サテライトオフィスとは会社から離れた場所のオフィス
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今は、パソコンがあればどこでもたいていの仕事はこなせるようになっています。そのため、企業の本拠地まで行かなくても自宅から通いやすい場所に小さなオフィスを設ける企業も増えてきました。このような小さなオフィスのことを『サテライトオフィス』といいます。
しかし、その概要を詳しく知らないという人も多いことでしょう。そこで今回はサテライトオフィスの意味や概要をはじめ、メリットやデメリットなどもわかりやすく解説していきます。
サテライトオフィスの意味をチェック
サテライトオフィスは英語では『satellite office』します。いわゆる『サテライト(satellite)』の事務所ということですが、サテライト(satellite)には以下のような意味があります。
■衛星
■人口衛星
■衛星テレビ
■従者
■居候 など
それでは、次の項目からはサテライトオフィスがどのようなものなのかを詳しく説明していきたいと思います。
サテライトオフィスとは?
惑星の周りを周回する天体が衛星ですが、企業の本拠地を惑星にたとえ、その周りにあるオフィスということで『サテライトオフィス』とよばれるようになったといわれています。
そして、このサテライトオフィスには大きく『都市型』『郊外型』『地方型』と3種類にわかれており、それぞれ目的によって配置されているようです。
(ベッドタウン*:大都市の郊外にある都市で、おもに大都市への通勤者の居住地となっている。)
サテライトオフィスを配置するにあたっての具体的なメリットやデメリットについてはもう少しあとの項目でご紹介しますね。
サテライトオフィスと支社の違い
本社とは離れたところにあるオフィスであれば支社も同じじゃないの?と思うかもしれません。
支社は本社にもあるような設備をある程度整えているなど、オフィスとしては独立運営できる規模があるものが一般的です。
一方、サテライトオフィスは、必要最低限の設備のみとなっており、支社よりも少ない人員で運営されているのが一般的。営業目的というよりも、社員のライフスタイルにあわせることを目的としているというところに違いがあります。
サテライトオフィスのメリット・デメリット
これまでの説明を読んでいると「サテライトオフィスっていいなぁ」と思うかもしれませんが、実はメリットだけでなくデメリットもあるんです。ここではそのメリットとデメリットについて簡単にまとめてみました。
メリット
サテライトオフィスは3つの種類に分類されるということをお伝えしましたが、それぞれのタイプで特に感じられているメリットはどんなものなのかを種類別にまとめてみました。
■営業周りの途中で事務作業をすることができる。
■要介護の家族がいても働きやすい。
■時間が限られる主婦でも働きやすい。
■自然に囲まれてゆったりとした気持ちで仕事ができる。
■環境によるストレスの軽減で新しい発想が生まれやすい。
デメリット
デメリットについてはどのタイプにもほぼ共通するようですが、一番最後のデメリットについては『地方型』ならではのものになるでしょう。
■本社で実施されるような勉強会がない。
■コミュニケーションがとりづらい。
■田舎だと地域ならではのイベント参加が必要になり面倒なことがある。
[事例]サテライトオフィスの導入企業3つ
現在はさまざまな企業でサテライトオフィスを導入しています。ここでは事例を3つピックアップしてご紹介します。
事例①:サントリーホールディングス株式会社
飲料水メーカーとして有名なサントリーでは、『柔軟な働き方』を推進しており、在宅勤務やサテライトオフィスを利用できる『テレワーク』という制度が導入されています。
導入当初は育児や介護の必要がある人のみが対象でしたが、今では勤続年数などの条件はあるものの、事由に制限はなく、対象者の8割以上が利用するようになったそうです。
事例②:富士ゼロックス
富士フイルムのグループ企業である富士ゼロックスは、2018年12月28まで、東京メトロとの『サテライトオフィスサービス』の実証実験をおこなっています。
これは、東京メトロの駅やビルのエントランスに個人専用のブース型のオフィス空間を設置するというもので、中にはテーブル、イス、電源コンセント、専用の無料Wifi、液晶モニターが設置されているようです。
有料で事前予約が必要なようですが、移動が多い営業職の人には便利なシステムでしょう。公式サイトによると、中止になる可能性があるとのことですが、詳しい情報を知りたい人はこちらの公式サイトをご覧ください。
参考 富士ゼロックスニュースルーム事例③:住友商事
東京に本社のある住友商事は、2016年に働き方改革をするためのプロジェクトチームを発足し、有給休暇取得の推進、プレミアムフライデー、クールビズなどを導入してきました。
そして、現在では国内勤務の全社員を対象とし、在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務という3つの勤務形態を導入し、週に役14.5時間という条件のもとで利用できるようになっています。
公式サイトにはサテライトオフィスの写真も掲載されていますので、詳しく知りたい人は覗いてみてください。
参考 住友商事ニュースサテライトオフィスの「ちょくちょく」って?
