『焼け石に水』とは『わずかな努力では効果がない』という意味
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『焼け石に水』は、『わずかな努力では効果がない』という意味のことわざで、比較的広く使われています。しかし、正しい意味を理解している人がどのくらいいるでしょうか。もしかしたら、間違って使っているかも?
ここでは正しい意味や使い方のほか、同義語、英語表現についても紹介します。
『焼け石に水』の語源・意味
焼いて高温になった石に、少しの水をかけただけでは石は冷えないさまが、『焼け石に水』の語源となっています。そこから派生し、次の意味をもつことわざとなりました。
■事態が悪化した場合、収拾しようと思ってもわずかな努力では効果がない。
■あまり意味がない
『焼け石に水』の使い方・例文
『焼け石に水』は、『事態を収拾しようとしたけどあまり意味がなかった』『〇〇をやろうとしたけど効果が薄かった』というニュアンスで使います。それでは例文をいくつか紹介するので、場面を想像しながら読んでみてください。
■10万円の給付金をもらっても、収入が100万円減った私にとっては焼け石に水だ。
■沸騰したてのお湯に小さな氷を1個だけ入れても焼け石に水だ。すぐには飲めない。
■同業種の企業から不足していた材料を支援してもらったが焼け石に水で終わった。
『焼け石に水』の類語
『焼け石に水』を、ほかの言葉に言い換えたい場合はこのようなものがあります。
・効果がない
・無効
・無意味
・役に立たない
・鳴かず飛ばず など
また、『焼け石に水』と同じような意味をもつことわざもいくつか紹介しておきますね。
【二階から目薬】
にかいからめぐすり。
思うように物事が進められずもどかしいさま。
【遠火で手を焙る】
とおびでてをあぶる。
効果が感じられずもどかしいこと。
【付け焼き刃】
つけやきば。
その場しのぎで覚えたり身に付けたりした知識や技術。
『焼け石に水』と反対のことわざ
『焼け石に水』とは反対の意味をもつことわざには次のようなものがあります。
【火に油を注ぐ】
ひにあぶらをそそぐ。
勢いがあるものをさらに勢いづかせること。
【青菜に塩】
あおなにしお。
人が元気を失いしょげているさま。
青菜に塩をふるとしんなりする様子から生まれた言葉。
【吠える犬にけしかける】
ほえるいぬにけしかける。
感情が高ぶっている人に対し、さらに煽り立てること。
『焼け石に水』の英語表現
『焼け石に水』を英語で表現する場合は、『効果がない』『意味がない』といった意味の言葉が使われます。
■an exercise in futility
(無駄な働き)
■an effort that’s bound to fail
(絶対失敗になる努力)
また、これらのほかに『わずかな量』『たいしたことはない』という意味の『a drop in the bucket』 があります。
そのまま訳すと『バケツの中の一滴』ですが、『バケツの中に一滴の水があったところでなんの役にも立たない』ということから、英語圏では『焼け石に水』の意味で使われているわけです。
ちなみに、『a drop in the bucket』は、次のことわざの英語表現としても使われるので、マメ知識として覚えておくと便利です。
■雀の涙(すずめのなみだ)
■滄海の一粟(そうかいのいちぞく)
ときには『焼け石に水』の努力も必要
「こんなことをしてもたいして効果がない」と思うことは多々あるでしょう。しかし、ビジネスシーンにおいては「無駄なんだけどなぁ」と思っても、後に信用につながる場合があります。『焼け石に水』だと思っても、状況に応じて努力を惜しまないようにしましょう。