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ニートの意味とは?ニートの高齢化は深刻な社会問題に

ニートとは『若年無業者』

近年、ニートの増加が社会問題化しています。ひと昔前に流行ったフリーターとは違い、深刻さを伴うニートにはさまざまなバリエーションが存在します。

ニートという言葉はよく聞かれますが、その定義がわかりにくいという声も聞きます。今回はニートの定義やひきこもりとの違いなどについて、できるだけわかりやすく解説します。

新人

先輩…、ニートとフリーターって違うんですね?営業先での会話でニートの使い方をフリーターと混同してるって指摘されました。
またやっちゃったのね…。ニートもフリーターもひきこもりもそれぞれ意味が違うの。

先輩

ニートの意味をチェック

ニートは『Not in Education, Employment or Training』の略語で『NEET』とも表記されます。意味としては、就学や就労、もしくは求職活動もしなければ職業訓練も行わない若者のことです。ここからはもう少し具体的に見ていきましょう。

混同されやすいフリーターも一時期社会問題になりましたが、彼らは働いて収入を得ているため、ニートほどの深刻さはありません。むしろ、ニートの登場でフリーターは市民権を得た格好になりました。

ニートの場合はまったく働かないため、高齢化によって今後ますます問題が根深くなりそうです。

命名はブレア政権下の英国にて

ニートという言葉は1990年に英国ブレア政権のもとで生まれました。イギリスでは義務教育(16歳まで)を修了した後に進学するか就職するか、いずれかの進路を選ぶことになります。このとき、そのどれでもない場合がニートに当てはまります

たくさんある〇〇ニート

英国のニートは学校にも通わない、働かない、職業訓練も受けない10代の若者のことを指すもの。一方、日本におけるニートは35歳くらいまでを含む広義なもので、バリエーションも様々です。主なものを見ていきましょう。

高学歴ニート
セレブニート
学生ニート
オタクニート
社内ニート
ベテランニート
ネオニート
プライドニート
ヒキニート

ややイレギュラーなものも含まれますが、それだけニートが多様性を持ち始めているのです。

また、ニートと呼ばれるのは一般的に35歳くらいまでとされますが、その理由は何でしょうか。

日本では統計を取る場合に15歳から34歳までを「若年層」とします。よって、34歳までの無職の若者とすれば統計が取りやすいからだと考えられます。

では、35歳以上になったニートはどう呼ばれるのでしょうか?厚生労働省では35~44歳までの無職の人を「中年無業者」と呼んでいます。一般的には「中年ニート」とも呼ばれています。

ニートの子を持つ親の心境とは

子どもがニートの場合、親はどのような心配を抱えるものなのでしょうか。

ひとつには経済的な負担が考えられます。親がリタイアすると年金から生活費を払う家庭もあるでしょう。ニートの子どもが趣味のために使うお小遣いを親が渡しているケースもあります。このように、本来なら自立・自活している年齢の子ども分の経済的負担がのしかかるのです。

また、普通なら子どもが自立した後に、夫婦でいろいろと老後のプランを立てている場合も多いでしょう。しかし、子どもが自立しなければ生活費だけでも苦しくなり、老後のプランは実行できなくなることが多いのです。

さらに、自分たちが亡くなった後の子どもの生活も心配要素です。親が亡くなればニートは収入が無くなるため、生活に困窮する可能性が高いといわれています。

上司

たしかにお子さんがニートだと親御さんは心労が絶えないでしょうね……。

ニートの英語は『Not in Employment, Education or Training』

ニートは英語で『Not in Employment, Education or Training』と表記され、『NEET』も使われます。意味は国によって若干変わりますが、基本的には日本語と同じニュアンスです。

以下のように使われます。

例文1
Some scholars state that the recent increase in the number of NEET is attributable to the off-shoring of factories to China.
工場の中国への移動がここ最近のニート増加の要因になっていると主張する学者もいます。
例文2
Whether they do not want to disclose their work or are really without job, 20% are like NEET.
自分の仕事を言いたくないのか、あるいは働いていないのか、いわば約20%はニートのようなものです。

ニートとひきこもりの違い

ニートと近いニュアンスを持つ「ひきこもり」の定義は「仕事にも学校にも行かないで家族以外の人との接触をせずに半年以上家から出ない人」です。

外出をまったくしないという風にとられがちですが、社会活動に参加しないと取るのが正しいでしょう。買い物などで外出する人はいます。もちろんまったく自分の部屋から出ない人も含まれています。

ひきこもりは完全に内向的ですが、ニートは働かないものの他者との交流を断っているわけではなく、外での交遊はありえるので、社会活動に参加している部分でひきこもりとは違います。つまり、ひきこもりはニートよりもさらに深刻な問題を抱えているといえるでしょう。

ニートの使い方・例文

ニートはマスメディアにもよく登場する言葉ですが、実際の会話ではいったいどんな使われ方をするのでしょうか。例文で見てみましょう

例文1

新人

弟のやつ、バイトをクビになってから親のお金で遊びまわっているだけで、一切働くつもりがないようなんです…。
そりゃマズいね。そのままいくとニート化してしまうよ、なんとかしなきゃ。

上司

例文2

先輩

学生時代の友人に昨日会ったんだけど、親が資産家なので働きもしないで旅行ばっかり行っているらしいの。ある意味リッチなニートだよね。

[おまけ]ニート数は失業率に反映しない?

意外なことにニートは失業者にカウントされません。アルバイトやパート、派遣社員は労働力人口に入りますが、もとより働く意志のないニートは除外されます。

だからいくらニートが増加しても、失業率の増加には一切反映されないというわけです。

ニートは本質を理解して使おう

ニートはフリーターよりは深刻でも、ひきこもりはもっと深刻という位置付けになります。この微妙なニートの本質を理解して『ニート』というワードを使いましょう。