ハラスメントは相手に嫌がらせやいじめなど苦痛を与える行動のことです。ハラスメントはさまざまな種類がありますが、昨今では職場でのハラスメントが問題視されています。ハラスメントの定義、種類も紹介するので参考にしてみてください。
ハラスメントの定義は「相手が嫌がる言動を行うこと」
ハラスメントの定義は、相手に対して傷つけたり不快にさせたり、嫌がらせを行う行為を指します。大人のいじめもハラスメントに該当します。また、ハラスメントを行った当事者に、そういう意識がなくとも、相手が不利益や苦痛を感じればハラスメントとみなされます。
職場におけるハラスメント
職場でのハラスメントは、暴言や侮辱、脅迫、無視など体力的・精神的な嫌がらせ行為を指します。職場では上司から部下といったパワハラが多い傾向です。
厚生労働省では、職場のパワーハラスメントを次の通りに定義しています。
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優越的な関係を背景とした言動
業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
労働者の就業環境が害される
ハラスメントの種類
ハラスメントは職場や学校、家庭など、どの環境においても行われる可能性があります。ハラスメントを12種類解説します。
パワーハラスメント(パワハラ)
パワーハラスメントは、社会的地位が強い者が権力を振りかざし嫌がらせを行うことです。身体的・精神的な攻撃が含まれます。例えば、暴力を振るう、物を投げつけるといったもの。怒鳴ったり、長時間怒り続けることもパワハラと言えます。
マタニティハラスメント(マタハラ)
マタニティハラスメントは、妊娠・出産した女性労働者の就業環境が害されること。育児休業を利用したところ、嫌がらせやそれとなく解雇をほのめかす事例も発生しています。
尚、厚生労働省では、マタニティハラスメントとは呼ばず、「職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント」と提示しています。
モラルハラスメント(モラハラ)
モラルハラスメントは倫理や道徳を超えた嫌がらせ行為を指します。目に見える暴力ではなく、言葉や態度で精神的な苦痛を与えます。例えば、無視や陰口、悪口を言うなど相手を傷つける行為が該当します。
テクノロジーハラスメント(テクハラ)
テクノロジーハラスメントは、パソコンなどのITスキルが低い人に嫌がらせを行うことです。職場のパワハラは上司や部下から行われることが多いですが、テクハラはデジタル機器に詳しい部下から、IT知識に乏しい上司に対しておこりうります。社内でITスキルの研修を行うなど、環境を整えることも必要でしょう。
レイシャルハラスメント
レイシャルハラスメントは簡単に言うと人種や民族、国籍に関する差別や嫌がらせを指します。一般的なレイシャルハラスメントの定義は次の3点です。
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・特定の人種や民族、国籍(外国人やハーフ)を理由に、暴言や侮辱、嫌がらせを行うこと。
・合理性なく日本人と外国人を分けて業務を進めたり、評価をしたりすること。
・レイハラはパワハラのように上司から部下といった強い立場から起こるだけでなく、部下から上司、同僚同士などさまざまな関係性の中で起こる可能性があること。
セカンドハラスメント(セカハラ)
セカンドハラスメントは、ハラスメントを受けた人が相談した際に、周囲から嫌がらせを受けるなど二次的被害が起こること。例えば、職場の先輩に相談したら、逆にあなたが悪いと否定される、加害者を擁護するなど、被害者にさらに大きな苦痛やダメージを与えます。セカンドハラスメントは深刻化するケースもあり、企業にとっても損失になる可能性があります。
リストラハラスメント(リスハラ)
リストラハラスメントは、リストラ対象者に対して、会社都合ではなく自主退職に追い込むこと。嫌がらせ、膨大な仕事を押し付けるなど、精神的な嫌がらせ行為です。リスハラを受けた場合の対策として、文書やメール、録音など記録として残しておくといいでしょう。
アルコールハラスメント(アルハラ)
アルコールハラスメントは飲酒に関する嫌がらせ、迷惑行為を行うことです。
特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)では、次の6つをアルハラの定義としています。
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1.飲酒の強要
2.イッキ飲ませ
3.酔いつぶし
4.飲めない人への配慮を欠くこと
5.酔ったうえでの迷惑行為
6.20歳未満の人に飲酒を進めること
参考:アルハラ防止ガイドプラン(2000年)|特定非営利活動法人ASK
リモートハラスメント(リモハラ)
リモートハラスメントは、リモート中に起こる嫌がらせのことを指します。直接会って話すときと違い、リモートでのコミュニケーションを難しいと感じる人もいるでしょう。距離感によって相手に不快感を与えます。画面に映りこんだ自宅のインテリアの指摘は、リモハラと捉えられる可能性があります。
スモークハラスメント(スモハラ)
スモークハラスメントは、簡単にいうとたばこに関する嫌がらせのこと。喫煙者が非喫煙者に対して喫煙を強制したり、意図せずタバコの煙や匂いで不快感を与えることを指します。非喫煙者も受動喫煙にさらされ、健康被害のリスクが高まります。なかには、損害賠償を請求された事例も存在します。
ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)
ジェンダーハラスメントは、性別により社会的役割が異なるという固定観念にもとづく差別や嫌がらせのこと。例えば、「男だから仕事に専念して家事はできない」「女だから管理職になれない」など、性別で決めつけるのはジェンダーハラスメントと言われます。また、ジェンダーハラスメントはセクハラに発展する可能性もあります。
セクシャルハラスメント(セクハラ)
セクシャルハラスメントは、性的な言動の嫌がらせを行うこと。例えば「必要なく身体に触れる」行動はもちろん、「執拗に食事に誘う」「性的な内容の冗談を言う」などの発言もセクハラに含まれます。
厚生労働省では、職場でのセクハラハラスメントを次のように定義しています。
職場において行われる、労働者の意に反する性的な言動に対する労働者の対応によりその労働者が労働条件について不利益を受けたり、性的な言動により就業環境が害されること。