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証券外務員資格は、証券会社など日本証券業協会の正会員を対象とした試験と、銀行等の金融機関を対象とする特別会員向けの試験の2種類があります。今回は、特別会員証券外務員資格について、くわしく解説します。
証券外務員資格 種類による違いは?
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特別会員証券外務員資格は、1996年に創設された資格試験です。金融規制緩和で銀行や生命保険会社等でも債券や投資信託等の販売が解禁されたことを機にスタートしました。ここでは、正会員向けの資格との違いについて解説します。
特別会員証券外務員資格は対象者限定
特別会員向けも正会員向けも、一種と二種の2種類の資格があるのは同じです。ただし、特別会員向けの試験は対象者限定。正会員の証券外務員資格試験は一般にも開放されていますが、特別会員向けは所定の金融機関に勤務している役職員しか受験できません。
取り扱い商品に制限がある
銀行等で販売できる商品は、公社債や投資信託など、株式を除く一部商品に限られています。したがって、特別会員証券外務員資格で取り扱える商品も、同様に限定されています。区分は主に下表の通りです。
現物 | 信用取引 | 先物等 | ||||
株式 | 債券 | 投信 | ||||
正会員 | 一種 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
二種 | × | × | × | × | × | |
特別会員 | 一種 | × | 〇 | 〇 | × | 〇(債券のみ) |
二種 | × | 〇 | 〇 | × | × |
特別会員外務員資格を受験するメリットは?
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特別会員証券外務員資格試験は、自身の希望というより、会社からの指示で受ける方が大半でしょう。資格取得にメリットはあるのでしょうか?
投資に関する知識がつく
特別会員外務員資格は、自己研鑽や人事査定のプラス評価のためというより、業務上の必要があって受験する人がほとんどです。投資信託や債券を扱う業務には、必ず必要な資格です。配属先や担当業務によっては、不合格だと実務に支障が出ることもありえます。
とはいえ資格取得の勉強を通じて、投資に関する知識がつくという点は、メリットといえますね。
退職後も資格は有効
特別会員外務員資格は、退職後も有効な資格です。同業他社に転職する場合、活かせる資格であることは、メリットといえるでしょう。ただし特別会員の資格は、株式等の取り扱いができないことから、証券会社では活用はできません。
証券会社へ転職する場合は、改めて正会員向けの外務員資格を取得する必要があります。特別会員の資格があっても、特に加点要素や優遇措置はありません。
特別会員証券外務員資格の試験概要&受験対策は?
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ここでは試験の実施概要や受験対策をご紹介します。
試験の実施概要
特別会員の試験は所属会社を通じて申し込みます。株式に関する出題がない分、正会員向けの試験より出題数が少なく、試験時間も短くなっています。試験概要は下表の通りです。
一種 | 二種 | |
試験時間 | 100分 | 70分 |
出題数 | 45問 | 26問 |
合格点 | 325点満点中230点以上 | 200点満点中140点以上 |
出題範囲 | 二種の内容+債券先物・デリバティブ等 | 法令・諸規則/商品業務/関連科目 |
受験対策はテキスト&問題集の反復
特別会員証券外務員資格試験の出題は、正誤問題や用語選択、計算問題で構成されています。一種も二種も、毎回出題傾向はほぼ同じ。過去問や予想問題を繰り返し解くことが最も効率的な受験対策です。特に計算問題は、取りこぼしのないように、頻出問題を押さえておきましょう。
教材は会社から支給されるケースが多いですが、市販のものも多いので、必要に応じて使用するとよいでしょう。
例えば下記の教材は、解説と演習問題を組み合わせた構成で、一種・二種いずれにも対応しています。効率よく勉強したい方におすすめです。
正会員向けの教材を使用して勉強することも可能です。ただしその場合は、株式など出題範囲外の内容が含まれている点に注意しましょう。
着実に準備して1度で合格を決めよう!
特別会員証券外務員資格は、業務上、どうしても取得が必要という方が大半でしょう。投資商品の知識はゼロだとしても事前に対策を取っておけば、決して難しい試験ではありません。忙しい仕事の合間を縫って勉強するのは大変かもしれませんが、1度で合格できるよう着実に準備しておきましょう。