話題の「メタバース」とういう言葉は、聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。メタバースは簡単に言うと「仮想空間」のこと。
メタバースの定義や注目されるようになった背景など、詳しく説明します。参考にしてみてください。
メタバースの定義は「仮想空間」
経済産業省とKPMGコンサルティング株式会社が発表した報告書によると、メタバースの定義は、「多人数が参加可能で、参加者がアバターを操作して自由に行動でき、他の参加者と交流できる インターネット上に構築される仮想の三次元空間」
インターネット上の仮想空間で、アバターとして参加して他者とコミュニケーションできます。
この定義は、統一されているわけではありません。
メタは「超」、バースは「宇宙」を組み合わせた造語です。作家のニール・スティーヴンスンの小説「スノウ・クラッシュ」に登場する架空の仮想空間サービスの呼称でした。その後、テクノロジーが進み、さまざまな仮想空間サービスが広まり、総称として英語圏で多く用いられました。
仮想空間の定義は、インターネット上の仮想の三次元空間で、ユーザーはアバターとして自由に行動できて他者と交流すること。
アバターとは、自分の分身のキャラクターです。
メタバースの7つの要件
投資家のMatthew Ballは、メタバースの7つの要件を整理しました。後に、メタバースの定義する指針となっています。
1.永続的であること
「リセット」「一時停止」「終了」することなく、無期限に継続すること。
2.同期的なライブ空間
事前に予定されたイベントが発生する場合でも、「現実の世界」と同じように、メタバースはすべての人にリアルタイムで存在する体験ができます。
3.同時接続のユーザー数に制限がない
誰もがメタバースの一部になり、イベントやアクティビティに同時に参加できます。
4.経済性
個人や企業は、他人に認められる「価値」を生み出す信じられないほど幅広い「仕事」を創造、所有、投資、販売し、報われることができるようになります。
5.デジタル世界と現実世界の垣根がない
仮想現実と物理現実が垣根なく繋がることです。
6.相互運用性がある
デジタルの世界で、アバターやアバターなど自由に持ち運びできます。
7.幅広い企業、個人で運営される
コンテンツや体験は、企業、個人で運営されています。
参考: 「The Metaverse: What It Is, Where to Find it, Who Will Build It, and Fortnite,2020.」 Matthew Ball
メタバースが注目される背景
メタバースが注目されるようになったのは、VR技術の進化、新型コロナウィルスなど、いくつかの要因があります。
VR技術の進歩でコミュニケーションの活性化
VR技術が進化して、仮想空間のなかでアバターの操作が手軽に行えるようになりました。身振りや手振り、顔の表情など、自然なコミュニケーションも可能になったのです。
新型コロナウィルスによるオンラインの普及
新型コロナウィルスが世界的に流行り、オンラインでの会議やコミュニケーションが一気に広まりました。多様な体験が実現可能なオンライン空間として、メタバースが注目されています。
NFTによる仮想空間で行われる経済活動
メタバース内でNFTを流通して、仮想空間で多様な経済活動を行える技術の発展が期待されています。メタバース内の経済活動と、現実世界を繋げる事例も存在しました。
最近では、小学生が作ったNFTアート作品が約80万円で落札されて話題になりました。
メタバースとVRの違い
VRはVirtual Realityの略称で、仮想現実のこと。VRゴーグルなどを装着すると、360度広がるデジタル上の3次元空間に入ることができます。顔の向きに合わせて、センサーが感知して映像が動くのです。一方、メタバースはインターネット上の仮想空間で、アバターを用いて他者と交流します。VRゴーグルを用いなくとも成り立ちます。メタバースは仮想空間でのコミュニケーション形成。VRは体験するための手段です。
メタバースの具体例
メタバースの具体例を2つ紹介します。
Microsoft(マイクロソフト)
マイクロソフトの「Teams」は、仕事でどこにいてもバーチャルの世界で集まれるプラットフォームを作りました。仮想現実空間では、いつでもオンライン上で繋がることができます。
Fortnite(フォートナイト)
身近なゲームとして有名な「Fortnite(フォートナイト)」もメタバースのひとつと言われています。フォートナイトは生き残りをかけて戦うゲームです。自分のキャラクターをアバターとして作成し、リアルタイムでユーザーとボイスチャットでゲームを楽しむことができます。仮想空間内でリアルな友達と交流することができるのです。
メタバースのメリット
メタバースを活用すると、ビジネス、プライベートの体験でのメリットにも繋がります。導入すると次のようなメリットが期待できます。
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オンラインでのコミュニケーション
コロナ感染対策
新たなビジネスに取り組める
非日常の体験
情報を早く届けられる
作業効率化
メタバースのデメリット
メタバースのデメリットは次のようなことが言われています。
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現実世界でのコミュニケーションが減る
機材を揃えるコストがかかる
依存性が高い
メタバースで新ビジネスに挑戦
今後、新規ビジネスでメタバースを取り入れようと考えている企業もあるでしょう。イベントの開催、バーチャルオフィス、NFTの販売など新規事業に活用することもできます。