アテンドとは誰かをもてなすこと
「アテンド」とは誰かをもてなすことを意味するビジネス用語です。「もてなす」から意味が広がりシチュエーションや業界によって微妙にニュアンスが変わったり、時に大きく意味が違ってくるので、「アテンド」は意味を正確に把握するのが少々厄介な単語でもあります。
この記事では「アテンド」の意味を例文付きで詳しく解説しています。業界ごとの特殊な使われ方についても紹介。意味を取り違えて恥をかかないようにぜひ読んでみてください。
アテンドの意味を詳しく解説(例文つき)
「アテンド」は「attend」という英語が語源です。「attend」は「誰かのお手伝いをすること」「誰かのもてなしをすること」という意味を持っています。「attend」から生まれた「アテンド」は「もてなす」という意味で使われることが多いですが、「アテンド」の持つ意味は「もてなす」だけではありません。
「もてなす」とは全く異なる意味で「アテンド」が使用されている業界もありますし、同じ業界でもシチュエーションによっては微妙に異なるニュアンスで使用されることもあります。それらを全てひっくるめて「アテンド」は広く「誰かを手助け・サポートする」という意味で使われる単語だと先ずは覚えておくと、細かな意味を理解しやすくなりますよ。
「接待・もてなす」意味のアテンド
営業職の方が取引先に関する文脈で「アテンド」を使用した場合、「接待・もてなす」という意味で使われることが多いです。「接待」と聞くとテレビドラマの演出やワイドショーの政治家スキャンダルネタでよくあるような、取引先を招いての高級料亭での宴席やゴルフをイメージする方は多いですよね。
しかし、「アテンド」はもう少しスタイリッシュな使い方をされることが多く、「接待」ほど取引先に対する過剰なゴマすりをするイメージはありません。
「接待・もてなす」意味のアテンドの例文
例文:A「明日は定時で上がって○○物産の部長とAKBのコンサートに行ってくるから電話すんなよ!大事なアテンドだからな」
B「ハイハイ。コンサートの邪魔はしませんよ。いい趣味仲間がみつかってよかったですね」
この文での「アテンド」は「接待・もてなす」という意味で使われていますが、「接待」という単語よりもフランクでコンサートを楽しみにしている様子が伝わってきますね。
「立ち会う」意味のアテンド
「アテンド」は「立ち会う」という意味も持っています。広告代理店やイベント企画会社などでは、「PRイベントアテンド」や「制作発表アテンド」のような言い方がされることがあり、この時の「アテンド」は特定のイベントに「立ち会う」という意味で使われています。
「アテンド」と「立ち会う」のつながりがわかりにくい方は、「アテンド」をイベント時の万が一のトラブルに対処するための「立ち会い」と解釈すれば「誰かを手助け・サポートする」という意味につながり理解しやすくなりますよ。
「立ち会う」意味のアテンドの例文
例文:「来月の新製品発表イベントはA君がアテンドすることになりました。不備がないよう準備してください。」
この文での「アテンド」は「立ち会う」という意味で使用されています。A君は新製品発表イベントの「立ち会い」をすることを指示されていますね。
「同行する」意味のアテンド
「アテンド」には「同行する」や「付き添う」という意味もあります。「同行する」や「付き添う」人の役回りを「何かあったときのサポート要員として誰かの行動について回る」ことだと解釈すればわかりやすいですね。
「同行する」意味のアテンドの例文
例文:部長のニューヨーク出張に通訳としてアテンドすることになった。
この文の「アテンド」は「同行する」意味で使われています。英語が苦手なのにニューヨーク出張に行かなくてはならない部長のサポート役として部長の出張に「同行する」という意味ですね。
「介助する」意味のアテンド
「アテンド」には「介助する」という意味もあります。「介助する」→「身の回りのお世話をする」という意味からさらに踏み込んで、体の不自由な方の「介護」という意味でも「アテンド」は使われます。
