「ご所望(御所望)」とは希望しているものや商品を意味する言葉
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「ご所望」とは、相手が「欲しがっている・希望しているものや商品」などを意味する言葉です。
ビジネスシーンでは、相手の望みを実現したり欲しいものを提供するシチュエーションは多いものです。そんなときに「ご所望」という言葉を上手く使うと、スムーズにやりとりが行えるでしょう。
また「ご所望」の類語も多くあるので、シチュエーションに合わせたフレーズを選択できるよう、ほかの類語の意味や使い方を身に付けておくと安心です。
・ご希望
・ご入用
「ご所望(御所望)」の読み方と意味
「ご所望(御所望)」は「ごしょうもう」と読みます。「望」という漢字は「希望」など「ぼう」と読む場合が多いので「ごしょぼう」と読んでしまわないように注意しましょう!
「ご所望」とは、欲しいと思うという意味を持つ「所望」に、丁寧を表す接頭語「ご(御)」が付いた言葉です。「あなたの欲しがっているもの・お望みのもの」という意味合いになり、目上の相手が何かを欲したり希望していることを丁寧に表した表現となります。
「ご所望」の使い方
ビジネスシーンで「ご所望」を使う場面は、上司やクライアント・お客様など目上の人が何かを望んでいる時などです。
また「所望」自体は単なる名詞であり敬語表現ではないため、自分が何かを欲したりする際にも使うことができます。その場合は「○○を所望する」などと使います。
ビジネスメールなどで使う場合は「ご所望」「御所望」のどちらの表記にしてもOKです。使い分けに関して特に決まりはありませんが、かしこまったビジネスメール・文書の場合は「御」を使い、堅苦しいと感じた場合は「ご」を使うなど、内容に応じて変化を付けるとよいでしょう。
「ご所望」を使った例文
ここからは例文を交えながら「ご所望」の正しい使い方を解説していきます。
「ご所望ですか?」を使った例文
「ご所望」は語尾を質問形式にすることで「欲しいですか?」という意味になります。
お客様「本日の広告を見て来たのですが」
自分「○○をご所望ですか?」
「ご所望ですか?」以外には「ご所望でしょうか?」「ご所望なさいますか?」と言い換えてもOKです。
「ご所望の品です」「ご所望品」を使った例文
「ご所望の品」「ご所望品」というフレーズは「相手が欲している品物」という意味になり、ビジネスシーンでは非常に多く使われる表現です。「ご所望」のあとに具体的な品名を使い「ご所望の○○」と言い換えて使うこともできます。
「お客様のご所望の品をお持ちしました」
「ご所望品がございましたら、お申し付けください」
「□□様のご所望のパンフレットをご用意しました」
「ご所望の品」「ご所望品」は、相手の希望するものが明確になった状態で初めて使うことができます。具体的なものを発注・注文されていない状態では使うことができないので注意しましょう。
例えば自分が飲食店に入ったとき、何も注文していない状態で「お客様のご所望のコーヒーです」とサービスでもないのに出されたらびっくりしてしまいますよね。
「ご所望」を使えるかどうか迷った場合は「リクエスト」や「注文の品」と言い換えてみて、不自然でなければOKと判断してもよいでしょう。
「ご所望」の類語や似ている言葉の使い分け
これまで「ご所望」を使った例文をご紹介してきましたが、ここからは似た言葉と使い分けの方法を詳しくご紹介していきます。
「ご所望」と「ご要望」の違いは?
「ご所望」と非常に似た言葉に「ご要望(ごようぼう)」があります。「物事の実現を強く望む」という意味の「要望」に尊敬を表す接頭語「ご」を付けた言葉です。
よって「ご要望」とは「ご所望」と同様に、目上の相手が何かを欲したり望んでいることを表す言葉です。
「ご要望がございましたら、お気軽にお申し付けください」
「ご要望にお応えできず申し訳ございません」
「お客様から冷房の温度を下げて欲しいとのご要望がありました」
「ご所望」と意味も使い方も非常に似ていますが、微妙にニュアンスが違います。「ご所望」は「希望するものや目的が具体的に決まっているもの」に対して使用しますが、「ご要望」は「希望するものや目的が抽象的なもの」に対しても使用できます。
分かりやすい使い分けの方法としては「ご所望」は目に見えるものを望むとき、「ご要望」は目に見えない状況や状態を望むときに使うと覚えておくとよいでしょう。
「ご所望」と「ご希望」の違いは?
「ご希望」とは「物事の実現を望み願うこと」という意味の「希望」に、尊敬を表す接頭語「ご」を付けた言葉です。
「ご希望がございましたら、お気軽にお申し付けください」
「ご希望にお応えできず申し訳ございません」
「ご希望の商品のご用意ができました」
「ご希望」は「ご要望」と意味も使い方もほとんど変わりません。ですが「ご希望」は「望み願うこと」の強さが「ご要望」より若干低いニュアンスで使われる傾向があります。
「ご所望」と「ご入用」の違いは?
「ご入用(ごいりよう・ごにゅうよう)」とは「ある物事のために必要なこと・費用」という意味の「入用」「要望」に、尊敬を表す接頭語「ご」を付けた言葉です。よって「ご入用」は「目上の人が物品や金銭を必要としていること」を表す言葉として使います。
「ご入用のものを準備いたしました」
「ご入用の際はぜひお申し付けください」
「何かご入用のものはございますか?」
難しい言葉に聞こえますが、要は「必要」を丁寧に表現した言葉です。取引先やお客様に対して「必要ですか?」などの言葉遣いは場合によっては雑な印象になるため、そこを「ご入用」と言い換えることで丁寧な印象を与えられるでしょう。
「ご所望」の英語表現
disired
と表現できます。
今すぐ使える例文はこちら!
⇒お客様のご所望の品をお持ちしました。
・Please tell us if there is any item which you desire.
⇒ご所望品がございましたら、お申し付けください。
・I prepared the pamflet which Mr./Ms.〇〇desired.
⇒〇〇様のご所望のパンフレットをご用意しました。
「ご所望」の読み方や使い方を身につけよう!
「ご所望(ごしょもう)」は日常会話ではあまり使われない言葉なので、すぐに読めない・使う場面がわからないという方も少なくありません。ですがビジネスシーンでは、相手が何か欲する・望むという場面はとても多いものです。
「ご所望」の使い方は「相手の望むものや目的が、目に見える・はっきりしたもの」に対して使う言葉と覚えておけばOKです。正しく「ご所望」を使って、相手に安心感を与えられるビジネスパーソンを目指しましょう。