組織にはリーダーシップの存在は欠かせません。リーダーシップの資質の高さで、仕事の成果に繋がる組織づくりにも繋がります。リーダーシップの定義やリーダーシップ能力が高い人を解説します。
リーダーシップの定義は「指導者としての資質や能力」
リーダーシップの定義は、目標を達成するための指導力や統率力のこと。ビジョンや目標を遂行するために、メンバーのモチベーションを高め、目的に向かって導きます。
広辞苑によると意味は次の通りです。
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①指導者としての地位または任務。指導権。
②指導者としての能力・資質・統率力。
リーダシップ能力が高い人の特徴
リーダーシップ能力が高い人の特徴を6つ紹介します。リーダーシップ能力は先天的なものでなく、後天的なのでトレーニングで身に付けることも可能です。
行動力がある
リーダーシップは、組織をまとめる能力が必要とされます。部下やメンバーを動かすだけでなく、自ら先導に立ち行動することを求められます。目的を明確にし、リーダーが積極的に行動することで、メンバーのモチベーションも高まるでしょう。
決断力がある
目標達成や課題解決には、決断力が必要とされる場面は多いです。決断が遅れれば、目標が達成されず成果も上がらない可能性が出てきます。優柔不断な態度のリーダーでは、部下はついていきたいと思いません。
責任感が強い
リーダーシップは「トラブルが起きても逃げない」「最後まで行動に責任をもつ」といった責任感を持っています。自分だけでなく、メンバーの責任までとる必要も求められます。責任感のあるリーダーの元では、部下の意欲も高まるでしょう。
信頼されている
自分の行動に責任を持っているリーダーは、メンバーからも信頼されます。発言と行動が一致する人は一貫性があり、説得力にも繋がります。信頼されると、メンバーとのコミュニケーションも円滑に進むでしょう。
コミュニケーション能力が高い
リーダーシップにはコミュニケーション能力が必要不可欠です。部下とのコミュニケーションが取れていると仕事の生産性も上がります。相手の話を聞く力、伝える力があるとコミュニケーションの質が高まります。
リーダーシップの理論・種類
リーダーシップといっても、さまざまな理論や種類が存在します。代表的なものを3つ解説します。
PM理論
PM理論とは、リーダーの行動に必要な目標達成機能(Performance function)と、集団維持機能(Maintenance function)の二軸で構成されています。1966年、社会心理学者の三隅二不二氏が提唱されました。
P機能:目標達成機能(Performance function)
目標達成機能とは、目標達成に導くために集団の生産性を高める機能です。チームの進捗状況を管理する。メンバーに細かく指示を出して、業績を上げるなどの特徴を持ちます。
M機能:集団維持機能(Maintenance function)
集団維持機能とは、人間関係を良好に保ちながら、組織や集団の関係性を強化する機能のこと。メンバーに積極的に声かけする。メンバーの課題解決に導くなどが挙げられます。
ピーター・ドラッカーによる定義
リーダーシップの定義として、有名な経営学者、ピーター・ドラッカーが3つの要件を提唱しました。
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・リーダーシップは資質ではなく仕事
・リーダーシップは地位や特権ではなく責任
・リーダーシップには信頼
ドラッカーによると、リーダーシップはカリスマ性をもつ人材でなくとも、誰でもトレーニングで身に付けられると考えています。
クルト・レヴィンによる定義3つ
アメリカの心理学者、クルト・レヴィンはリーダーシップ・スタイルを3つに分類し定義しました。
専制型リーダーシップ
専制型リーダーシップとは、集団の意思決定や行動をすべてリーダーが指示、命令することです。リーダーが経験豊富であれば、積極性が少ない集団には効果的です。しかし、部下は自ら考え行動しないので、長期的な成長は見込めません。
放任型リーダーシップ
放任型リーダーシップは、集団の行動や判断をすべてメンバーに任せて、リーダーは関与しません。メンバーの仕事の質しだいで、組織の生産性が変わります。メンバーのレベルにバラツキがあると、生産性も上がらないでしょう。
民主型リーダーシップ
民主型リーダーシップは、集団に意見や命令を出しますが、メンバーの考えも聞きます。チームで意思決定を行うので、一人ひとりが責任感をもち、仲間との団結力も出てくるでしょう。短期的には専制型ですが、長期的にみると民主型は高い生産性があると言われています。
リーダーシップとマネジメントの違い
リーダーシップとマネジメントは似ている能力のようで、全く異なります。
リーダーシップは目標達成に向けた方向性をメンバーに導く仕事です。一方、マネジメントは、目標の達成のために手段を管理する能力のこと。役割は違いますが、企業や組織の成果を上げるには両方の能力が必要とされます。