経理への転職は未経験でもできる?実務経験のない人が考えるべき対策

転職は未経験の人にはハードルが高い印象です。専門性の高い職業になればなるほど、その傾向は強く感じられ、事務系でも専門性が高い経理職は未経験で転職するのは大変そうです。今回は、それでも未経験から経理職を始めてみたいという人のために転職準備のやり方やポイントを紹介します。

未経験でも経理に転職できる?

経理職は帳簿や決算書、給料計算など、一般事務とは少し違った事務職です。仕事には専門の知識も必要であり、事務職の中でも難しそうな印象を受けるかも知れません。しかし、経理はスキルアップやキャリアアップなど、魅力もあるため、人気が高い仕事でもあります。そんな経理職にあこがれてやってみたいと思っても、未経験では難しいのでしょうか?

今までの社会人スキルが活かせる

経理には特別な知識も必要ですが、未経験だからと言ってできない仕事ではありません。できることからステップアップしていけば良い話であり、以前に社会人経験があるならば、その経験で得た基本的なビジネスマナーなどのスキルを活かすこともできます。

今までのパソコンスキルが活かせる

経理職は帳簿や計算が基本となりますが、近年ではそれらの作業はPCで行われることが多いものです。そのため、経理の経験がなくても、パソコン経験が豊かで、高いスキルを持っている人は経理職として優遇されることがあります。

経理に向いている人とは

笑顔の女性

経理職は、その内容から性格やスキルの傾向によって向き不向きが分かれます。経理に向いている人とは、どのような人なのでしょうか?

責任感が強く冷静

経理は1円単位で計算をし、常にミスが許されない職場です。作業を同じ部署の仲間と分担して行うため、自分の担当する部分で失敗をすると多くの人に迷惑をかけることもあります。そのため、経理は自分の仕事を全うする責任感と常にミスをしない冷静さが求められます。

また、経理部は会社のお金を扱い、経営に近いことで機密事項に触れることもある部署です。そのため、他部署の人となれ合いにならずクールに一線を引いて付き合うことも必要となります。

集中力がある

経理は、細かい計算と毎日同じことを繰り返すルーティン業務が多いものです。また、その処理すべきデータは莫大になることもあります。そのため、どれだけ気を散らさずに集中して毎日の業務に取り組めるかどうかも重視されます。

コミュニケーションスキルが高い

経理はコツコツと地道な作業をする部署、と思われがちですが、意外と他部署や社外の人との関わりも多いものです。そのため、コミュニケーションスキルやマナーなども身についていることが大切になります。

他部署に煙たがれるような指摘やお願いをすることも多く、会議に出て意見を述べたり、上層部と接することもあるでしょう。そのため、単にコミュニケーションが取れるだけでなく、人当たりの良さや度胸も必要となるかも知れません。

未経験の人でもわかる経理職の仕事内容

経理職にあこがれを持っていて、「やってみたい」と思っている人は、基本的な経理の仕事内容や流れを理解しておきましょう。業務内容が分かれば、自分の向き不向きをより判断しやすくなりますし、努力の方向性も見えてきます。

日々の業務

経理で毎日、もしくは高い頻度で行われる仕事には仕訳や経費精算、入出金管理などがあります。支払ったお金と入金されたお金を記録して、管理する仕事です。最初に新人が受け持つ仕事内容となります。

毎月の業務

日常業務に慣れてきたら、その次のステップに移れるかも知れません。仕訳などの日常業務よりやや難易度が高く、頻度は月に一度となる仕事内容としては月次決算、給料計算、支払い業務などがあります。毎日のお金の動きの記録を月ごとに集計する仕事と従業員や取引先へお金を支払う業務です。取引先への支払いは、相手や自社の決まりによって毎月ではないこともあります。

年次の業務・その他

経理では毎年一回しかない業務もあります。決算業務や年末調整、税務などの業務がそれにあたります。これらの仕事は社内だけでなく社外へ出す資料になったり、社外の人や組織が関わったりとミスが許されない仕事です。また、ある程度経理の経験や知識が必要となります。そのため、これらの業務は未経験の初心者がすぐに受け持つことはありません。

未経験の人にも知ってほしい経理のやりがい

ジャンプするビジネスマン

経理の仕事内容をチェックしたところで、そのやりがいにも触れてみたいと思います。経理は仕事内容も充実しており、それだけでやりがいを感じますが、それ以外にも面白みや魅力がある仕事です。

