奏でるには2つの意味がある
先輩
上品な音色を聞きながら食べたお料理は、本当に美味しかった!
新人
上司
新人
上の会話のように『奏でる』には2つの意味があることをご存知でしょうか。今回は、奏でるの正しい意味や使い方、英語表記などについて解説します。これを機会にぜひ覚えてくださいね。
奏でるとは『管弦楽器などを使って音楽を演奏すること』
1つ目の意味は、前述のとおり『音楽を演奏すること』です。特に『管弦楽器などを使って演奏すること』をいいます。管弦楽器とはピアノやフルート、トランペット、ギターなどのことです。この意味は多くの人が知っているかもしれませんね。
奏でるとは『手足を動かして舞う・踊ること』
2つ目の意味は『手足を動かして舞う・踊ること』です。こちらの意味は「古事記」や「今昔物語」などに登場していたため、現代では一般的な意味ではありません。ただし『奏でる』を辞書などで調べるときには2つ目の意味として登場するため覚えておきましょう。
奏でるの意味をチェック
管弦楽器などで音楽を演奏したり、手足を動かして踊ったりすることを『奏でる』といいます。ここではさらに詳しく意味を掘り下げてみましょう。
奏でるの語源も2種類ある
奏でるの意味が2つあったように、語源も実は2種類あります。
1つ目の語源は、昔の言葉で「かきなづ」です。「かき」は「掻き」、「なづ」は「撫でる」を意味しており、ギターなどの弦を指で弾きながら演奏する様子を表しています。
2つ目の語源も昔の言葉である「かいないづ」に由来しています。「かいな」は「腕」、「いづ」は「出る」という意味です。つまり「かいないづ」は「腕が出る」ことを表しています。
このことから「かいないづ」は手を動かして踊るようすを表現しており、そのうち「かいないづ」がなまり『奏でる』になったとされているのです。
奏でるは上手い演奏のときに使われるのが一般的
奏でるの意味を見てみると、決して演奏の上手い下手に関しては言及されていません。しかし、奏でるという言葉を下手な演奏に対してはあまり使わないのです。
例えば「ギターを弾くのが下手だ」という文章は何の違和感もありません。これが「ギターを奏でるのが下手だ」とは聞かないですよね。また「ギターを弾く」よりも「ギターを奏でる」というほうが高い演奏技術があるように感じます。
このように
新人
奏でるの英語表記
奏でるの英語表記はおもに2種類あるため、ここでは例文を使って紹介します。
【perform】
The tone that is wonderful even if anyone perform it is an exciting guitar.
たとえ誰が奏でても素敵な音色が出るギターだ。
【play】
She also had a hobby of playing the Biwa.
彼女には琵琶を奏でる趣味もあった。
奏でると弾くの違い
先にも少し触れましたが、奏でると同じように使われるものとして「弾く」という語句があります。
奏でるとはおもに『管弦楽器を使って音楽を演奏すること』でした。一方「弾く」とは「弦楽器や鍵盤楽器を使って音楽を演奏すること」という意味があります。
弦楽器はギターやチェロ、バイオリンなどの弦を弾いて音を出す楽器です。鍵盤楽器はピアノやオルガンのように鍵盤を押して音を出す楽器をいいます。両者ともに「弦楽器」に対して使われる言葉ですが、奏でるは鍵盤楽器には使われず、弾くは管楽器には使われないのが特徴です。
例えば「フルート(管楽器)を奏でる」とはいいますが「フルートを弾く」とはいいません。言い換えるのなら「フルートを吹く」ですよね。
ただしピアノは鍵盤楽器ですが、内部構造で弦を使っているため弦楽器とも考えられています。そのためピアノのような複数の種類が組み合わさっている楽器の場合は「ピアノを弾く/ピアノを奏でる」の両方とも使われるのです。
奏でると弾くは、どんな楽器に対して使うのかをよく考えてから使い分けてくださいね。
奏でるの使い方・例文
最後に奏でるという言葉を使って例文を2つ紹介します。
新人
上司
先輩
楽器によって『奏でる』と「弾く」を使い分けよう
奏でるは「管弦楽器」、弾くは「弦楽器と鍵盤楽器」を使って音楽を演奏する意味でした。両者の違いは「何の楽器を使うか」という部分です。弦楽器の場合には両方の言葉を使えます。
この違いを正しく理解して、楽器によって言葉を使い分けましょう。また「踊る」という意味があることも覚えておいてくださいね。