アソシエーションとは「協会」や「団体」のこと
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このように、一つの分野の言葉に詳しい人の場合、たくさんの意味をもつ言葉の中で一つの意味しか理解していない場合があります。
また、アソシエーションは『団体』を表す言葉ではありますが、世の中に存在している組織や団体すべてがアソシエーションになるわけではありません。それではどのようなものがアソシエーションに該当するのでしょうか?言葉そのものの意味もあわせて、順番に確認していきましょう。
アソシエーションの意味をチェック
よく耳にはするけど「どんな意味なんだろう?」と思っている人は多いのではないでしょうか。そこでまずは、英語の意味、カタカナ語での意味をはっきりさせたいと思います。
アソシエーションの英語は「association」
アソシエーションは英語で『association』と表記します。もとの言葉として『associate』があり、次のような意味をもっています。
■連携する
■仲間になる
■仲間
■同僚 など
この言葉が派生して『association』となり、『協会』『組合』『連合』など、団体を表す言葉となります。
もとの言葉のassociate(アソシエイト)についても以下の記事で詳しく解説しているので、そちらもぜひ目をとおしてみてください。
アソシエイトとはどんな意味?企業の役職・弁護士・WEB広告関係の使い方をわかりやすくガイドカタカナ語のアソシエーション
カタカナ語としてのアソシエーションは、主に共通の関心や目的をもって集まった団体でを表す言葉として使われます。特に、組合や協会などの団体名をカタカナで表記する際に用いられることが多いです。
そのほか、IT業界でも別の意味でアソシエーションが使われますが、これについてはもう少しあとの項目で解説しますね。
オーガニゼーションとの違い
オーガニゼーションには『組織』『組織体』『機関』という意味があり、一つの団体を表すアソシエーションと大きな違いはありません。
そのため、ある一つの目的に向かうために構成された組織のことをオーガニゼーション、同じ目的をもつ人が集まって、組織全体を構成している団体をアソシエーションと解釈すれば簡単かもしれません。
アソシエーションの例って?
ビジネスシーンだけでなく、身近なところにもアソシエーションはあるものです。ここでは実際にどんなアソシエーションがあるのかを見てみることにしましょう。
身近なアソシエーション
私たちは日本という国のいずれかの都道府県に住んでいます。そして、その中に市町村がありますよね。そしてさらに、市町村の中には町内会などの地域団体が存在します。このような、生活をしていくうえで自然発生的に生まれた集まりをコミュニティといいます。
そして、各地域の中には学校、会社、協同組合、協会、政府などの組織があります。このような団体は、ある共通の目的をもって集まっており、これがアソシエーションにあたります。身近なところでは、趣味のサークルもアソシエーションになりますね。
また、大きな団体のように感じるかもしれませんが、日本の中にある『国家』も一つのアソシエーションであるといえます。
Japan football association
サッカーが好きな人なら『JFA』という言葉には馴染みがありますよね?これは、実はJapan football association(ジャパンフットボールアソシエーション)の頭文字をとった略語なんです。
JFAを日本語でいうと、『公益社団法人日本サッカー協会』です。この団体は、日本のサッカー界を統括する団体であり、サッカー選手の育成、指導者の育成、審判員の育成のほか、競技会の開催などの事業を行っています。
アソシエーションを略すことも!
アソシエーションは英語で『association』と表記するので、外資系企業などでは『assoc.』と略すことがあります。
そのほか、外資系の銀行では『National Association』の略語である『N.A』が使われることも多いです。また、アメリカの銀行で有名な『バンク・オブ・アメリカ』は『Bank of America, NT & SA』と表記し、NT&SAの部分はNational Trust and Savings Associationの略語です。
学校でのPTAも実はアソシエーションだった?!
学校で生徒の保護者が対象で組織される団体のPTA、もう私たちの中でも『PTA』という独立した言葉として使っていますよね。実は、このPTAの正式名称は『Parent Teacher Association』といい、アソシエーションの一つだったんです。
Parentは『親』、Teacherは『先生』なので、親と先生が集まる団体ということになりますね。
IT業界のアソシエーション
社会の中でのアソシエーションは団体を意味する場合が多いですが、IT業界ではまた違った意味合いで使われます。それぞれの状況で正しく理解するためにもしっかり覚えておきましょう。
「接続」や「関連付け」の意味
インターネットを利用するためにはネットワークを接続しなければなりません。その方法として、有線ケーブルを利用する方法と、無線LANを利用する方法がありますよね。
そして、無線LANを利用する際にはアクセスポイントと利用者の端末を関連付けなければなりません。その、関連付けの操作をしてデータ通信を開始するまでの流れのことをアソシエーションといいます。
Railsのアソシエーション
Railsの正式名称は『Ruby on Rails』といい、大人気のフレームワーク*のことを指しています。
パソコンやスマホのアプリ、パソコンで使うブラウザなどをWebアプリケーションといい、効率よくアプリケーション開発をするためにフレームワークを利用するのが一般的です。
Railsでは2つのActive Record**モデル同士を関連付けを行い、コード内で行われる操作を簡単にすることができます。この関連付けのことをアソシエーションと呼んでいます。
(フレームワーク*:システム開発を効率化する機能の集まりのこと。基本的なソフトウェアの土台がすでにできているため、少ないコードでシステムデザインを作ることができる。)
(Active Record**:プログラミング作業の中で、ビジネス機能を実行するアプリケーションで頻繁にみられるデザインパターンのこと。)
アソシエーション分析
消費者が商品を購入するときの購入パターンや売買の履歴を分析し、複数の相互関係を明らかにするデータ分析の手法のことを指します。
たとえば、商品A、商品Bの売れ行きを分析し、同時に購入されている割合を出して関連性を抽出することで、今後の販売方法や製造計画に役立てることができます。
ビジネス版!アソシエーションの使い方・例文
世の中にはさまざまなアソシエーションがあるということを紹介してきましたが、ビジネスの会話の中ではどのような形で登場するのでしょうか。わかりやすいようにいくつか例文をあげてみました。
[番外編]弁護士のアソシエーションって?
弁護士の世界には、アソシエーションのもととなっている言葉のアソシエイトが使われた『アソシエイト弁護士』という肩書があります。
アソシエイトには、『仲間』の意味がありますが、『準』という意味があり、アソシエイト弁護士は、主体となって活動している弁護士の補佐役の弁護士のことを指します。
また、法律事務所は、『法で人を守る』という目的をもった団体なので、一つのアソシエーションであるといってもいいでしょう。
アソシエーションと聞いてイメージが持てるように!
この記事の中で紹介したように、ITでは関連付けや接続などの意味が、地域においては組織や団体を指すことが多いです。
そのほかにも、心理学においては『連想』を、天文学では散開星団(散らばる星の集まり)を指してアソシエーションということもあります。
組織名や団体名に使われることが多く、たくさんの意味があるアソシエーションですが、状況に応じて何を表しているのかをきちんとイメージできるようになってください。