リフレクションとは『内省すること』
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上記のように、教育体制の一環としてリフレクション教育を導入している企業も多いでしょう。ビジネスシーンでも使われるリフレクションとは『自己を振り返り、内省すること』です。この考えをもとに構成されるのがリフレクション教育で、人材育成の場で主に採用されています。
ここでは、リフレクションの意味やプロセス、活用方法を詳しく解説しますので、正しく理解してさっそく自社に取り入れてみましょう。
リフレクションの意味をチェック
前述したとおり、リフレクションには『内省』の意味があります。人事の分野で活用される言葉であり、業務改善を図るための取り組みとして注目を浴びています。
具体的には、自身の業務についてプロセスや考え方、結果を客観的に振り返り、学びにつなげていく方法論です。成功したことも失敗したこともすべて内省することで、従業員の自発性を高めることにもつながっていきます。
リフレクションの歴史
リフレクションという考えは「デューイの実践的認識論」のなかで生まれました。
デューイは成長するための学びの過程を、2種類に分けて考えます。1つ目は、トライ&エラーを軸に試行錯誤する「経験による学び」です。2つ目は、行動と結果の関連性を考えながら意図的に努力する「思考による学び」で、リフレクティブシンキングとも呼ばれます。
これは、まわりの観察や過去の類似事例をもとに判断していく方法で、今のリフレクションにつながる考えです。
リフレクションのプロセス
実際にリフレクションのやり方を詳しく解説します。まずは、次の3つの段階で実践してみましょう。
1.リフレクションする出来事を振り返る
過去に体験した出来事をピックアップして、振り返ることから始めます。この段階では、単純に起きたことを忠実に思い浮かべるだけで構いません。
2.背景や他者との因果関係を考える
次に、当時の背景について紐解いていきます。まわりの環境や他者との因果関係を探っていく作業が必要です。まわりの反応や行動について詳しく思い返しましょう。
3.自己の行動について考える
状況把握までは完了できる人が多いのですが、重要なのは3つ目のステップです。最後に自分自身について振り返ります。自分の行動や役割は適切だったかを客観的に考えるのが重要です。当時の考え方や意識に着目して振り返りましょう。
リフレクションを実践するときに、外的環境の問題点にばかり目がいってしまうと、批判的な感情が優先されてしまいます。本当の意味での改善につながりませんので、自分自身の振り返りまで必ず到達するようにしましょう。
先輩
人材育成におけるリフレクション
人事育成の場でレフレクションを導入するには、個人レベルのリフレクションに任せるのではなく、適切な支援が必要です。具体的には「事実確認」「共感」「評価」が重要です。部下に対し、以下のステップで実践しましょう。
・事実確認
そのときに何が起きたのかを問いかけます。
・共感
部下自身がどう感じたのかを問いかけ、感情を整理させます。
・評価
なぜ起きてしまったのか、今後の対策について分析と評価を行っていきます。
ほかにも、従業員同士でリフレクションを共有すれば、より客観的な視点で新たな気づきにつながりやすくなります。定期的に実践することが意識改革への第一歩です。
リフレクションの英語は『reflection』
リフレクションの英語表記は『reflection』です。音や熱の「反射」や「反映」のほかに、水や鏡に映った「映像」や「影」という意味もあります。リフレクション教育に該当する日本語訳は、状況に対する『内省』や『熟考』でしょう。例文も以下を参考にしてみてください。
1週間熟考した末に新しい計画を考えついた。
リフレクション教育は英語にすると、そのまま『reflection education』ですが、内省的学習という意味で『reflective learning』も使われます。
リフレクションと反省の違い
リフレクションと混同されるものとして「反省」という単語があります。どちらも振り返るという意味ですが、目的が大きく異なります。
反省には、「誤りを正す」という目的があるので、起きてしまった事象に対して、自分自身の間違いに着目しながら原因を探っていきます。一方、内省の意味を持つリフレクションは、必ずしもミスだけにスポットをあてるわけではありません。自分自身のことだけでなく、客観的に物事を見て、見つめ直す作業です。つまり、「未来につながる気づきを得る」ことが目的となっているわけです。
リフレクションの使い方・例文
リフレクションは、ビジネスシーンでは実際にどのように使われるのか、例文を参考に紹介します。
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先輩
[おまけ]リフレクションが進みやすい職場とは?
リフレクションの実践方法を紹介しましたが、なかなか浸透しにくい職場があるのも事実です。
リフレクション教育が進みやすい現場は、従業員同士のコミュニケーションが活発になっています。普段から自分の意見や考えを話しやすい雰囲気を作ることが重要です。
例えば、上司がいつも業務で忙しく、話しかけづらい雰囲気であれば、部下も相談事がしにくくなります。問題が起きたときに即座に共有し、分析をしていけば、業務改善にもつながっていきます。職場環境の改善は、リフレクションの実践において、非常に重要な課題です。
リフレクションの意味を理解し生産性向上を目指そう
リフレクションを実践すれば従業員のスキルや向上心は自ずとアップしていきます。これにより業務改善につながり、生産性向上も見込めるでしょう。
企業成長を進めていくため、まずは職場にリフレクション文化を根づかせることが重要です。ここで紹介した内容を参考に、ぜひ実践してみてください。