教育のトレンドであるアクティブラーニングとも方向性を同じくしています。
リベラルアーツの使い方・例文
日常的会話ではあまり登場しないリベラルアーツですが、ビジネス上の会話ではいったいどんな使い方があるのでしょうか。例文で見てみましょう。
上司
先輩
[おまけ]リベラルアーツが企業幹部にも求められる理由
昨今では、企業リーダーこそがリベラルアーツを学ぶことが必要ではないかと、しばしば言われています。
その理由は、リベラルアーツを学ぶことで物事を深く論理的に考える力を持つことができるからです。また、広い視野で知識や情報を連動させることができるようなります。
その結果、以下のような恩恵をもたらすといえます。
物事への対応力が増すことにより、リーダーとしての器が広がる
柔軟な発想を持てるので、ビジネスにおいて新しい価値の創造につながる
リベラルアーツの本質を理解して使いこなそう
リベラルアーツという言葉は、一般教養と混同することがあり、意味があいまいになりがちです。本質的な意味を理解したうえで使うようにしましょう。