付け焼き刃には2つの意味がある
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このようなシーンはたまにありますよね。しかし、付け焼き刃には上記のシーンとは別の意味もあることをご存じでしょうか?この記事では付け焼き刃の意味だけでなく、にわか仕込みとの意味の違いや正しい言葉の使い方について解説します。
付け焼き刃とは『切れない刀に、はがねの焼き刃を付け足したもの』
1つ目の付け焼き刃とは『刀の切れ味が悪くなった時に、応急処置として鋼の焼き刃を付け足して使用する』という意味です。刀が切れなくて使い物にならないとき、身近に鍛冶屋がいない、依頼する時間がないと状態に直面するときがあります。そのとき一時的な処置として鋼の焼き刃を付け足す方法のことを指すのです。
付け焼き刃とは『その場をしのぐために覚えた知識や技術』
2つ目の付け焼き刃とは、先ほどの会話の例にもあったように『一時的に知っていた技術でその場を耐える』ことを意味します。問題が発生したときや対応までに時間が限られているとき、自分たちの持っている知識や技術を使って乗り切ることです。
付け焼き刃の意味をチェック
付け焼き刃には『持っている技術でその場をなんとか乗り越える』という意味があります。ここでは更に詳しく意味を確認するために言葉の成り立ちや対義語について確認しましょう。
刀鍛冶(かたなかじ)・日本刀に関する用語の1つ
そもそも付け焼き刃とは、刀に関する用語の1つで、『切れ味が悪くなった刀に鋼の焼き刃を付け加えたもの』であると説明しました。刀は本来地金を何度も打って作るものなので、鋼の焼き刃を加えると見た目は元通りの刀に戻ったように見えますが、実際はもろくて役に立ちません。そのため『一時的に間に合わせた対応』という意味にもなります。
対義語は「用意周到」
付け焼き刃の対義語は、用意周到です。用意周到は、「準備が怠りなく行われていること、不備がなく準備されていること」を意味します。対義語を確認することで付け焼き刃の意味が更に理解できるのはないでしょうか。
付け焼き刃の英語表記
付け焼き刃の英語表記は『pretension』『surface』『stopgap』『veneer』といくつかの単語が挙げられます。日本語における付け焼き刃の意味をそのまま表す言葉はありません。その場面によって最も適した単語を使い分ける必要があります。それぞれの例文も合わせて紹介します。
【pretension】
She has pretension to learning.
彼女は学者気取り(付け焼き刃の学者)だ。
【surface】
My knowledge is only on the surface.
私の知識は付け焼き刃にすぎない。
【stopgap】
It’s a stopgap measure.
それは一時しのぎ(付け焼き刃の手段)です。
【veneer】
This is a veneer of culture.
これは見せかけだけ(付け焼き刃)の文化だ。
付け焼き刃とにわか仕込みの違い
付け焼き刃と似た意味をもつ「にわか仕込み」という言葉をご存じでしょうか。にわか仕込みには、商品が必要になってから急いで仕込むこと、間に合わせるために大急ぎで覚えることというほぼ同じ意味であり、類語の1つです。明確な使い分けや、違いはありません。
また「一夜漬け」も類語の1つですが、一夜漬けの場合は勉強や知識のことを指し、付け焼き刃は知識や態度で使われることが多いです。
付け焼き刃の使い方・例文
ここでは、付け焼き刃という言葉が日常やビジネスシーンでどのように使われているか確認していきましょう。
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付け焼き刃の正しい意味を理解して使用しよう
付け焼き刃は「持っている技術や知識でその場を耐える」という意味であることを説明しました。対義語や類義語と合わせて確認することで更に理解度が増したのではないでしょうか。付け焼き刃はちょっと硬い言葉に聞こえるかもしれませんが、会話の中でたまに使用することで相手もおっ!と感じることでしょう。ぜひ今日からでも会話や文章で使ってみてください。