大王製紙の大人用おむつが「アテント」という名称で市販されているので勘違いしやすいですが、「介助」→「アテンド」になるので言い間違えないように気をつけましょう。
「介助する」意味のアテンドの例文
例文:花嫁のお祖母さまは半身が不自由で車イスを使用されています。結婚式・披露宴ではお食事や移動などにアテンドが必要になるので注意してください。
この文での「アテンド」は「介助する」という意味で使われています。1人で食事や移動が難しい花嫁の祖母の「介助」の必要性をスタッフ間で共有する文面ですね。
業界ごとに異なるアテンドの意味
「アテンド」の詳しい意味や使い方はここまで読んでいただいた説明や例文で確認してもらえたと思います。この見出しでは業界における特定の行動を指す「アテンド」の意味をみていきましょう。
ゴルフ用語としてのアテンド
例文:ロングパットをするからキャディーにアテンドしてもらう。
ゴルフ用語として使われる「アテンド」は、グリーンの上でプレイヤーがパットをするときにキャディーや一緒に競技をしている他のプレイヤーにフラッグ スティックを持ってもらうことを意味します。
旅行会社で使われるアテンド
例文:○○観光会社のアテンドサービスは痒い所に手が届く、いたせりつくせりのサービスだよ。旅行するなら断然○○観光会社がおすすめ!
旅行会社で使われる「アテンドサービス」とは、顧客の旅行に随行する旅行会社の担当者がおこなう各種サポートのこと。観光名所の案内など。
ホテル業界での使われるアテンド
例文:宿泊客のリピーターを増やすためにはアテンドサービスの質を向上させる必要がある。
ホテル業界でも「アテンドサービス」という用語が使われます。ホテル業界での「アテンドサービス」は宿泊する部屋の手配や荷物運びなど、宿泊客に対する様々なサービスを意味しています。宿泊客の世話をすることをホテルスタッフ同士で「アテンドする」と言ったりもします。
デパート業界でのアテンド
例文:アテンドサービスを極めることが売り上げ向上のカギ。常連のお客様は顔と名前、好みを把握し、次回来店時に好みの商品を各フロアで紹介できるよう事前準備しておきなさい。
デパート業界でも「アテンドサービス」という言葉が使われます。デパート業界での「アテンドサービス」とはスタッフが客の好みや希望を聞き取り、おすすめの商品のもとへ案内するなどの顧客サービスのことを言います。高級デパートに行かないとなかなかお目にかかれないサービスですね。
ブライダル業界でのアテンド
例文:花嫁の笑顔を引き出し・守ることがアテンドの役割だ。些細な要望も聞き逃さないように心がけなさい。
ブライダル業界では結婚式の主役の花嫁のお世話をする担当スタッフのことを「アテンド」や「介添人(アテンダー)」と呼びます。「アテンド」は式当日に花嫁に付き添い、衣装の乱れを直したり、花嫁の様々な要望を聞き取り他のスタッフに伝える役割を担います。
類語のアテンダントとの違い
「アテンド」の類語に「アテンダント」という単語があります。「アテンダント」は「付き添い人」や「お供」という意味を持つカタカナ語。ホテルの接客係や飛行機・列車で接客を担当する乗務員、イベント会場などの案内係も「アテンダント」と呼ばれます。
アテンドできる人・される人になろう!
「アテンド」は「誰かを手助け・サポートする」という意味を持つ単語です。
押しつけがましくならず、相手に喜んでもらえるような「アテンド」ができたらいいですね。逆にあなたが「アテンド」される側に回ることも多いはず。「アテンド」してくれた人への感謝の気持ちを持つことが大切になります。お互い様の精神を育てましょう!
似てるけど違うアサイン
「アテンド」に響きが似ているビジネス用語に「アサイン」があります。「アサイン」とは「任命する」「割り当て」などの意味を持つ単語です。「承諾」「了承」の意味で使われることもあります。