会社に貢献している実感が得やすい

経理職は、会社のお金を扱う仕事で重要なポジションです。小さな仕事やコツコツ行う地味な仕事も多いのですが、経営に関わる内容に触れることができ、会社に貢献していると感じられます。また、徐々にキャリアアップするうちに、経営陣から意見を求められるなど、貢献している実感も貢献度も高くなっていきます。

事務でもキャリアが積みやすい

キャリアや収入アップが難しいことの多い事務職の中で、経理職はャリアアップもでき、成長を感じやすい仕事です。単純作業の多い新人時代は収入はあまりアップしませんが、キャリアを積むうちに会社になくてはならない存在となり、収入も上がっていきます。

経営に近く会社全体の動きが分かる

経理職は、会社のお金の動きを見ることで会社経営が見えやすい仕事です。さらに業務の幅を広げていくうちに、資金計画や予算の立案など、会社経営の一端を担う業務を行えるチャンスも出てきます。

未経験でもできる経理職への転職準備

専門性が高い経理ですが、未経験でも上手に準備をすれば転職も可能です。持っている能力は全て活用し、新たに必要なことは積極的に進めていきましょう。

経理に関係したスキルを探す

経理未経験でも、意外と経理に似た、もしくは関係した仕事内容を行っていることがあります。請求書発行やPC操作、電話対応などの業務内容は、一般事務でも営業でも経験していることが多いものです。また、営業成績や勤怠・残業管理などを数字、利益の面から考えられるといったスキルも経理に関係してきます。

コミュニケーションに強くなる

経理には意外とコミュニケーションスキルも大切です。未経験でも営業で外回りをしていたり、事務で得意先との連絡をしていたりといった経験は役立ちます。コミュニケーションが苦手という人も、意識的に対人のチャンスを生かしてコミュニケーションスキルを磨きましょう。

資格取得を目指す

経理職に就くなら、未経験でも簿記やPC関係の資格が役立ちます。経験がない分、資格を持つことで知識はあることを証明できます。

日商簿記

日商簿記は商工会議所の簿記検定です。全商簿記や全経簿記もありますが、最もメジャーで評価を受けやすいのが日商簿記となります。未経験者でも転職希望であればせめて3級以上を、できれば2級の取得が望ましいでしょう。

 

MEMO
日商簿記はレベルが高いと言われますが、3級までなら意外と独学での取得も難しくありません。

MOS検定

MOS検定は、Microsoftオフィスソフトの技能を問う検定です。ワードやエクセル、アクセスなどのソフトごとに受けられ、事務職を中心に幅広い職種に役立つPCの知識を証明できます。

経理ではエクセルの表計算を中心に、文書作成のためにワード、他人と差をつけるためにアクセスといった流れで取得すると良さそうです。アクセスが使えるとエクセルから一歩進んだデータ管理ができるデータベースも作れるようになります。

 

MEMO
独学で学ぶなら、テキストと問題集がセットになった「よくわかるマスター」シリーズはおすすめです。それぞれ自分が学びたいソフトごとに選んで購入できます。

 

余裕がある人はアクセスもチェックを。

未経験で経理に転職するための年齢別・男女別対策

指さす若い社会人

経理を目指す人の属性ごとの転職活動の対策を立ててみましょう。年齢や性別に応じて違う対策が必要となることもあります。より具体的に対策を始めたい人は要チェックです。

20代の場合

若さ溢れる20代の転職では、ポテンシャル重視の求人を探してみましょう。面接ではやる気と社会人経験、コミュニケーションスキルをアピールします。経験は浅いものの、将来性を見越して柔軟に変化できる20代を欲しがる企業は多いものです。

30代の場合

そこそこの社会人経験とスキルもある30代は、これまでの社会人スキルと業務内容で得たスキルを経理に結びつけてアピールします。数字や経営に意識があることを示すことで「未経験でも経理職に向いている」「経営の目線で仕事ができる」と思われることが大切です。

男性の場合

男性が経理職で活躍できるのは、比較的大きな規模の会社です。外資系などもキャリアアップのチャンスが多く、ねらい目です。「男性が多い職場」「将来的に責任者」「業務の領域を広げていける」などをアピールしている求人なら、男性が出世を目指せるチャンスも期待できそうです。

