『弁える』とは『見分ける』『心得る』という意味
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『弁える』の読み方は『わきまえる』です。漢字で見ることはあまりないかもしれませんが、会話の中では比較的よく使われる言葉です。しかし、多くの人がなんとなくのニュアンスで使っており、正確な意味は説明できないのではないでしょうか。
このさき、使用方法を間違えないためにも、ここで意味を再確認し、あわせて使い方、類語、英語表気についてもしっかり覚えていってください。
『弁える(わきまえる)』の意味・使い方
『弁える』は、『物事の道理を心得ている』の意味で使われることが多いです。しかし、ほかにも『物事を区別する・見分ける』を指す場合もあるので、どちらの意味なのかは前後の文脈で判断しなければなりません。
それでは、それぞれの意味での使い方を、例文を使ってチェックしていきましょう。
■彼にはもっと立場を弁えるよう言い聞かせなければならない。
■身分を弁えるよう努めていたが、それではこの組織は良くならないと思う。
■私はことの善し悪しを弁える能力が無いと自負している。
■場の空気を弁えた言動ができる人間になりたい。
また、『弁える』には、『つぐなう』や『弁償する』の意味ももっています。現代ではこの意味で使う場面は少ないかもしれません。
○○を弁える
態度を弁える、言動を弁えるなど、『○○を弁える』といった使い方をすることが多いですよね?その中でも『分を弁える』『TPOを弁える』とは、いったいどんな意味なのでしょうか。比較的よくある表現方法なので、ここで一緒に覚えておきましょう。
ぶんをわきまえる。
『ぶん』も『ぶ』も間違いではないとされていますが、正式には『ぶん』です。
『自分自身の身の程を理解し、出過ぎたことをしない』ことを意味します。
TPOは略語でそれぞれの単語の頭文字から成っています。
『T=TIME=時間』『P=PLACE=場所』『O=OCCASION=場合(機会)』
服装や言動において、時間、場所、どんな場面なのかを考慮して適切に振る舞うことを『TOP』といいます。
『TOPを弁える』とは、『TOPを心得る』と解釈すれば問題ないですが、「この場にはどんな服装が適切かな?」を『見分ける』と判断したほうがいい場面もあります。
『弁える』の類語
『弁える』の類語は、『見分ける』か『心得る』で表現方法が異なります。
・識別する
・区別する
・ほどほどにする
・節制する
・身の程を知る
・身の丈に合わせる
・分別をつける
・背伸びしない
なお、『身の程を知る』『身の丈に合わせる』は、『弁える』の類語ではありますが、多少ニュアンスは異なるので、正確な意味もあわせて覚えておいてください。
【身の程を知る】
自分自身の能力や身分を心得る。
【身の丈に合わせる】
自分自身の能力や身分に合わせる。
『弁える』の英語表現
英語では、何を『弁える』のかで表現方法が異なります。
・remember my place
自分の立場を弁える
上司
また、TPOを弁えた服装にしてもらいたい場合、言動を弁えてもらいたい場合には次の表現ができます。
・Please make sure to dress appropriately.
適切な服装をしてください。
・Please be careful about what you say and do.
言動に気を付けてください。
『弁える』言動ができる人になろう
ときには立場を超えた発言や行動が必要なこともあります。しかし、常にこのような言動をする人は、場の空気を乱したり、トラブルの原因を作ったりする可能性も高くなります。
『弁える』必要がある場面かどうか、適格に判断して行動していきましょう。