ワークシェアリングとは『労働を分担し時短によって雇用機会を創出する考え方』
新人
課長
新人
近年、労働改革の一貫としての「ワークシェアリング」が話題にあがることが多くなりました。これは、政府が主導する「働き方改革」に呼応する新しい雇用制度でもあります。このワークシェアリングについて、その内容と実態を以下で解説しましょう。
ワークシェアリングの意味をチェック
ワークシェアリングの和訳は「労働分担」です。すなわち、今まで一人で行っていた仕事を複数で行うことを意味しています。「一人でやれることを複数人でやるのは無駄ではないか」と思いがちですが、これまで生じていたいくつかの労働問題がワークシェアリングによって解決されるともいわれているのです。
ワークシェアリングが生まれた背景
ワークシェアリングが導入された要因としては、「長時間労働の解消」と「新規雇用の創出」の2点があげられます。すなわち、仕事を分担することで労働時間の短縮が可能となり、新たな雇用も提供できる、これがワークシェアリングの意義なのです。
ワークシェアリングの英語は『work sharing』
ワークシェアリングは英語で『work sharing』と表記し、日本語で使われる意味とほぼ同じです。
■ワークシェアリング
■仕事の分かち合い
■仕事の分担共有施策
たとえば、以下のように使います。
My company will introduce a work sharing system next year.
私の会社は来年ワークシェアリングを導入します。
新人
上司
ワークシェアリングとジョブシェアリングの違い
ワークシェアリングと混同されがちな言葉にジョブシェアリングがあります。ジョブシェアリングは、これまで一人のフルタイム勤務者がこなしていた職務を二人一組で担当するという労働形態を指す言葉です。
つまり、ジョブシェアリングはワークシェアリングの一つの形態で、ワークシェアリングはジョブシェアリングを含む大きな労働分担概念を示す言葉なのです。
ワークシェアリングの使い方・例文
ワークシェアリングの正しい用法を以下の例文で理解しましょう。
例文1
新人
上司
例文2
上司
ワークシェアリングのメリットとデメリット
ワークシェアリングによって、今まで一人にかかっていた負担を複数に分散できるので、労働者の負担が軽減でき、プライベートな時間を有効に使えるようになります。さらに新規雇用も作り出せるため失業問題の解決にもつながるというメリットがあります。
しかしその反面、労働者にとっては賃金が減少することにつながり、雇用側にとっては新規雇用による人件費の増加というデメリットも生じかねません。
ワークシェアリング普及への政府の取り組み
各企業のワークシェアリング促進のため、次のような厚生労働省の助成金制度が利用できます。
1.雇用調整助成金・・・雇用調整を余儀なくされた企業への人件費助成
2.労働移動支援助成金・・・解雇などで離職した労働者を雇用する企業に支給
3.人材開発支援助成金・・・労働者の職業訓練実施にかかる費用の助成
新人
[おまけ]外国におけるワークシェアリングの実態
欧米の先進諸国では、数十年前からワークシェアリングが積極的に採用されてきました。
たとえば英国では公務員の職務をワークシェアリングに切り替えることからスタートし、その結果として労働時間の短縮と女性の社会進出を促進する効果を生んでいます。また米国では一般職だけでなく管理職のワークシェアリングも積極的に採用する企業が増えてきています。
ワークシェアリングで真の働き方改革を!
日本のワークシェアリングは、「働き方改革」という号令のもとに、政府の肝いりで始まりました。しかし、かけ声倒れにならないよう、真の働き方改革を実現するためには、労働側と雇用側がワークシェアリングによって協力し合う「労使協調」の精神が大切です。
ワークシェアリングが企業の雇用調整の手段で終わることなく、働く側がメリットを享受できるよう、より有効に機能することが期待されます。そのためにも、ワークシェアリングのメリットとデメリットを深く理解し、それぞれの企業に適した人事・雇用システムを構築していくことが重要なのです。
新人