周知とは?言葉の意味と使い方、語源から英語表記まで詳しく解説

周知には2つの意味がある

上司

来月からテレワークの日が増えるので、作業マニュアルも変更箇所がある。この書類にまとめておいたから、周知しておくように。
えーと、すみません。周知って何ですか?

新人

上司

やれやれ、周知の言葉の意味から周知しなければいけないのか。

周知はビジネスの場面ではよく登場する言葉です。社内や部署内のルールとして「周知徹底」といったフレーズが掲げられることもあります。この周知という言葉、2つの意味があることを知っていましたか?

意味は近いのですが、微妙な違いがあって、使う場面も異なります。その2つの意味を説明していきましょう。

周知とは『広く知らせること』

『周知』が持つ1つ目の意味は『広く知らせること』です。より一般的なのはこちらの意味といっていいでしょう。

業務連絡などで使われることが多いのは『広く知らせること』という意味のほうです

周知とは『広く知れ渡っていること』

もう1つの意味は『広く知れ渡っていること』です。「周知の事実」という言葉はこちらの意味で使われています。周知という言葉を正しく理解するにはこの2つの意味を知っておくことが必要です。

周知の意味をチェック

周知には『広く知らせること』と『広く知れ渡っていること』という2つの意味があります。それぞれの使い方について、くわしく説明していきましょう。

動詞的用法と名詞的用法があることに注意

周知の2つの意味は微妙に重なるところがあるので、混同してしまいそうになるかもしれません。『広く知らせること』を動詞的な使い方、『広く知れ渡っていること』は名詞的な使い方として覚えておくと、区別しやすくなります。

『広く知らせること』という意味の周知は命令、依頼、注意喚起、情報の共有をうながすなどの場面で使われます。一方、『広く知れ渡っていること』という意味の周知は状態を指す言葉なので、使う場面は限定的ではありません。

周知の語源

周知という言葉の「周」には「あまねく」という意味があります。ものがすみずみまで行き渡っている状態を指す言葉で、田の中に米がいっぱいある状態に、口をつけて、「周」という言葉になったのが語源とされているのです。この「周」に「知る」という意味の「知」をつけて、『周知』という言葉になりました。

上司や目上の人に使う時は注意が必要

この『周知』という言葉、上司や目上の人に使う場合には注意が必要です。『広く知らせること』という意味の『周知』は命令や依頼の場面で使われることが多いため、上司に対して、「周知しておいてください」と使うことはほぼありません。まわりにも知らせておくように、というニュアンスを含んでいるからです。似た意味で使うならば、「ご承知おきください」がいいでしょう。

もう1つの意味の『広く知れ渡っていること』の『周知』も注意が必要な言葉です。「周知のとおり」という言葉には「知っていて当然」「知っていて当たり前」というニュアンスがあるため、上司や目上の人に使うと、無礼だと思われる危険性があります。言葉はとてもデリケートなものです。使い方に気をつけましょう。

周知の英語表記

周知を表す英語はいくつかあります。それぞれ例文と合わせて紹介しましょう。

例文

【well-known(よく知られた)】
He is the well-known actor.
彼はよく知られた俳優です。

【widely known(広く知られた、周知の)】
Mt. Fuji is widely known in the world.
富士山は世界に広く知られています。

【as everybody knows(周知のように)】
As everybody know, chicken can’t fly.
誰もが知っているように、ニワトリは飛べない。

周知と衆知の違い

周知の類義語は拡散、啓蒙、伝達などですが、ここでは同じ響きを持つため、混同することの多い言葉である「衆知」との違いを説明しましょう。

「衆知」は『周知』と同じく「しゅうち」と読みます。「衆」にはたくさんの人という意味があり、「衆知」の意味は「多くの人の知恵」です。「衆知を結集して、難題に取り組む」などの使い方をします。『周知』の「知」は「知らせる」の「知」で、「衆知」の「知」は「知恵」の「知」なのです。

響きが一緒で、「知」という漢字が共通していますが、それぞれ意味が違うことを理解しておいてください。

周知の使い方・例文

周知は使われることの多い言葉であり、ビジネスのさまざまな場面で使われています。具体的な例文をみていきましよう。

例文1

先輩

来週から会社の食堂を使うルールが変更になります。対面は避けるようにとのことだから、部署のみんなにも周知しておいてね。
大切なことですよね。はい、しゅうちしました!

新人

先輩

社内でのダジャレは禁止よ。このこともみんなに周知して!
例文2

新人

ボクのダジャレが職場の空気を明るくしているのは周知の事実なんだけどなあ。
周知の事実なのはキミのダジャレがみんなを脱力させているってことよ!

先輩

周知の意味を理解して正しく使おう

周知はビジネスの様々な場面でよく使われる言葉です。情報の共有という組織の基本的なルールの伝達で使われることが多いのですが、上司に対しては基本的には使わないため、正しい使い方をマスターしておくことが求められます。意味が2つあることを認識したうえで、正しい使い方をしてください。