謙虚は「素直で控えめ」!
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「謙虚(けんきょ)は美徳」「日本人は謙虚だ」などとよくいわれます。また営業マンや顧客サポートなどの職業では「顧客に対しては謙虚に」と上司から口酸っぱくいわれているかもしれません。“謙虚”は「素直で控えめ」という意味。今回は“謙虚”について詳しく解説していきます。
謙虚の意味
“謙虚”の意味をもう少し詳しく見ていきましょう。“謙虚”は、「自慢したり偉そうにしたりすることなく、人の話や意見に素直に耳を傾ける」こと。“謙虚”の「謙」は「へりくだる」、「虚」は「空っぽ」という意味があります。漢字からは「余計なことを考えずにへりくだる」と読み取ることができますね。
卑屈との違い
冒頭の会話でもありましたが、“謙虚”と「卑屈(ひくつ)」は混同しやすい言葉。なんとなく違うと思っていても、違いを説明できない人は多いはず。これを機会に“謙虚”と「卑屈」の意味を知っておきましょう。
「卑屈」は自分を必要以上に卑下する(ひげする、さげすむ)言動をすること。“謙虚”が相手を尊重して控えめな態度を取るのに対して、「卑屈」は相手に対する敬意はありません。
「おやっ?」と思うかもしれませんが、「卑屈」はその人のネガティブ思考からきています。実際に相手に「卑屈」になられても面倒くさいだけで、尊重されているとは思いませんよね。
例えば、自分が専門とする分野で、専門外の人たちも交えた会議が行われるとします。そこで専門外の人の意見にもよく耳を傾けるのは“謙虚”な態度。一方、「専門とはいえ、結果を出せてないダメな自分ですから」といって自分をおとしめる発言をするのは「卑屈」といえます。
謙虚の類語
“謙虚”の類語についても見ていきましょう。
・能ある鷹は爪を隠す
謙遜
「謙遜(けんそん)」にも“謙虚”と同じく「へりくだる」を意味する「謙」の字が含まれています。「謙遜」は褒められたときや相手と比べられたときなどに、自分を下にして相手を立てること。
「卑屈」と同じと思うかもしれませんが、「謙遜」は相手や周りを敬う気持ちから自分を下にする言動です。ネガティブさからくる「卑屈」とは異なります。
能ある鷹は爪を隠す
優れた(能ある)鷹(タカ)は獲物に悟られないように武器になる爪を隠すことから転じて、優れた人は才能や能力を軽々しく見せつけることはしないという意味。“謙虚”な態度を奨励(しょうれい、おすすめ)する言葉といえますね。
謙虚の反対語
謙虚の反対の意味を持つ言葉についてもご紹介。
・横柄
傲慢
「傲慢(ごうまん)」は偉そうにして、他人を見下すこと。
横柄
「横柄(おうへい)」も「傲慢」と同じような意味がありますが、「横柄」は言動や態度に焦点が当たっています。「傲慢」は性格や考え方などについての言葉。
謙虚の英語表現
“謙虚”は英語ではどのように表現されるのでしょうか。「humble」または「modest」がおすすめ。どちらも“謙虚”を表す言葉で「humble」は内面、「modest」は態度や言動について使います。用途に応じて使い分けましょう。「He is a humble/modest person(彼は謙虚な人だ)」。
謙虚の使い方
“謙虚”についてわかったところで、具体的な使い方を例文を使って見ていきましょう。
謙虚でいこう
誤解しがちですが、“謙虚”は消極的になることではありません。もちろん、必要以上に自分を卑下することでもありません。“謙虚”は「素直で控えめ」なこと。相手や周りをうやまい、どんな意見や話にも耳を傾けて成長していける人が“謙虚”な人。
「能ある鷹は爪を隠す」というように必要以上に出しゃばったり、自慢したりするのは「能ある鷹」といえません。目上の人に“謙虚”でいるのはもちろん、後輩や専門外の人に対しても「傲慢」や「横柄」にならずに“謙虚”でいてこそ「能ある鷹」です。