ドメスティックには2つの意味がある!
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ここの新人くんのように、ドメスティックを『家庭内の』と理解している人もいるかもしれません。しかし、本来は2つの意味があり、ビジネスシーンでもよく使う言葉なんです。これを機に2つの意味をしっかり覚えていってください。
ドメスティックとは?
ドメスティックは英語では『domestic』と書き、こんなにたくさんの意味をもった単語です。
■家庭の
■家庭的な
■所帯じみた
■家事奉公人
■飼いならされた
■国内の
■国内産の
■国内線 など
それではカタカナ語としてはどのような意味でドメスティックは使われているのでしょうか。
ドメスティックの意味
日本においてドメスティックは主に『家庭的な、家庭の』と『国内の、国政の』の2つの意味合いで使われます。実際の使い方は後述するとして、まずはどんな状況で使うのかをそれぞれ見てみましょう。
①:家庭的な、家庭の
ドメスティックバイオレンスという有名な言葉があるので、ドメスティックといえば『家庭的な』『家庭の』の意味を思い浮かべる人は多いでしょう。こちらの意味は、主に家庭内で起こっているさまを表現する際に使います。
②:国内の、国政の
国内で起こっていることや生じていることを表現する際にもドメスティックを使います。ビジネスシーンでは、特に航空業界やファッション業界で多く登場する言葉です。
ドメスティックの使い方・例文
ドメスティックの意味がはっきりわかったところで、実際の会話ではどのように使うのか、例文を使って紹介しておきます。それではまず、『家庭的な、家庭の』という意味合いの会話から。
先輩
次に『国内の、国政の』の会話です。
ドメスティックの対義語
ドメスティックには2種類の意味がありますが、対義語となるとそれぞれ違う言葉があてはまります。
ただ、英語では『飼いならされた』の意味もあるため、『野生の』の意味をもつ『wild(ワイルド)』も対義語とされています。
ドメスティックの関連用語
ドメスティックには『ドメスティック〇〇』といったように、関連用語がたくさん存在します。ビジネス、航空関連、一般家庭など分野もいろいろ。ここではどんな会話になっても上手に使いこなせるよう、分野ごとのドメスティックについてまとめました。
①:ビジネスに関する用語
これを読んでいる人の中で一番多い分野かもしれませんね。代表的な言葉をピックアップしましたのでしっかり覚えておきましょう。
ドメスティック企業
今は、海外への輸出も考慮して製品を作っている企業も多いですよね。しかし、数ある中で、日本人による消費のことだけを考えた、国内需要前提で運営している企業のことをドメスティック企業といいます。
ドメスティックブランド
使い方のところでも登場した言葉ですね。国内で発祥したブランド、特に日本人がデザイナーになっているブランドを指してドメスティックブランドといいます。
ドメスティックプロダクツ
プロダクツ(products)は、製品を意味する『プロダクト(product)』の複数形。ドメスティックが頭につくことで、『国内生産品』になります。
②:学問・教育に関する用語
教育分野にもドメスティックは存在します。一番有名なのは『ドメスティックサイエンス』でしょう。
ドメスティックサイエンス
『ドメスティック』+『サイエンス』の2つから成る熟語です。サイエンスは『自然科学』を意味する言葉ですが、ドメスティックと合わせることで『家政学』になります。
家政学とは、衣食住を中心とした家庭生活全般について考え、研究し、暮らしをより良くするための学問をいいます。
③:航空・旅行業界の用語
ドメスティック単体でも『国内線』の意味で使われます。しかし、航空・旅行業界では『ドメスティックエアライン』も頻繁に使われる言葉です。
ドメスティックエアライン
エアラインは『航空会社』を意味し、ドメスティックと一緒になることで『国内航空』を指す言葉になります。
また、日本エアシステム(JAS)の前身は東亜国内航空とし、英語では『Toa Domestic Airlines(TDA)』でした。年配の人に「航空関連のドメスティックとは?」と聞くと、もしかしたら東亜国内航空の名前がでてくるかもしれませんね。
④:家庭生活に関する用語
家庭で使われるドメスティックは、ドメスティックバイオレンス(DV)が一番耳にする言葉でしょう。しかし、ほかにも頻繁に登場する言葉があるんです。
ドメスティックパートナー
家庭内のパートナー。日本では、結婚して一緒に暮らしている男女、つまり『夫』もしくは『妻』を指します。
しかし、同姓や異性にかかわらず、同棲生活をしている人を指す言葉としても使われており、同姓での婚姻者が多いアメリカでは珍しくない形態です。
ドメスティックハラスメント
セクシャルハラスメント、モラルハラスメントはよく耳にする言葉ですよね?この『ハラスメント』は『いやがらせ』を意味する言葉です。それにドメスティックがつくと『家庭内のいやがらせ』となります。しかし、ドメスティックハラスメントの言葉自体はあまり使われていないようです。
ドメスティックバイオレンス
ドメスティックといえばドメスティックバイオレンスが頭に浮かぶ人が多いですよね?バイオレンス(violence)には、『激しさ、暴力』といった意味があり、ドメスティックバイオレンスは『家庭内暴力』と訳されます。
しかし、家庭内暴力といえば、子どもが親に対する暴力がありますよね?そのため、夫婦間の暴力のことを『ドメスティックバイオレンス』、夫婦間以外の家庭内暴力を『ファミリーバイオレンス』と区別しています。
ドメスティックの意味は勘違いしないように!
『ドメスティック=ドメスティックバイオレンス=暴力』と思っている人は多いはず。これまでの項目でも伝えてきましたが、ドメスティックとは『暴力』を指す言葉ではなく、『家庭内の』『国内の』を表す言葉です。ドメスティック=暴力ではないので、くれぐれも勘違いして覚えないようにしましょう。
ドメスティックの本質的な定義を知っておこう!
この記事を読むまではドメスティックを意味がはっきりわからなかった人も、きっといまはしっかり理解できたはず。身近なところでも使われやすい言葉ですので、これからは上手に使ってください。