今の若い人達であればネットカフェを利用したことがありますよね?それの個室ブースのようなものをイメージするとわかりやすいかもしれません。
企業が運営するサテライトオフィスは、企業がオフィスとなる場所を用意して仕事ができる環境を整えていますが、「ちょくちょく」はサテライトオフィスとしての設備を用意し、契約している企業の人がサテライトオフィスとして利用するという形態になっています。
セキュリティ抜群!
「ちょくちょく」はセキュリティを最大限配慮した施設になっており、契約先企業の登録者しか入室できない仕組みになっているようです。そして、用意されている設備にもセキュリティ対策は万全。その概要を少しまとめてみました。
■防音対策が施された個室ブース・打ち合わせ室がある。
■防音対策が施された電話ボックスがある。
■情報漏洩防止リスクの少ない複合機の設置。
■暗号化された無線LANがある。
また、こちらの施設では月極のロッカーもあり、PCなどのお仕事グッズも保管できるようになっているそうです。
利用方法や料金などは?
前の項目でも触れましたが、利用するには企業が「ちょくちょく」と契約し、利用する人を登録しておく必要があります。「ちょくちょく」の店舗はまだ全国展開はされておらず、東京、神奈川、千葉、埼玉に数店舗あるようです。気になる利用料金はこちら。
■ソファ席…150円/15分
■ブース…200円/15分
■個室(1名)…250円/15分
■個室(2名)…300円/15分
■個室(3~4名)…500円/15分
■個室(18名)…750円/15分 ※横浜店のみ
■ロッカー(1台)月額2,000円
■複合機…白黒1枚10円/カラー1枚30円
その他詳しい情報や資料請求については公式サイトをご覧ください。
参考 モバイルオフィスワークちょくちょく公式サイトサテライトオフィスの類語・関連語
サテライトオフィスの意味などについてはもうおわかりいただけましたよね?それではここから類語や関連語をいくつかご紹介しておきます。
リモートワーク
会社が用意しているオフィスではなく、おもに自宅で働くことをさして『リモートワーク』とよんでいます。企業によっては『在宅勤務』という呼び方をしているところもあります。
会社とのやりとりはEメールや電話で行い、仕事もパソコンがあればできるという状態になっているのが特徴です。いまでは『チャットワーク』というビジネスチャットツールを使う企業も増えているようです。
テレワーク
今多くの企業が前向きに導入をすすめている『テレワーク』は、ネット環境を最大限に活用して、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方ということを意味しています。
テレワークには、前の項目でご紹介した『リモートワーク』のほか、移動中に仕事をする『モバイルワーク』、そしてこの記事のテーマであるサテライトオフィスでの勤務などがあります。
サテライト◯◯
今の日本には、サテライトオフィスだけでなく、『サテライト』と名のついたいろいろなものが存在しています。ここではその中からいくつかピックアップしてみました。
■早稲田大学本庄キャンパス
■愛知県立大学名駅サテライトキャンパス
■大阪府立大学難波サテライト
■吉備国際大学岡山駅前キャンパス
■早稲田大学北九州キャンパス など
上から音が流れてくるため、臨場感のある音質が楽しめることが特徴となっています。
サテライトオフィスで働き方が変わる!?
今、都心の企業に勤めている人の多くは良質な生活環境を求めて郊外に住み、時間をかけて通勤しているという人も多いことでしょう。通勤時間というのは考えてみればもったいない時間ですよね?そんなときにサテライトオフィスが自宅からそれほど遠くないところにあれば通勤のストレスからも解消されます。
もしあなたが勤めている企業にサテライトオフィスがないようなら、これを機に希望を出してみるのもいいかもしれませんね。