界隈は「辺り一帯」だけど…
上司
新人
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“界隈”(かいわい)という言葉をご存知でしょうか。上記では2人が同じ“界隈”を使って話をしているのに微妙にかみ合っていませんよね。“界隈”には日本語として古くから使われてきた意味とネット用語として最近使われだした意味の2つがあるからです。
今回は「周辺」という意味の“界隈”の類語や英語表現からネット用語としての意味まで詳しく解説していきます。
界隈の意味
「新宿界隈」や「渋谷界隈」のように「地名+界隈」でよく見聞きする“界隈”は、その「辺り一帯」という意味を持つ言葉。町や区など一定の区切りで分類できるエリアに使用します。区である「新宿界隈」や「新宿3丁目界隈」など。基本的に広すぎるエリアに使うことはないようです。「東京界隈」や「北関東界隈」とはあまりいいません。
ちなみに「高輪(たかなわ)界隈」は2020年開業予定の山手線新駅予定地周辺にある住宅街。閑静(かんせい)な高級住宅街として知られるものの買い物にはちょっと不便という声もあります。新駅ができればアクセスもよくなり、またショッピングモール等もできて不便は解消されるはず。人気になりすぎて人が多くなりすぎるかもしれませんが…
界隈の類語
“界隈”の意味がわかったところで、“界隈”と似た意味の言葉もいくつか見ていきましょう。“界隈”は「周辺」、「近辺」、「付近」などと言い換えることができますが、会話の中で使用する際は特に気にせず、どれを使ってもいいでしょう。文書や公の場での発言の際に使用する場合は使い分けることがあるかも。
周辺
「周辺」は「周り」という字が使われているように、あるものの周りという意味。「上野周辺」や「浅草周辺」といった地名の他、「駅周辺」や「会社周辺」といったように地名以外のものにも使われます。“界隈”は「駅界隈」や「会社界隈」など地名以外ではあまり使いませんよね。また「彼の周辺」や「私の周辺」といったように人に対しても使用可能。
近辺
「近辺」には「近い」という字が入っていることから、あるものの近くという意味合いが強い言葉。歩いて行ける距離に使われることが多いようです。「周辺」と同じように「駅近辺」や「会社近辺」といったように地名以外のものにも使用することが可能。また、人に対しても「周辺」と同じように使うことができます。
付近
「付近」はある場所の近くという意味。「周辺」や「近辺」のように物や人には使うことはあまりないので、“界隈”ともっとも近い意味合いといえます。
英語では?
英語で“界隈”を表したい場合は「around」を使うといいでしょう。「around Shinjuku」であれば「新宿界隈」と訳することができます。
ネット用語では?
“界隈”は付近一帯というエリアを表す言葉ですが、「ジャニオタ(ジャニーズオタク)界隈」や「Twitter界隈」は明らかに別の意味で使われていますよね。
ネット用語、オタク用語としての“界隈”は「ファン」、「同じ趣味を持つ仲間」、「業界」などという意味で使われます。「ジャニオタ界隈」であれば「ジャニオタ仲間」、「Twitter界隈」であれば「Twitter利用者」といったところでしょうか。同じくオタク用語である「クラスタ(○○好き仲間)」と似た意味で使われています。
クラスタの意味とは?使い方や注意点を徹底解説!冒頭で新人くんが「乃木坂(のぎざか)界隈」といっていましたが、これは赤坂にある乃木坂一帯のことではなく、アイドルグループの「乃木坂46」のファンであることを意味していたようです。
「政治界隈」、「政権界隈」、「広告界隈」などオタク関連の話題以外でも「業界」、「関係者」という意味でも使われてますよね。辞書的には「地名+界隈」でしか使えませんが、近い将来、このような使い方も辞書に追加されるかもしれません。
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界隈の使い方に注意
“界隈”は「地名+界隈」でその付近一帯のこと。ネット界隈を中心に「ファン」や「業界関係者」を表す意味でも使われています。とはいえ、正しい日本語とされるにはまだまだ時間がかかりそうなので、文書等で「IT界隈」、「出版業界隈」などと使うのは控えた方がいいでしょう。