ボランティアという言葉は、見聞きしている人は多いですが、定義までは分からないのではないでしょうか。ボランティアは、子どもから大人まで身近に存在します。ボランティアの定義、種類など詳しく解説していくので、参考にしてください。
ボランティアの定義とは「自発的に社会に貢献する行動」
ボランティアは、一般的に、自発的に進んで他者や社会に貢献する行為を指します。ボランティア活動の自主性、自発性が尊重されます。
語源は、ラテン語のvoluntusで「意思、意欲」という意味です。ボランティアは「喜んでする」という意味合いをもちます。
ボランティア活動の現状
現在のボランティア数は、約740万人です。25年前に比べると、約4.6倍増加しています。また、国民の約6割が、ボランティアへの参加に前向きな意欲をもっています。
ボランティア活動の関心が高まったきっかけは、平成7年の阪神・淡路大震災です。この時、多くのボランティアが駆けつけ、支援活動を行いました。
今後は、団塊世代が退職した際に、そのパワーがボランティアに注がれるのか期待がされます。
ボランティア活動の4原則
ボランティア活動する上で大切なポイントは4つあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
自主性・自発性
ボランティア活動は、自ら進んで行う行為です。他人から強制や義務でさせる活動ではありません。自発的に「やりたい」という意思で行われます。例えば、学校、会社、地域などの行事やイベントに参加することもボランティアに含まれます。また、インターネットやテレビ、新聞で情報を得て、ボランティア活動を始めることもあるでしょう。
社会性・公共性
社会にはさまざまな課題が存在するので、その改善をするため一人ひとりが考えたり、誰かと協力しながら行動することが大切です。多くの人が豊かに生活できるよう、お互いに学び、支えあい、一緒に社会を創っていきます。ボランティア活動をし、社会と関わることで多様な世界を知り色々な気づきを得られることもできるのです。
無償性・無給性
分かりやすくいうと「お金や名誉のためにボランティアを行っていない」ということです。ボランティア活動は、お金では得られない充実感や自身を豊かにしてくれます。ただし、交通費や食費などは自質弁償で無償の範囲としています。金銭的報酬よりも、精神的な報酬を得られる活動です。人との出会いや喜びなどは、活動のモチベーションになります。
先駆性・開拓性
目の前の課題解決のために何が必要か、改善するためにどうすればいいか考えます。よりよい社会を作るのに、行政や企業がやってこなかったことも行う活動です。答えはないので、自由なアイディアを出しながら挑戦していけます。社会へ発信していく役割も持ち合わせています。
ボランティア活動の種類・事例
ボランティアの種類は、大きく分けて「支援型」「交流型」「サービス型」「環境保護型」の4つです。さらに具体事例は、下記のような活動になります。
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海外・国際協力ボランティア
災害ボランティア
環境保全活動
農業ボランティア
介護ボランティア
障害者ボランティア
子ども食堂ボランティア
募金活動
まちづくり活動
自分が好きなこと、興味のあることから活動してみるといいでしょう。
無償ボランティアと有償ボランティアの違い
無償ボランティアと有償ボランティアには、報酬の面で大きな違いがあります。どのような対価を受け取ると有償と言われるのか解説します。
無償ボランティア
報酬がないボランティアを「無償ボランティア」と呼びます。基本的には無償でボランティア活動することが多いです。ただし、完全無償ではなく、交通費や現地での食事などが出される場合もあります。また、記念品としてグッズや小物を受け取った場合、一般的には無償ボランティアの範囲とされます。
有償ボランティア
有償ボランティアは、金銭を受け取る場合を言います。金額は活動によって違いますが、一般的には給料よりも少ないです。例えば、アルバイトは労働の対価として賃金を支払いますが、ボランティアは感謝の気持ちで謝礼金として受け取ります。そのため、ボランティアの最低賃金というのはありません。
ボランティア活動によっては、実費として受け取る交通費、食事なども有償とみなされることもあります。
ボランティアと似た言葉
ボランティアと意味合いが似た言葉がいくつかあります。今回は3つ説明していきます。
慈善活動
慈善活動とは、簡単に言うと「困っている人を助けること」です。
慈善は、恵まれない人々や被害にあった人々に経済的、物理的な援助をすること。情けや哀れみをかけることを意味しています。慈善活動は、特定の目的のために、労力や資金を援助しています。ボランティアや寄付もなども慈善活動に含まれます。
奉仕活動
奉仕活動は「対価を目的とせず、社会や地域のために行う労働」です。奉仕は、見返りを求めず国や社会、目上の者などに尽くすこと。商人が品物を安く売ることを意味しています。例えば、次のような事例は奉仕活動といえます。
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施設の清掃や植樹などの美化活動
学童保育等の支援
インターネット環境整備の支援
ボランティア相談・情報提供への支援
行事・イベントの運営補助
災害時のがれきの除去
緑の募金
等
プロボノ
プロボノの語源は、ラテン語の pro bono publicoの略で、「公共善のために」を意味しています。日本におけるプロボノは、社会人がスキルや技能を生かして参加する社会貢献活動のことです。プロボノは、ボランティア活動のひとつですが、社会人が仕事を続けながら自身が培ったノウハウを提供できるので、継続しやすい活動といえます。
ボランティア活動に参加するには
ボランティアは、団体やグループなど様々なところで活動しています。初めての方はどこに参加すればいいのか分からないでしょう。次の団体から、自分が興味あるボランティアを見つけることも可能です。
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・赤十字ボランティア
・activo
・green bird
・子ども食堂
また、全国にはボランティアセンターという施設が存在します。そこで、ボランティアコーディネーターという人がいるので、相談すればおすすめのボランティア活動を紹介してくれます。
ボランティア活動をするうえでの注意点
ボランティア活動は誰でも始められますが、無理をしないことが大事です。次のようなことに注意しながら、継続できる形にしましょう。
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相手の気持ちに寄り添って行動する。
自分ができる範囲で活動する
相手のプライバシーに配慮して、個人情報は厳守
周囲の家族や職場での理解を得る