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「ご自愛ください」の正しい使い方!ビジネスメールや目上の人に使う際の注意点とは

「ご自愛ください」は「自分自身を大切にしてください」ということ!

先輩

さっきから考えこんでるけど、どうしたの?
「身体を大切にしてください」をもっと丁寧に表現したくて・・・

新人

先輩

それならこれがピッタリよ!

「ご自愛ください」とは、”自分自身を大切にしてください”という意味をもつ言葉です。同じ読みの言葉で「慈愛」という単語がありますが、こちらは「慈(いつく)しみを注いで愛(め)でる」という意味の言葉です。

「自愛」= 自分の身体を「慈(いつく)しむ」「厭(いと)う」
「慈愛」= 可愛がる。深い愛情

同じ「じあい」と読む言葉ですが、自愛と慈愛ではこのように意味合いが異なります。手紙やメールの文末に「ご自愛ください」と締める言葉には、相手への心配りを含んで用いられます。

夏の暑さや冬の寒い時期、または体調の優れない人への気遣いとして使用します。

「ご自愛ください」の正しい使い方|例文

ここからは「ご自愛ください」の正しい使い方を解説していきます。

「ご自愛ください」の使い方

「ご自愛ください」は主に手紙やメールなどで使用する機会が多い言葉ですが、話し言葉としても使用可能です。“相手の健康状態への思いやりや気遣いの気持ち”をとても丁寧に表現した言葉として使うことができます。

「ご自愛ください」の使い方例文

実際に「ご自愛ください」が使用されるシチュエーションを、会話やメールなどのシーンに分けて例文でご紹介します。

「今年は残暑が厳しいですが、ご自愛ください」

暑中お見舞いや残暑見舞いのハガキなどでよく使われているフレーズです。ビジネスシーンでは、上司や取引先への挨拶状として出す機会が多く、季節の変わり目に合わせて訪れる「寒暖差に体調を崩さないように」と気遣う言葉です。

冬の季節には歳末の挨拶など、季節ごとに表現を変えながら時候の挨拶文として活用できます

「季節の変わり目で風邪が流行っておりますね。くれぐれもご自愛くださいませ」

季節の変化で起こる寒暖差による体調の変化を気遣った表現方法です。何気ない日常会話からビジネス会話まで幅広く用いられます。

「ご自愛ください」という言葉自体が丁寧な表現ですが、ビジネスシーンで使用するときは「どうぞ」や「何卒」、「くれぐれも」という言葉を前につけて、より丁寧に表現したほうが適切です。

親しい間柄や相手との距離が近い関係性の場合、「ご自愛してください」「ご自愛してね」など、表現を多少崩して使用してもOKです。

「妊娠おめでとうございます!どうかご自愛の上お過ごしください」

妊娠した相手へのお祝いの言葉の締めとして使用した例文です。この例文のケースでは妊娠ですが、「出産」に置き換えても使用でき、相手の身体を労わるシチュエーション全般に応用できる表現方法です。

「ご出産おめでとうございます。どうかご自愛の上お過ごしください。」
「ご快復おめでとうございます。くれぐれもご自愛なさってください。」
「ご多忙かと思いますが、何卒ご自愛ください。」

相手の身体に負担が掛かっている様子や健康状態の不調に対し、気遣いや労わりが必要なシチュエーションなどに用いることが可能です。

「ご自愛ください」をビジネスメールや目上の人に使う際などの注意点

目上の人にも使える言葉の「ご自愛ください」ですが、使用するときには前後につける言葉やシチュエーションなど、気をつけておく注意点がいくつかあります。特にビジネスメールや上司に使用する場合は相手に不快感を与える恐れがあります。

「ご自愛ください」を使用するときの注意点について解説しましょう。

注意①

誤用に多いのが「お体ご自愛ください」という表現です。そもそも「ご自愛」という言葉自体に「【自分自身の身体】を大事にしてください」という意味があり、ご自愛の前に「お体」を加えると体という言葉が重複した使い方になってしまいます。

丁寧に表現するのであれば「どうぞ」「何卒」や「~ますようお祈り申し上げます」などの敬語などを用いた丁寧な言葉で繋げた方が適切です。

「どうぞご自愛くださいますようお祈り申し上げます。」
「何卒ご自愛のほどお願い申し上げます。」
「くれぐれもご自愛ください。」

注意②

「ご自愛ください」は体調が悪い人に使うべき言葉ではありません。「ご自愛ください」は相手の身体を労わる表現ですが、「体調を崩さないように~」「くれぐれも体に気をつけてください」と”これから体調を悪くしないように”気遣っている言葉です。

