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アサーティブとはどんな意味?仕事で役立つ会話例やトレーニングのヒントを徹底解説

アサーティブとは自分と相手を尊重した自己主張

新人

部長から仕事のミスを注意されたんです。でも、部長は自分も悪かったっていうんです。僕は部長に申し訳なくて・・・どうしたらいいんでしょうか?
もうミスしないように頑張ればいいじゃない。(部長はアサーティブの達人ね。響いてる、響いてる・・・)

先輩

新人

よし!挽回できるように今日からバリバリ頑張るぞぉ~
「アサーティブ」は自分と相手を尊重した自己主張のこと。「アサーティブ」を駆使して人間関係に波風を立てずに、自分の言いたいことを相手に伝えられたら便利ですよね。

「アサーティブ」について詳しくみてみましょう。

アサーティブの意味をチェック

「アサーティブ」はビジネスマンならぜひ身につけておきたいコミュニケーション術のひとつです。まずは「アサーティブ」の意味をしっかり確認しましょう。

英語のアサーティブ(assertive)

「アサーティブ」は英語で書くと「assertive」となります。「assertive」には次のような意味があります。

assertive
断言的な、言い張る、自己主張の強い、独断的な、断定的な など

上司

強い意味が多いね。カタカナ語の「アサーティブ」にどうつながるのかみてみよう。

カタカナ語のアサーティブ

カタカナ語の「アサーティブ」は「assertive」の意味そのままに、単なる自己主張という意味で使われることもあります。しかし、多くの場合、特にビジネス用語として使われるときには「相手をリスペクトしながら自分の主張も伝える」アサーティブコミュニケーションの意味になります。

アサーティブコミュニケーションのポイントと会話例

「アサーティブコミュニケーション」のポイントを確認してみましょう。ちょっとしたポイントを抑えるだけで、相手の印象が大きく変わってきますよ。

アサーティブを実践するためのポイント

次のようなポイントを抑えた話し方をすると、言われた相手が嫌な気分にならず、あなたの主張を受け入れやすくなります。

ポイント①
主張は率直に伝える:主張はちゃんと言わないと相手に言いたいことが伝わらない。「私」を主語にした「Iメッセージ」で主張するのがおすすめ
ポイント②
へりくだる、攻撃的ないい方・態度は避ける:へりくだると相手に自分の真意は伝わらない。攻撃的になれば相手が嫌な気分になってあなたの主張を拒否したくなる
ポイント③
相手の主張を受け止め・認めるひと言をプラス:相手の主張も尊重することで、相手はあなたから全否定されているとは感じなくなる

先輩

場合によっては代替案を提案するのも効果的よ。
僕は取引先から無理な頼みごとをされそうになったときとかに、代替案を使って無理を回避するよ。

上司

仕事で使えるアサーティブな会話例

仕事で使えるアサーティブな会話の実践例を部長から教えてもらいましょう。シチュエーションをイメージしながら読んでみてください。

例1:下請け業者と取引先のやりとり

取引先:「下請け業者さん。この前発注した商品200個の納期、1ヶ月前倒しにしてもらえないかな?早く納品するようにお客さんから急かされてるんだ」

上司

すみません。いま工場の仕事が立て込んでる時期なので1ヶ月前倒しは厳しいです。

でも、100個なら1ヶ月前倒しの納期でもなんとか間に合わせられます。残り100個は生産をなるべく早めて完成した商品から順次納品するので、それでなんとかお客様と交渉していただけませんか?」

取引先:「残り100個はどのくらいで納品できそうかな?」

上司

即答はちょっと難しいので、工場と調整して今日中に納期の連絡をさせてもらいます。

例2:上司と部下のやりとり

新人

すみません。頼まれたAとBの仕事が締め切りに間に合いそうにありません。
後輩君は責任感が強くて仕事に一生懸命だから任せたんだが、ちょっと頼みすぎたみたいだね。すまない。AとBはそれぞれどこまで進んでいるんだい?

