顕在とは『はっきり形としてあらわれること』
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『顕在』の意味を知っていましたか? ビジネス、日常会話など、さまざまなシーンで登場する言葉です。『顕在』とはそれまでは見えていなかったものがはっきりとした形としてあらわれることを意味します。
よく「顕在化」として「化」という漢字をつけて使われることが多い言葉ですが、今回はその意味や語源、英語表記などを解説していきましょう。
顕在の意味をチェック
顕在(けんざい)の意味は『はっきり形としてあらわれること』です。つまりそれまでは形になっていなかったものが形としてあらわれた時に使われます。まずは語源を解説しましょう。
顕在の語源
顕在の顕という文字のへんの部分は、太陽の光とより糸の象形で構成されていて、つくりの部分は目の大きい人の象形です。これらの象形が合わさってできた「顕」という文字には「はっきりしていて美しいさま」「目立っている様子」といった意味があります。
在も複数の象形で構成された漢字です。川の氾濫をせきとめるための木という象形とまさかりという象形が組み合わさって、「ある」という意味の「在」という漢字が生まれました。
この2つの漢字、「顕」と「在」とで『顕在』という言葉ができたのです。
顕在を使った単語
顕在という言葉は、単独で使われることはあまりありません。多く使われているのは「顕在化」という単語です。『はっきり形としてあらわれること』と意味は近いのですが、
「はっきり形としてあらわれる方向での変化」となります。つまり、変化してきたというニュアンスが強調されているのです。
顕在化とともによく登場するのが「顕在意識」という言葉です。心理学などでよく登場する言葉で、はっきりと自覚している意識のことを指しています。ちなみに「潜在意識」は自覚していない意識、つまり無意識の領域のことです。
顕在意識と潜在意識は氷山にたとえられることがあります。海の上に出ている氷の部分が顕在意識、海中にある部分が潜在意識で、潜在意識のほうがはるかに大きいために氷山のたとえが使われるのです。
対義語は潜在
顕在の対義語は潜在です。「潜在」には「表に表れずにうちにひそんでいる」という意味があります。潜在的にあったものがなんらかのきっかけで形になったときに「顕在化した」といった表現を使うのです。
顕在の英語表記
顕在という言葉は抽象的な表現であるため、完全にイコールである英語の単語はありません。ただし、そのニュアンスを表現した英語表記はいくつかあります。例文とともに紹介しましょう。
【become apparent(明らかになる、顕在化する)】
Llinks between the two storylines become apparent.
2つの物語の関連が明らかになってきている。
【become clear(明らかになる、顕在化する)】
That politician’s injustice probably becomes clear soon.
あの政治家の不正はまもなく明らかになるだろう。
顕在と具現の違い
『顕在』と意味の似た言葉に「具現」があります。顕在という言葉に化が加わって「顕在化」と使われることが多いように、具現も化を加えて「具現化」という3文字で使われることが多い言葉です。どのような違いがあるのでしょうか。
どちらも『はっきりとした形としてあらわれる』という点では共通しています。
顕在がうちに隠れていたものが明らかになるというニュアンスであるのに対して、具現は頭の中で描いていたイメージ、理想、設計図などが形になるという意味で使われています。芸術家や建築家が作品や建物によって、自分のイメージを形にする場合に「具現化」という言葉を使い、「顕在化」という言葉を使うことはほとんどありません。
「具現化」は意志や意図によって実現するもの、「顕在化」はなんらかの外的な要因で明らかになるものという違いがあります。
また、「具現」と似た言葉に「具体」があり、この言葉も「化」をつけて、「具体化」という使い方をすることが多いです。「はっきりとした形や実態を揃えること」という意味があります。
顕在の使い方・例文
顕在という言葉、ビジネスの重要な場面で使われるケースがあります。実際にどんな場面で使われているのか、例文をみてみましょう。
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顕在の意味を理解して正しく使おう
顕在という言葉の意味や語源、類義語などを解説してきました。「顕在化」といういい方で登場することが多いことも覚えておきましょう。『はっきり形としてあらわれること』という言葉の意味は抽象的なところもあるので、しっかり理解した上で正しい使い方をしてください。