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証券外務員資格試験は、日本証券業協会が主催する試験。証券会社等、金融機関の役職員向けの資格試験ですが、一種・二種については、一般に開放しています。金融業界でのキャリアアップを目指す人、金融関連の知識を高めたい人にも人気です。
今回は一種と二種の違いについて、くわしく解説します。
証券外務員資格 一種・二種とは?
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証券外務員資格試験は、株式や債券などの金融商品を取り扱う資質の確保を目的としています。証券会社等を通じて受験する場合も、一般から受験する場合も、試験や資格の内容に違いはありません。まずはどんな資格なのか、一種と二種の制度上の違いから解説します。
資格は取れるが販売には制限がある
証券外務員資格は、合格後に取り扱える商品の違いによって、一種と二種の2種類の試験に分かれています。しかしながら一般受験の場合、合格しても自由に商品を販売できるわけではありません。
金融商品を販売するには、証券会社や銀行等に就職し、日本証券業協会に外務員として登録を受ける必要があります。
一種は高リスク商品の取り扱いも可能
一種と二種では、取り扱える商品の範囲が異なります。具体的には下表の通りです。
一種外務員 | 二種外務員 |
現物・信用・デリバティブを含むすべての商品 | 株式、投資信託、債券などの現物 |
現物取引では、決済金額の額面通りに売買の受け渡しを行います。これに対し、信用・デリバティブ取引は、額面より少ない資金で投資ができる仕組み。現物取引より大きなリターンが期待できる分、リスクも高くなります。
二種合格で扱えるのは前者のみ。一種合格の方が、取り扱える商品の幅は広くなります。
試験実施概要や難易度の違いは?
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証券外務員資格試験は、一般的に二種→一種と順に受ける人が多いですが、いきなり一種から受けることも可能です。ここでは、それぞれの試験の実施概要や難易度の違いについて解説します。
試験概要の違い
証券外務員資格試験は、毎月実施されています。受験料は一種・二種とも同一(税込:8,866円)。いずれも正答率7割以上が合格ラインです。一種と二種で異なるポイントは下表の通りです。
一種 | 二種 | |
試験時間 | 160分 | 120分 |
出題数 | 100問(440点満点) | 70問(300点満点) |
出題範囲 | 二種の内容+信用・デリバティブ | 法令・商品・関連科目 |
一種の方が出題範囲が広い分、出題数も多くなっています。
合格率はほぼ同一
難易度の目安になる合格率ですが、直近2年の実績では、一種・二種とも65%前後。出題範囲が広い分、一種の方が難しいといえますが、合格率については、ほぼ変わりがありません。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | ||
一種 | 2018年度 | 4,782名 | 3,160名 | 66.1% |
2017年度 | 5,604名 | 3,647名 | 65.1% | |
二種 | 2018年度 | 3,870名 | 2,573名 | 66.5% |
2017年度 | 4,445名 | 2,797名 | 62.9% |
一種と二種 どちらを受けるべき?
株式などの知識がまったくない人がチャレンジするなら、二種から順に受験するのがおすすめ。じっくりステップを踏んで勉強できる分、知識も身につけやすいです。
現在、日本で行われている証券取引の大半は現物取引なので、二種に合格するだけでも、充分な金融リテラシーを身に着けられます。
もちろん、既に基礎知識がある人は、いきなり一種にトライするのもアリでしょう。一種は二種の出題内容も網羅しているので、効率よく勉強して資格を取りたいという人にもおすすめです。
金融に興味があるならおすすめの資格
金融関連の資格は、一般開放されていないものも多いですが、証券外務員資格は誰でもチャレンジできます。
投資や資産形成に興味がある。金融機関に転職したい。実生活で役立つ知識を身に着けたい。少しでもあてはまるところがあるなら、受験を考えてみてはいかがでしょうか。