女性の場合

女性が経理で活躍するなら、中小企業の経理事務がねらい目です。小さい規模の会社は女性の採用が多い傾向があります。「経理アシスタント」「女性活躍中」と書かれた求は女性を採用したい企業の意図が感じられるため、要チェックです。

未経験でもうまく行く自己PR例

未経験で経理を目指す場合、面接でうまく自己アピールできないことがあります。他の職種から転職する場合の自己PR例をケースごとにチェックしておきましょう。

営業・販売系から転職するケース

「前職では、利益率を考え、原価や必要経費なども意識した売り上げ目標の達成を目指していました。また、業務を通して他部門との連携や顧客との交渉などを数多く経験することもできました。
こうした経験から、利益率や収支を考える重要性を知り、もっと会社全体の利益や経営に関わりたいと思うようになり、経理を志望しました。他部門や顧客との関係づくりの経験も生かして、御社に貢献したいと考えております。」

ポイント

  • 数字を意識した姿勢をアピール
  • コミュニケーションの経験値の高さをアピール

事務系から転職するケース

「前職ではバックオフィス業務を担当しておりました。経営幹部や経理部門ともやりとりする機会に恵まれ、数字を正確に読み解くことや関係部署との連絡や連携を大切に業務に当たってきました。自然と数字意識が身につき、経理職に魅力を感じるようになったため、資格取得を機会に応募いたしました。御社ではこれまで培ってきたコミュニケーションスキルやPCスキルも生かして業務に当たりたいと思っています。」

ポイント

  • 資格取得でやる気アピール
  • コミュニケーションスキルをアピール
  • PCスキルも事務職ならではのポイント

未経験から経理に転職するときの注意点

未経験で経理に転職する際は、あらかじめ様々な点を調べて「こんなはずでは」とならないようにすべきです。前もって注意深くチェックしておきたい点を紹介します。

企業規模と経理の仕事内容の違い

経理職は、企業の規模によって仕事内容が全く違うことがあります。大企業の経理は多くの場合、チームプレイとなります。協力して働く喜びや大きな金額の動く仕事に関わる充実感を味わえるでしょう。ただし、個々の受け持つ仕事の範囲が狭くなりがちです。また、異動が少なく、新しい仕事を覚えるチャンスも少なくなります。そのため、ルーティン業務ばかりで単調な毎日をつまらないと思うことやスキルアップができない不満を持つ可能性もあります。

一方、中小企業では少ない人数で経理を担当するため、総合的な力が付きやすく、外部との交渉などの仕事も比較的早く回ってきやすくなります。ただし、仕事の規模は小さく、雑務を平行して行わなければいけないこともあり、時期によっては残業が避けられないこともあります。

  • 大企業は仕事の範囲が狭く、スキルアップが難しいこともある
  • 中小企業は仕事の規模が狭く、雑務や残業が多いこともある

経理の平均収入

経理の平均年収は20代で300万円台後半、30代では500万円台に乗る傾向です。男女の差は若い年代では少なく年齢が上がるにつれて開きますが、それでも差が少なく性別に限らず成長と充実を感じられそうです。

基本的には若い世代では収入は低めで、年齢とキャリアが上がっていき、管理職級になると急激なアップも期待できます。

  • 若い世代での年収は低め
  • 管理職になると収入アップのチャンスも

未経験からの転職に強い転職サービスを探す

未経験から経理を始めたい場合には、転職サポートサービスも活用しましょう。専門性の高い仕事を探すには、転職サイトも専門性高めのところが適しています。

未経験者募集を探す

経理は資格も経験もあった方が有利になりそうですが、意外と未経験者の募集も多いものです。特に若い世代ではポテンシャル採用枠を積極的に探しましょう。

仕事内容を検討する

経理といっても、仕訳や経費計算、請求書作成といった日常業務の範囲なら未経験でもチャレンジ可能な場合も多くなります。未経験から始めたいなら、「経理補助」や「経理アシスタント」といった表記にも注目してみましょう。これらは経理部や経理課に所属しながらも比較的簡単な業務を受け持つことが多い求人ですが、経験を積めば、その部内で仕事の幅を広げることもできます。

未経験でも経理職への転職で成功できる

次のステップ

経理職は経験の有無を問わず、未経験からの転職でも十分に入社してキャリアを積んでいくことができます。知らない世界に飛び込むため、事前の準備と調査はしっかり行うことは必要ですが、意外と多くの企業が未経験者にも広く門戸を開いているようです。

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