堪えるには3つの意味がある
新人
先輩
新人
先輩
この会話のように『堪える』とは『苦痛を我慢する』という意味で使われます。しかし同じ『堪える』でも実は読み方が3種類あり、それぞれで微妙にニュアンスが異なることをご存知でしょうか。
この記事では『堪える』について3つの意味や語源、英語表記などを紹介します。日常会話で何気なく使っている『堪える』の意味を正しく理解しておきましょう。
堪える(たえる)とは『苦しみや悲しみを我慢する』
1つ目は「たえる」と読みます。『苦しみや悲しみを我慢する』ときに使われる言葉で、冒頭の会話文のような使い方です。我慢するという意味があることから、外部から加えられる力に負けずもちこたえるという意味も含まれます。
「もちこたえる」ことができるということは、任務や負担に対応するだけの技量や能力が備わっていることを表すため、堪えるという漢字は「堪能」という熟語にも使われているのです。
堪える(こたえる)とは『我慢できないほどに苦しい』
2つ目は「こたえる」と読みます。『我慢できないほどに苦しい』という意味です。ただ我慢しているだけの状態よりも、さらに厳しい状況のときに使います。「踏み堪える」などと動詞と一緒に使われることも多いです。
堪える(こらえる)とは『苦しみや痛みなどを我慢し続ける』
3つ目は「こらえる」と読み、『苦しみや痛みなどを我慢し続けている』という意味です。「涙を堪える」などとよく使われますが、これは涙を我慢し続ける様子を表しています。
「たえる」と「こらえる」は我慢している様子ですが、2つ目の読み方である「こたえる」は「もうすぐ我慢できなくなってしまうギリギリの状態」です。それぞれにニュアンスが異なるため覚えておきましょう。
堪えるの意味をチェック
前述のとおり、堪えるには「たえる」「こたえる」「こらえる」という3つの読み方と意味がありました。どれも共通していえることは『苦痛や悲しみなどを我慢している』ことです。ここではさらに詳しい意味をチェックしてみましょう。
堪えるの語源では『優れている』という意味もある
堪えるの語源は我慢する意味のほかに『優れている』という意味も含まれています。先に説明したとおり堪えるとは、任務や負担に対応するだけの技量や能力が備わっていることを表しているため、人よりも優れているという意味でも使えるのが特徴です。
「堪えられない」は良い意味でも使われる
「堪えられない」は一見して『堪える』の否定形に見えるかもしれません。もちろん、否定形の意味として「こんな状況にはもう堪えられない」のように使われることもあります。
しかし「堪えられない旨さ」などと、このうえない美味しさを表現するときにも使われるため覚えておきましょう。
新人
堪えるの英語表記
堪えるの英語表記は複数あるため、例文と一緒に紹介していきます。
【lose】
I have lost all my patience with you.
あなたにはもう堪えられない。
【abide】
I cannot abide dirt very much.
私はとても不潔には堪えられない。
【tolerate】
He don’t have to tolerate it anymore.
彼はもう堪えなくていい。
【put up】
I can’t put up with her either.
私も彼女には堪えられない。
【bear】
She bears it to ache.
彼女は痛みに堪えている。
【endure】
He endures a pain.
彼は痛みに堪えている。
堪えると耐えるの違い
堪えるの類義語として挙げられるのが「耐える」です。これは「たえる」と読み、堪えると混同してしまう人も多いでしょう。
耐えるとは「精神的・肉体的の苦痛を我慢し続ける」という意味があります。これは堪えるとほとんど同じ意味のため『堪える』から「耐える」に言い換えることが可能です。
しかし耐えるには、堪えるに含まれている『優れていること』という意味はありません。そのため「耐えられない旨さ」とは使えないのです。耐えるはマイナスなイメージのときにだけ使いましょう。
堪えるの使い方・例文
最後に堪えるという言葉を会話に取り入れた例文を紹介します。
新人
先輩
新人
読み方が違うそれぞれ『堪える』を正しく理解しよう
『堪える』という1つの言葉に対して、3つの読み方と意味がありました。どれも苦痛などに我慢する様子を表現していますが、ニュアンスの違いで使い分けておきましょう。
また場合によっては『堪える』から「耐える」に言い換えは可能ですが、良い意味で使う場合には言い換えられないことに注意しておいてくださいね。