弊害とは『害になる悪いこと』
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上記の会話に出てくる弊害は、『害になる悪いこと』という意味の言葉ですが、先輩が言うとおり『弊害』と「障害」は、同じ「害」という文字が使われていてもニュアンスや使い方が異なります。
この記事では『弊害』の意味や語源、対義語を紹介するとともに、「障害」との違いについてもわかりやすく解説します。ぜひ正しい意味を覚えていってくださいね。
弊害の意味をチェック
先述のとおり、弊害は『害になる、悪いこと』という意味です。使い方をみると『弊害』という言葉が単体で使用されることはほとんどありません。弊害という言葉の後には「を及ぼす」や「をもたらす」「がある」などの言葉が続きます。それでは、さらに具体的な意味を解説しましょう。
ほかの何かに悪影響を及ぼすこと
弊害(へいがい)とは『ほかの何かに悪影響を及ぼすこと』または『害そのもの』のことです。よく間違えられる「併害」という言葉は存在しません。この漢字で覚えてしまっている人は、複数の害が合わさっていることが併害であると、意味についても間違えて覚えてしまっている可能性があります。
正しくは『弊害』で『何らかの出来事によって悪影響を及ぼすこと』です。この記事でしっかりと覚えておきましょう。
弊害の語源について
ここでは、弊害の語源について説明します。
弊害の漢字を分けてみると「弊」と「害」ですね。この「弊」という文字は「破れる」「悪い」「疲れる」などの意味があります。一方「害」には「災い」「損なう」という意味があり、2つの漢字で構成されているのが『弊害』という熟語というわけです。
2つの漢字の意味を見てみてもマイナスな意味しかありません。つまり弊害という言葉はよくない状況のときに使用される言葉となります。
弊害の対義語は?
それでは弊害の反対の意味になる対義語を確認してみましょう。弊害の対義語としてはおもに次の3つが挙げられます。
◾️賜物(たまもの) : 他人から与えられたありがたいもの、あることをしたことで得られたいい結果のこと
◾️恩恵(おんけい) : 他人から受けるめぐみや慈しみのこと、その存在のおかげでいい影響を受けられている状況のこと
◾️成果(せいか) : あることをしてなし得たいい結果のこと、得られた結果がいい状態であるときに使用される
弊害がマイナスな意味で使われている言葉のため、対義語であるこれら3つの言葉はすべてプラスの意味で使用されます。
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弊害の英語表記
『弊害』に当てはまる英単語は特にありません。英語圏ではニュアンスなどでさまざまな英単語を使い分けています。ここでは、弊害という意味で使用される代表的な英単語を例文とともに紹介します。
【adverse effect(不運な影響)】
This foods has an adverse effect on my health.
この食品は私の健康に弊害をもたらします。
【harmful effect(有害な影響)】
This TV show has a harmful effect on children.
このテレビ番組は子供に弊害を与えます。
【bad effect(悪い影響)】
The doctor told us what is the bad effects of smoking cigarettes.
医師は私たちに喫煙の弊害について話した。
弊害と障害の違い
冒頭の会話文でも触れましたが、弊害に似た言葉の一つに「障害」があります。両方の言葉に「害」という文字が使われているため、障害も害そのものだと思ってしまう人が多いです。しかし、実際はまったく違う言葉だといえます。
障害とは、計画を達成に向けて進行している最中で妨げとなるものや事柄のことです。弊害は『害そのもの』を表しているのに対して、障害は計画を妨げるもののことで害そのものではありません。
ただし、障害があった結果、周囲に悪影響を及ぼすこともあるため注意しましょう。
弊害の使い方・例文
それでは実際に『弊害』という言葉をどのように使用するのか、例文を2つ挙げて説明します。
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上司
弊害の意味を正しく理解して使おう
弊害と障害は似たような言葉ではありますが、正しい意味を理解すると違いがわかります。またビジネスシーンにおいて、ストレートに「このやり方では悪影響を及ぼします」というよりも「このやり方では弊害が生じます」のほうが柔らかい印象になります。ぜひ話す相手によっても使う言葉を選んでみてくださいね。