上司

新人

Aだけなら明日中にはなんとか終わらせられますが、Bはまだ手をつけられていません。
わかった。じゃあBは先輩君に任せることにするから、新人君はAをしっかり明日までに終わらせてくれ。それと、次からは間に合わないと思ったらもっと早く報告するように気をつけて。早く報告をもらえれば、僕の方で仕事の配分を調整できるからね

上司

例3:仕事仲間とのやりとり

同僚:「今度の休日出勤当番代わってもらえないかな?急用ができてしまったんだ。」

上司

代わってやりたい気持ちは山々なんだが、すまない。僕もその日娘の保育園行事があるから出勤できないんだ。

[豆知識]NGなコミュニケーション方法

自分の主張を相手に受け入れてもらいやすくなる「アサーティブコミュニケーション」とは逆に、自分が損をしてしまうコミュニケーションもあります。NGコミュニケーションについても確認してみましょう。

ノンアサーティブコミュニケーション
自分の気持ちをはっきり主張しない・できないコミュニケーション方法。相手に気をつかいすぎて、自分のキャパシティーを超えるような相手の要求でも受け入れたり、あいまいな返事で相手を誤解させたりしてしまうことがあります。自分の気持ちを押し殺すと、自分がどんどんストレスをため込むことにもなります。
アグレッシブコミュニケーション
過度な自己主張で、自分の意見を無理やりにでも押しとおそうとするコミュニケーション方法。相手の主張をないがしろにして威圧的な態度をとったり、筋のとおらない主張をしてしまうことも。そのとき、そのときは自分の主張を押しとおせたとしても、周囲から煙たがられて良好な人間関係を築けなくなってしまいます。

アサーティブ・トレーニングを実践するためのヒント

アサーティブコミュニケーションは人間関係を円滑にし、ビジネスをスムーズに進めてくれる役立つ技術です。ビジネスだけでなく、プライベートの人間関係にも役立ちます

アサーティブコミュニケーションを学ぶことができる、アサーティブ・トレーニングについてみてみましょう。

上司

アサーティブ・トレーニングは、アサーショントレーニングと呼ばれることの方が多いよ。

アサーティブに関する本を読む

本を読むのは勉強方法の鉄板ですよね。アサーティブを勉強できる本もたくさん出版されています。

平木典子「アサーション入門」

アサーションの第一人者が、初心者にもわかりやすいように教えてくれる入門書です。アサーションを学ぶことで、人との関わり方を前向きなものに変えていくことができます。

平木典子「マンガでやさしくわかるアサーション」

この本もアサーションの第一人者 平木典子さんの本です。主人公がアサーションの基礎を学んでいくストーリーマンガと、わかりやすい説明で構成されています。

森田汐生「心が軽くなる!気持ちのいい伝え方」

「感情を扱う方法」や「話の上手なまとめ方」のような実践的なスキル、「対等な人間関係をつくるためのヒント」、「自己表現する権利」など、コミュニケーションをスムーズに行うための秘訣がつまった本です。

「お願いするとき・断るとき」などよくあるシチュエーションを例にわかりやすく説明しています。

アサーティブに関する研修を受ける

講師から直接指導を受けられる研修に参加して、アサーティブを学ぶこともできます。eラーニングを利用し、自宅で学習できる研修もあります。

アサーティブの類語・関連語

アサーティブの類語・関連語についてもみてみましょう。気になる言葉がないか読んでみてください。

アサーティブ入試

「アサーティブ入試」は高校生に大学で学ぶ目的をみつけてもらい、学ぶ姿勢・意欲のある学生を入学させることを目的として行われる入試です。そのため、この方法での受験を希望する高校生は、事前に大学が実施するアサーティブプログラムに参加しなければなりません。

入試の合否はグループディスカッション、個別面接、基礎学力適性検査などで決められます。

アサーティブネス

「アサーティブネス」は相手と対等な立場で、自分の気持ちに率直に、かつ相手に誠実な態度でコミュニケーションをとる方法や考え方のこと。アサーティブやアサーションと同じ意味の言葉です。

人間関係が円滑になる!アサーティブを実践しよう!

アサーティブを意識したコミュニケーションは人間関係を円滑にしてくれます。相手と話す前に話し方の戦術を考える必要があるので、慣れるまでは少し大変かもしれませんが、それで話し合いがスムーズに進むのならば労力をかける価値がありますよね。

自分の気持ちを無理に押し殺すことがなくなるので、ストレスを減らすこともできます。ビジネスでもプライベートでも役に立つアサーティブに挑戦してみましょう!