器量には3つの意味がある
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『器量』は、人の才能や容貌を表す言葉です。3つの異なる意味があり、次にそれぞれ詳しく説明します。
器量とは『ある事をするのにふさわしい能力や人徳』
1つ目の意味は『ある事をするのにふさわしい能力や人徳』です。たとえば、寛大で人望のある人のことを「器量が大きい」や「器量人」と表現します。似た意味の言葉に、「才能」、「技量」、「甲斐性」、「度量」などがあります。
器量とは『容貌・顔立ち』
2つ目の意味は、『容貌、顔立ち』という意味で、主に女性に対して使うことが多いです。「器量よし」なら「顔立ちが美しいさま」を表しており、「器量好み」は「顔立ちのきれいな女性を好む」という意味です。類語には、「顔立ち」、「容貌」、「面立ち」などがあります。
器量とは『その人の能力に対して世間が与える評価』
3つ目の意味は、『その人の能力に対して世間が与える評価』です、主に男性に対して用います。「評価を上げる」ことを「器量を上げる」といい、世間の評価が上がったことを意味するほめ言葉です。類語には、「面目」、「体裁」、「面子」などがあります。
器量の意味をチェック
昨今は、美しさを表す「器量よし」や才能や資質の高さを表す「器量がある」という言葉を用いることは少ないです。次に紹介する器量の語源や対義語を知れば、器量という言葉の意味がより理解できるのではないでしょうか。多くの言葉を理解して用いることで、豊かな文章表現ができるようになります。
器量の語源
器量は、「器」と「量」の2つの漢字から成る言葉ですが、この「器」は文字どおり「うつわ(お皿)」を指しています。一方「量」は、度量衡という古い計量や計測の呼び方からきています。
度量衡とは、度は長さ、量は容積、衡は重さを意味しており、器量の「量」は「うつわの容積」のことです。すなわち「器量よし」とは、表面的なものより内面からあふれ出る情緒的な風情を表しているのです。
現代では、「器量よし」や「器量好み」などと用いる場合は、どちらかというと表面的な美しさを表すことが多いでしょう。ただし「器量が大きい」や「器量人」のように、内面的な評価を表す意味も残っています。
器量の対義語は?
器量には複数の意味があるため、対義語もいくつかあります。たとえば「器量よし」の対義語は「不器量」です。この不器量は相手の外見をけなす言葉でもあるため、使うときは注意が必要です。
心が広いことを表す「器量が大きい」の対義語は、「器量が小さい」や「度量が狭い」です。また、才能や資質があることを意味する「器量がある」の対義語は、「器量がない」や「器量が乏しい」です。
『器量』の英語表記
器量にはいくつかの意味が含まれるため、それぞれの意味に対する英語訳を紹介します。
【looks(容貌)】
She is a good singer and has looks as well.
彼女は歌もうまいし器量もいい。
【ability(才能)】
He is a person who has ability.
彼は器量のある人です。
【caliber(能力、力量)】
I want to hire a person of high caliber as our manager.
私は、マネージャーとして優れた人物を雇いたい。
器量と度量の違い
器量に似た言葉に「度量」という言葉があります。度量には2つの意味が含まれ、
1つ目は「長さをはかるものさしと容積をはかる枡」を意味し、2つ目は「心の広さや寛大さ」を意味します。もともと「ものさしと枡」という「長さと容積」を表す言葉でしたが、今では2つ目の「寛大さ」を意味することがほとんどです。
「度量がある」という場合、「相手の意見を認める心の広さがある」ことを意味します。反対に「度量がない」というと「寛大ではない」という否定的な意味になるのです。
それでは、器量と度量の違いを例文からみてみましょう。
◾️彼は経営者としての器量を備えている。
◾️私の上司は度量が大きいのでみんなに慕われている。
この2つの例文からもうかがえるように、度量は「人間性」を、器量は「才覚や資質」を表していることが多いようです。
器量の使い方・例文
それでは器量はどのように使うのでしょうか。次の例文をみてみましょう。
先輩
上司
器量には複数の意味があることを理解しよう
器量には、複数の意味があります。女性の容貌や人の資質を表すことが多く、たとえば「器量よし」や「器量がある」などと使います。
しかし、器量は表面的な美しさだけでなく、その人の内面を表すときも使う言葉です。その意味をきちんと理解して使うようにしましょう。