確かなプログラミングを学ぶなら>

技術職のシステムエンジニアを辞めて営業職に転職した理由

こんにちは。私は6年間勤務したシステムエンジニアから営業職へと転身しました。異業種への転職でしたが少しずつなりたい自分像に向かって進めていると感じています。
今回はそんな私の歩んできたキャリアについてご紹介します。もし今転職や今後のキャリアに悩んでいる方がいたら、ぜひ参考にして頂けたらと思います。

新卒でシステムエンジニアに。政府系機関が扱うシステムの開発を担当

私は大学を卒業後、大手IT系企業のシステムエンジニア(SE)としてキャリアをスタートさせました。

学生時代、特にやりたいことがなく単純にSEという職業に憧れがありました。就職活動はIT系企業を中心に受け、システム開発を担っている企業に就職を決めます。

そこでの主な仕事内容は政府系機関が扱うシステムの開発でした。法律が施行される日に合わせてシステムを稼働させる必要があるため、作業の難易度も非常に高く、納期を遵守しなければいけません。

政府関係の仕事というと聞こえがいいかもしれませんが、環境としてはかなりシビアなものでした。

想像以上の重労働に神経がすり減る毎日

システムエンジニアは激務であると聞いてはいましたが、実際に働いてみると想像以上に大変でした。毎月の残業時間は100時間を超えていましたし、徹夜で仕事をするのも当たり前。

残業代はもらえるものの、実際の残業時間を申告すると上司から文句を言われるため、かなり少ない時間で伝えていました。

最初は我慢できていましたが、そんな生活が続くと次第にストレスが溜まっていきます。

いつかは転職をした方が身のためとは思っていましたが、せっかく内定をもらった大手企業を辞めるのはもったいないという気持ちが捨てきれず、平行線を辿っていました。

しかし、4年目になる頃にあらためて将来のなりたい自分像を考えます。

このまま40歳、50歳と年を重ねたとき、今のような働き方ができるかと考えた時「絶対にできない」と思うようになり、今の会社にいるメリットが分からなくなりました。

今の環境で我慢し続けたらいずれ体を壊してしまう。そう考えた私は、とにかく今の環境から離れようと、転職先を決める前に退職をしました。

体力に限界を感じ建築系のエンジニアへ転職を

退職後、DODAという転職サイトを利用し2ヶ月ほどで次の会社を見つけることができました。

職種は同じSEですが、建築系のシステムが問題なく動いているかをチェックするテストエンジニアという仕事です。勤務形態も若干異なり、派遣会社の正社員として採用され、他の企業へ出向して勤務するスタイルでした。

研修制度も整っており、これまでの経験を活かしながら自分の能力を高められそうだなと思い、つなぎとして入社を決意。

後先を考えずに退職をしてしまいましたが、思ったよりも短い期間で転職を決めることができ安心しました(笑)

前職よりも働きやすいと感じる一方で新たな悩みも

転職をしてからは、かなり精神的にも楽になりました。

前職の場合は政府系のシステムの開発だったため、失敗も許されないし納期までに確実に終わらせなければならず、どうしても神経を尖らせて仕事をしなければいけません。

一方テストエンジニアはシステムのエラーが起こらないかをチェックする仕事のため、作業内容は非常にシンプル。残業もほとんどなく、しっかり休みもとれていたので前職に比べて精神的な負担はかなり軽減されました

一方で新たな悩みが生まれます。それは結婚です。

この頃、長年連れ添ったパートナーと結婚をしようという話が出ていました。当時は大阪に住んでいましたが、私もパートナーも実家が四国にあります。

結婚をしてこどもが生まれた時のことを考えると、やはりお互いの両親がいる四国地方に近い場所に住んだ方がいいという話に。また、今の仕事は労働時間、仕事内容ともに負担が少ない分、給料があまり高くなかったため、家族ができた時にやっていけるかという不安もありました

もともと転職は考えていましたが結婚を決めたことでお尻を叩れた気分になり、家族のためにも再び転職活動を始めることに。

結婚をきっかけにUターン転職を決意

今回は会社に在職しながら転職活動を行っていたので、気持ち的には余裕を持って取り組むことができました。

DODAの他にもリクナビネクストやマイナビも利用したのですが、おすすめされる求人数が多く、あまりにも情報量が増えてしまったためやりにくさを感じていました。結局一番使い慣れていたDODAをメインに利用することに。

また、このタイミングでSEとして働くのはもうやめようと考えました。

今のような派遣社員のような形態だと、責任が重くない分給料もあまり高くないですし、最初に働いた会社のように長時間働かない限りは高い給料を目指すことは厳しいだろうと思ったからです。

SEという仕事自体にあまりいいイメージを持てなくなってしまった私は、これまでのスキルを活かしながら高い給料も目指していけるIT系企業の営業職にキャリアチェンジをしようと考えました