既に健康状態が悪い人や入院中の人が言われると不快に感じたり、常識を疑われる恐れがあるので、上司や取引先以外にも使用するのは絶対に避けるべき表現です。

体調が優れない人には「ご自愛」ではなく「お大事に」に言い換えて伝えるのが無難です。

「どうぞお大事になさってください。」
「お体をお大事になさってください。」
「ご無理をなさらぬよう、お大事にお過ごしください。」

「ご自愛ください」の類語・言い換え表現

「ご自愛ください」を使う際には、先述の「お大事に」のように言い換えて表現したほうが良い場面があります。例えば体調が優れない人には「お体を大切にしてください」のような「ご自愛ください」の類語を用いた言い換え表現を使いましょう。

「ご自愛ください」の言い換え表現には

「お体を大切に/大事にしてください」
「お労りください」
「お風邪など召されぬように~」
「お厭といください」

などの日常会話やビジネスマナーとして使われる言い換え表現があります。

「お体を大切に/大事にしてください」

「どうぞお体を大切に/大事にしてください。」
「何卒お体を大切に/大事になさってください。」

「~してください。」は日常会話やビジネス会話でも幅広く使うことができ、親しい相手にも気軽に使える表現です。

上司や取引先が相手のビジネスシーンで使用する場合は「~なさってください。」のように、より丁寧な言葉に置き換えて使用するのが適切です。

「お労りください」

「ご自愛」の意味に含まれる【労わる】を抜き出して表現することも可能です。「お大事に」よりも気遣いの気持ちが強い表現方法です。日常会話で使用される機会が少ない敬語表現なので、ビジネスシーンでの挨拶やメールの締めの文章として用いられます。

「無理のないよう、どうぞお体をお労りください。」
「お体にさわらぬよう、お労りください。」

「労(いた)わる」とは、相手に対して優しい気持ちで気遣う意味の言葉です。同じ読みに「労(ねぎら)う」がありますが、こちらは目下の人間に用いられる言葉なので【労う】との使い分けに注意しましょう。

【労わる】と【労う】の使い分け
「労(いた)わる」⇒ 上司や取引先、年上などの目上の相手
「労(いた)わる」⇒ 部下や後輩などの目下、もしくは距離感の近い相手

「お風邪など召されぬように~」

この例文で用いられている「召されぬ」とは、招くという意味の「召す」と「しない」の尊敬語である「されない」を用いて丁寧に表現した言葉です。「風邪や病気を招くことのないように~」と体調を崩さないことを気遣った表現方法です。

「~お気をつけください。」
「~お体をお労りください」
「お風邪などを召されぬようにくれぐれもご自愛ください。」

などの類語と組み合わせることもできます。ビジネスシーンで丁寧な言葉として使い分けることが可能です。

「お厭いください」

「お厭い」は【おいとい】と読み、「避ける」や「かばう」、または「大事にする」という意味の言葉です。「厭い」は【大和言葉】であることから、年配の方に対して使用するのが適切です。

漢字で「厭」を書くと「いや」とも読めるので、手紙やメールの場合は平仮名を用いた方が良いケースがあります。

「大和言葉」とは?
大和言葉は漢語や外来語とは異なる日本で生まれた生粋の日本語です。現在では日本人独自の固有語とされていますが、本来は和歌や雅語を指します。「源氏物語」など、平安時代の文献に大和言葉が使用されていることが確認できます。

「ご自愛ください」の英語表現

「ご自愛ください」の英語表現も確認しておきましょう。

「ご自愛ください」は英語で・・・
Please take care of yourself
と表現できます。

今すぐ使える例文はこちらから確認してください!

・The heat is severe this year, please take care of yourself.
⇒今年は残暑が厳しいですが、ご自愛ください。
・At the turn of the seasons, it is highly probable to catch a cold. Please take good care of yourself.
⇒季節の変わり目で風邪が流行っておりますね。くれぐれもご自愛くださいませ。
・Congratulations on your pregnancy! Please take good care of yourself!
⇒妊娠おめでとうございます!どうかご自愛の上お過ごしください。
・Congratulations on your birth. Please take good care of yourself!
⇒ご出産おめでとうございます。どうかご自愛の上お過ごしください。
・I believe you ae very busy, but please take care of yourself!
⇒ご多忙かと思いますが、何卒ご自愛ください。

「ご自愛ください」の正しい使い方を覚えて、相手への心配りを表現しよう!

「ご自愛ください」は、相手の健康状態や季節の挨拶文の締めとしても使える気遣いの表現方法です。使用するときは相手との関係性やシチュエーションなども考えた心配りが必要です。正しく「ご自愛ください」を使って相手を気遣ってくださいね!