更には5つの意味がある
新人
先輩
『更に』は多くに人が日常でも頻繁に使っている言葉の1つです。しかし、みなさんが何気なく使っているこの言葉には複数の意味があることを知っていますか?実はこの『更に』は、細かく分けると5つの意味があるのです。
この記事では、便利な言葉である『更に』の正しい意味や使い方を、例文などを含めてわかりやすく紹介します。
さっそく『更に』の5つの意味をみていきましょう。
更にとは『程度が増す様子、段階が高まる様子』
更にという言葉の意味のうち、1つ目に挙げられるのは『程度が増す様子、段階が高まる様子』です。
これは、現状よりもさらに、いっそう、もっとなどの意味合いを持ち、次のような表現例が考えられます。
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・更に彼女はきれいになった
・サッカーが更に上手くなる
更にとは『これまでに加えて繰り返し行うさま』
2つ目の意味は『これまでに加えて繰り返し行うさま』です。
これは、これまで行った同じ行為を繰り返し再度行うという意味で、次のような表現例が考えられます。
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・値引き交渉を更に繰り広げる
・10年の月日が更に流れた
更にとは『(打ち消しの語を伴って)少しも~ない』
3つ目の意味は『(打ち消しの語を伴って)少しも~ない』です。
これは、まったく~ない、全然~ないという意味で、次のような表現例が考えられます。
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・反省の様子が更にない(反省の様子がまったくない)
・風の音も更に聞こえない静けさ(風の音も少しも聞こえない静けさ)
更にとは『あらためて、新しく』
4つ目の意味は『あらためて、新しく』です。
これは、物事を新しくする、今さら、という意味を持ち、次のような表現例が考えられます。
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・契約を更に更新する
・更にも言わず(あらためて言うまでもない)
更にとは『すっかり、全く』
最後に挙げられる意味は『すっかり、全く』です。
これは、完全にといった意味を持ち、次のような表現例が考えられます。
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・米びつは更に空だった。(米びつはすっかり空だった)
・論点が更に飛躍している(論点がすっかり飛躍している)
更にの意味をチェック
ここまでに見てきたように、更にという言葉は5つの意味を持ち合わせています。
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・程度が増す様子、段階が高まる様子
・これまでに加えて繰り返し行うさま
・(打ち消しの語を伴って)少しも~ない
・あらためて、新しく
・すっかり、全く
ここからは、いっそう更にの理解を深めるため、さまざまな角度からこの言葉を見ていきましょう。
更にの漢字のもつ意味について
更にという言葉は、どのような漢字と語源からなる言葉でしょうか。
更には、「更」という漢字が使われています。この「更」は、次の意味を持ち合わせている漢字です。
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あらためる
新しいものにする
夜がふかまる
受け継ぐ
このような漢字のもつ意味から、前向きな印象であり、一般的には新鮮さを感じさせる字として捉えられています。人名などで用いられる場合は、未知の物事にも臆することなく立ち向かう、向上心にあふれた人になってほしいといった期待を込めて使われる漢字です。
更の漢字を含むさまざまな表現
更にという言葉がもつニュアンスは理解できたでしょうか。ここでは、更にに使われる漢字の理解を深めるために、さまざまな更の漢字を使ったさまざまな表現をご紹介します。
◾️満更でもない
まんざらでもないと読み、まったく悪いというわけではない、必ずしも嫌というわけではないという意味の言葉です。
◾️更にもあらず
言うまでもなく、もちろんである、という意味で使われます。
◾️更にも言わず
改めて言うまでもない、もちろんである、という意味で使われる慣用句です。
日常のさまざまな場面や文章内容などにより、更という漢字を含むこれらの表現を、ぜひ使えるようにしましょう。
更にの英語表現
更にを英語で表記する場合、更にが複数の意味をもつことから、さまざまな表現が可能です。これまでみてきた更にの5つの意味ごとに、あてはまる英語表記をみてみましょう。
それぞれの意味と例文もあわせて紹介していきます。
◾️further、farther(程度がさらに進んで、なおそのうえに、さらにまた)
我々は次の段階へと更に進むことが可能です。
◾️what is more(おまけに、その上に)
彼は若いし、更に二枚目だ。
◾️at all(少しも~でない)
私は更に泳げない。
◾️anew(改めて、新たに)
更に、あたり一面が新たに氷で覆われた。
◾️in the least(何も、決して、一向に、さっぱり、少しも、ちっとも)
私は更に疲れません。
このように、更にを意味する英語にはさまざまな表現方法が存在します。ビジネス上でこのような英単語が登場した際に、更にという日本語をしっかりと思い浮かべられるように心がけましょう。
更にと「加えて」の違い
更にと似た意味で使われる言葉として「加えて」が挙げられます。この言葉は、また、そのほかに、さらにを意味する言葉です。
例文をみていきましょう。
このように、前で述べた物事の状況や様子について、後にさらに物事の状況や様子などを付け加えて、全体的にやや強調したい場合に使われる言葉です。
また、強調の程度で言うと、「更に」は比較的やわらかい言い方になり、そのうえがやや硬い表現であり、「加えて」は硬い表し方になります。さらに強調したい場合は、しかもを使うと良いでしょう。
次に例文を紹介します。
今日は寝坊した。そのうえ、遅刻もしてしまった。
今日は寝坊した。加えて、遅刻もしてしまった。
今日は寝坊した。しかも、遅刻もしてしまった。
微妙な強調の程度の差を理解していただけたでしょうか。「更に」と同じ意味をもつ「加えて」との違いを理解して、状況にあわせて上手に使い分けましょう。
更にの使い方・例文
それでは、更にの例文を見てみましょう。
新人
上司
先輩
上司
更にの正しい意味を理解して適切に使おう
更にという単語は、日常でもビジネスシーンにおいても高い頻度で使われる言葉です。ここまでみてきた5つの意味やさまざまな英語表現方法、さらに、同義語である加えてとの程度の違いなども正確に把握してこれからの会話で巧みに使いこなしましょう。
ぜひ、この記事を参考にして、更にたくさんの言葉を身に付けてください。