兆しとは『何かが起ころうとする気配』
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このように『兆し』とは『何かが起ころうとする気配』のことです。この記事では、兆しの正しい意味や使い方、英語表現などを紹介します。またこの記事を読むことで『兆し』と「萌し」、「前兆」との違いについて完璧にマスターすることができるはずです。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
兆しの意味をチェック
前述のとおり、兆しとは『何かが起こる気配・兆候』を指します。気配とは「なんとなく感じる」という意味で使われる言葉のため『なんとなく何かが起こるような気がする』というのが兆しです。
兆しという漢字が一般的ですが「萌し」と書くこともあるため覚えておきましょう。「萌す」とは草冠の漢字であるため、おもに植物に対して使われることが多いです。
例えば「春が訪れて新芽が萌す」のように使われます。しかしもうひとつの漢字である『兆す』と同じ『なんとなく何かが起こる気配や兆候』という意味も含んでいるのです。どちらの漢字を使っても間違いではありませんが、植物に関することに使う際には「萌す」のほうがより適しているといえます。
ここからは兆しの語源などを詳しく見ていきましょう。
「兆」の漢字は象形文字
兆しの「兆」という漢字は象形文字だといわれています。象形文字とは、物の形をかたどって作られた絵文字です。
その昔、動物の骨や亀の腹甲などを焼いて、その表面にできたひび割れをもとに吉凶を占っていました。そのひび割れをかたどり象形文字としたのが「兆」という漢字です。
このように「兆」には神の心や意思が宿っているとされ、それがいつしか現代の兆しという意味で使われるようになりました。
兆しの日本語の語源について
兆しには2つの語源があるとされています。
1つ目は「牙差す(きざす)」という言葉です。これは尖った牙のような芽が生えてくる様を意味しています。2つ目は「気差す(きざす)」です。こちらは何らかの気配が始まる様子を表しています。両者に共通していえることは「始まり」を意味しているということです。
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兆しの英語表記
兆しという言葉を英語で表現するには複数の単語があります。それぞれ例文と一緒に紹介しましょう。
【omen】
She has a omen of illness.
彼女には病気の兆しがある。
【sign】
Do you think that’s a bad sign?
それって悪い兆しだと思う?
【indication】
I can see no indication that her will recover.
病気の回復の兆しが見えない。
兆しと前兆の違い
兆しと非常によく似た言葉で「前兆(ぜんちょう)」があります。兆しは『なんとなく何かが起こる気配』のことでした。一方、前兆とは「何かが起こる前に現れる印、まえぶれ」をさします。
両者の明確な違いは「気配」なのか「実際に現れている具体的な印」なのかという点です。
例えば「小さな地震が続いているのは、大地震の前兆だろう」という文では「前兆」が正しいといえます。
なぜなら大地震がくるかもしれない兆候として、複数回の小さな地震という具体的な印が現れているからです。「小さな地震が続いているのは、大地震の兆しだろう」とはいいません。
兆しの使い方・例文
それでは最後に、兆しという言葉を実際に使うとどのような文章になるのでしょうか。正しい使い方を2つの例文で紹介します。
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兆しと前兆を使い分けよう
兆しとは『人の意思が底に及ばないような、なんとなく何かが起こりそうな気配』で使われる言葉です。一方、前兆とは兆しと同じように、何かが起こることを意味していますが、何かが起こる前に具体的な現象があります。こうした違いをしっかりと理解して『兆し』と「前兆」を使い分けていきましょう。
また『兆し』と「萌し」の使い分けのコツも紹介しました。同じような意味ですが、植物に対して使う場合には「萌し」を意識して使ってみてくださいね。