「ご相伴」は”もてなしを受ける”ときに使える言葉
新人
上司
新人
「ご相伴」はビジネスシーンで考えると目上の人や上司から”もてなしを受ける”ときに使える言葉です。
「ご相伴」には同じニュアンスで使用できる類語も存在します。言い換えられる言葉も知っておくとさまざまなシチュエーションに対応できるため安心です。
・付き添い
・ご一緒
・随伴
・随行
「ご相伴(御相伴)」の読み方や意味
室町時代には将軍に随従する人のことを「相伴衆(御相伴衆)」と呼び、その名は有力な守護大名に授けられ社会的身分の一つとなっていました。
将軍に随従する相伴衆(御相伴衆)と同じように、「相伴」には”正客と一緒に来てもてなしを受ける”ことや”連れの人”との意味があります。
「ご相伴」は「相伴」に接頭辞の「ご」をくわえることで、敬語として使うことができ、もてなしを受ける際のお礼や、もてなしを受けたいとの希望を伝える場合にも使用できます。
「ご相伴」と「 お相伴」の違いは?
「御相伴」は「ご相伴」とともに接頭辞が”お”の「お相伴」と読まれる場合もあります。
「ご」か「お」によって、「御相伴」はなにか意味の違いはあるのか?と考えてしまいそうですが、基本的には読み方が違うだけで意味は同じです。
「ご」は基本的に音読みする言葉、「お」は基本的に訓読みする言葉が後にくる場合に使います。「御相伴」は「ご相伴」と読んでも「 お相伴」と読んでも、どちらも間違いではない例外的な言葉です。使用する際は発音しやすいほうを使いましょう。
「ご相伴」の使い方・例文
「ご相伴」は、目上の人や上司などから”もてなしを受ける”ときや”それを望む”ときに使用する言葉。そのため、誤用することは避けたい場面で使うことが多いフレーズです。ここからは「ご相伴」の正しい使い方を例文とともに確認していきます。
ご相伴にあずかり
・先週はご相伴にあずかりまして、ありがとうございました。
「ご相伴」の代表的な使用例が「ご相伴にあずかり」です。目上の人や上司などから”もてなしを受ける”ときや”受けたあと”のお礼として使用できます。
「相伴」は正客と一緒に来て、もてなしを受ける人のことを指すため、自分がメインではない場合に使いましょう。ビジネスシーンでは取引先との接待の際に使用頻度が高くなります。
「ご相伴に預かり」は間違い
ちなみに「ご相伴にあずかり」を文字で記載する場合、「ご相伴に預かり」と書いてしまうと間違いです。
「ご相伴にあずかり」は「与り(あずかり)」が正しい表記となるため注意してください。しかし、「与り」も常用外の漢字となるため、表記する場合、「あずかり」は”ひらがな”にしましょう。
ご相伴にあやかりたい/ご相伴あずかりたい
・海外旅行ですか。今度は私もご相伴にあずかりたいですね。
「ご相伴にあやかりたい」「ご相伴にあずかりたい」は、もてなしを受けたいとの希望を表した言葉になります。
これらの表現は目上の人や上司、取引先に対して使うと失礼ととられる可能性もあります。相手との関係が親しい場合や、冗談が言える間柄であればその限りではありませんが、もてなしを受けたいと発言する際は、その人との関係を見極める必要があります。
茶道における「ご相伴いたします/ご相伴させて頂きます」
「ご相伴」は茶道においても使われる言葉です。茶道のお茶会では正客が決まっており、その人が、上座に座る決まりとなっています。
正客とともに、もてなしを受ける人を「相伴」と呼び、正客が座る上座以外は「相伴席」と呼ばれます。
お茶会では正客が最初にもてなしを受け、それ以外の相伴へは順次お茶がふるまわれます。お茶をいただく際、相伴の客は上座の正客に対して「ご相伴いたします」「ご相伴させて頂きます」と声をかけることがマナーとなっています。
「ご相伴」の類語
「ご相伴」と同じニュアンスで使える類語を確認し、語彙力を高めましょう。
・お供
・付き添い
・ご一緒
・随伴
・随行
「お供」は、従ってついていく様や人を表した言葉です。
⇒北海道に出張ですか!いいですね~、私もお供したい。
「付き添い」は、その人のそばにいて世話することやエスコートを意味する言葉です。
⇒明日のプレゼンには私が付き添います。しっかり進められるよう話し合っておきます。
「ご一緒」は、同じことをするとの意味で使える言葉です。「ご一緒させてください」はビジネスシーンでもよく使われます。目上の人や上司に対しても使用できるため覚えておきましょう。
上司「今から取引先に伺うけど一緒にいく?」
部下「はい、ご一緒させてください!」
「随伴」は、お供する、従ってついていくことを意味する言葉です。それほど使うシーンは多くありませんが知識として蓄えておきましょう。
⇒部長に随伴して欧州出張に行ってまいります。
「随行」は、上司など目上の人につき従うことを意味する言葉です。「随伴」とほとんど同じ意味で使用可能です。似た言葉である「同行」は、一緒に行くことを示した言葉であるため、主従関係が明確な場合には「随行」の使用が適切です。
⇒社長に随行し、取引先を訪問しました。
「ご相伴」の英語表現
Companionship
と表現できます。
「ご相伴にあずかる」のニュアンスを伝える英語表現・例文
「ご相伴にあずかる」を使った例文はこちら!
⇒本日はご相伴にあずかり誠にありがとうございます。
・Thank you very much for joining me last week.
⇒先週はご相伴にあずかりまして、ありがとうございました。
・Eating at a high class restaurant… it is so good, right! I would like to accompany you.
⇒高級レストランで会食・・・いいですね!私もご相伴にあやかりたい。
・It is a trip abroad? I would like to join you to next time.
⇒海外旅行ですか。今度は私もご相伴にあずかりたいですね。
「ご相伴」を正しく使えるビジネスパーソンになろう!
「ご相伴」は目上の人や上司からもてなしを受ける際に使用できるため、使い方は正しく押さえておくべきです。入社したばかりころは、目上の人や上司から特に歓迎される機会が多いため、「ご相伴にあずかり誠にありがとうございます」など、「ご相伴」を正しく使えるビジネスパーソンを目指しましょう。しっかりとしたお礼ができると、あなたに対する印象もアップするはずです!