スキルを活かし、望んだ仕事ができる企業に出会う

転職活動の軸を「四国で働ける営業職」と絞って活動した結果、3社ほど候補が見つかり実際に面接を受けることにしました。

そのうち2社は営業職というより、これまで通りSEとしての勤務を求められていたためそれ以上選考を進むことはやめ、残りの1社に希望を委ねました。

そこは、自社のシステム開発を企業に対して提案する会社で営業職を募集していました。まさにこれまでシステムエンジニアとして働いてきた経験を活かしながら、自分のやりたいことに向けて働ける会社です。

書類選考の後に面接を2度行い、無事に内定を頂きました。厳密には面接という面接は1度だけで、2度目の面談は所属する部署の説明など仕事をする前提のお話だったので、スピーディーに決まったなという印象でした。

面接の担当だった部長は、少し威圧的に感じられる方だったので少し不安もありましたが、自分の望んだ仕事ができるのはここしかないと思い、内定を承諾しました。

こうして私は無事に2度目の転職活動を終え、2019年の2月から新しい会社での勤務をスタートさせました。

異業種に転職をして変わってきた自分の価値観

現在の会社に転職して1年と少しが経ち、面接の時に威圧的に感じた部長とも今では普通に話せるようになり仕事もとても楽しいです。

結婚をして、自分に合う仕事を見つけられて、このまま自分の人生は進んでいくのかなと感じています。

ただ、SEから営業職にキャリアチェンジをして、難しいなと感じることもあります。それは仕事のスタイルの違いです。

SEのような技術職は、「過程」を重視しています。作業過程を緻密に計画してから、作業に取り掛かり、そして計画通りに作業を完了できれば、その計画性が評価に繋がります。

一方で営業職の場合は、とにかく商品を売ってなんぼの成果主義で、「結果」を重視します。

最初に技術職を経験した私は、お客様先へ訪問するまでに、考えられるリスクを洗い出して
出来るだけ多くの準備をしたいと考えます。

しかし、先輩方には「これでは効率が悪い。とりあえず、多くのお客様のところに足を運ぶのが効率の良い方法」と教えられました。数を打った方が、売上げは多くなる傾向があるようです。

結果を出さないとボーナスに大きく影響するため、常に数字に追われる生活になり、前職の仕事のスタイルと比べた時に戸惑いが大きいのも事実です。

その反面良かったこともあります。SEだった時に比べて休みを取りやすくなりました。

今の会社は大手の部類に入る会社で、働き方改革に力を入れています。休みを積極的に取るように促しているため有給が取りやすく、また男性の育休にも寛容で、実際に私も2週間の育休を取ることができました。まだまだ男性の育休が取りづらい会社が多い中で、とても素晴らしい取り組みだと思います。

さらに給料も上がり、大阪に比べて四国の方が物価も安いので生活的にはかなり楽になりました。

また最初は残業もなくほぼ定時で帰っていましたが、だんだん社内での評価も上がり任される仕事が増え、以前よりも残業することが増えました。辛いという感覚はなくむしろ自分の仕事の幅が広がって嬉しく感じています

今後やりたいことも変わってきた

営業職はさまざまな会社に訪問して、たくさんの社長とお話ができる機会があります。その話がとても刺激的で、話を聞いているうちに「私も独立したい」という気持ちが生まれ始めたのです。

そんな中、最近運命的な出会いがありました。

とある会社に訪問した時、その社長の息子さんと意気投合をしてプライベートでも会うようになりました。その方も将来起業するためにお父様の会社で経営を学んでいるそうで「将来的に一緒に事業をやっていきませんか」と声をかけてくれたのです。

それから私も起業に向けて少しずつ勉強を始めています。

とはいえ結婚してこどもがいる状態なので、この事業をやれば家族を食べさせていけるという確証を得られるようになるまでは独立はせずにスキルをひたすら身につけていけたらと思っています。

悩んでいるのであれば行動してみるのが大事

私は転職をしてよかったと心から思っています。

実際に2度転職をしましたが、会社によって働いている人だったり、考え方や方針もまったく違ったりするのでいろいろな会社を経験してみたいと思うようになりました。

求人情報を見て良さそうだなと思っても、いざ入社してみたらちょっと違うなと感じてしまうことはよくある話だと思います。それは実際に働いてみないと分からないことなので、いろいろな会社を経験して自分に合うところを見つけていくのが大事だと思います。

また転職に悩まれている人はさまざまな理由があると思います。

私自身も最初に就職した会社は名の知れた大企業で、周りからも羨ましがられるところだったのでこのまま辞めるべきかとても悩みました。

ただ、大企業で給料が良くてもあのまま働いていたら体が壊れてしまっていたと思います。

私の場合は行動したことで自分の視野も広がりましたし、ずっと同じ会社にいた時よりも自分らしく働くことを追求できていると感じています

こういった経験から、悩んでいるのであれば一度行動してみることの大切さを学びました。

今はコロナウイルスの影響もあって、以前より転職が難しくなっているかもしれませんが、テレワークによって自分と向き合う時間も増えているので自分を見つめ直す時間も作りやすいかもしれません。

「将来の自分のなりたい姿を想像してみて、今どうしていけばいいか」

そんなことをこれからも意識して仕事をしていきたいと思います。

取材・執筆:渡辺健太郎(けんわた)(けんわた@美容とジェンダー
編集:chewy編集部 はら